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Round 4: 八十岡 翔太(東京) vs. Marijn Lybaert(ベルギー)

Round 4: 八十岡 翔太(東京) vs. Marijn Lybaert(ベルギー)

by Atsushi Ito

 プロツアー・パリで21位入賞、グランプリ・神戸で悲願の個人タイトルを獲得したばかりでなく、つい先週開かれたグランプリ・シンガポール(リンク先は英語)でもトップ8に入り、今シーズンかなり好調の八十岡。

八十岡 翔太

八十岡 翔太

 その要因の1つとして、八十岡が構築フォーマットで毎回自分で製作する、「ヤソコン」とも称されるほどにオリジナリティ溢れるデッキが、今年はヒットしているということがあるだろう。

 そんな今回の「ヤソコン」は、藤田 剛史(大阪)や渡辺 雄也(神奈川)、森 勝洋(東京)といった面々にもシェアしている、一見禍々しい4色コントロールである。2色土地が友好色5種類しか存在しないこのブロック構築環境で4色とはなかなかの狂気だが、好調の八十岡が構築したデッキであるから、今回もひょっとして、という期待を抱かせる。

 対するLybaertは白単だが、《鍛えられた鋼/Tempered Steel》ビートではなく《白の太陽の頂点/White Sun's Zenith》などをフィニッシャーに据えたコントロールとなっている。

 青いコントロールと青くないコントロールが戦うと青い方が勝つというのが半ばマジックの常識だが、Lybaertはこの相性差を覆せるか。


Game 1

Marijn Lybaert
Marijn Lybaert

 先手はLybaert。八十岡の《漸増爆弾/Ratchet Bomb》を3ターン目に《レオニンの遺物囲い/Leonin Relic-Warder》する立ち上がり。八十岡はあえて2ターン目にキャストしなかった《太陽の宝球/Sphere of the Suns》でマナブーストするが、これも《神への捧げ物/Divine Offering》で砕かれ、仕方なく《マイコシンスの水源/Mycosynth Wellspring》を置いてゆっくり態勢を整える。

 先に5枚目の土地を置いたLybaertはしかし、《レオニンの遺物囲い/Leonin Relic-Warder》で攻撃するのみ。対する八十岡も《オキシダの屑鉄溶かし/Oxidda Scrapmelter》で自分の《マイコシンスの水源/Mycosynth Wellspring》を割るのみでターンを終える。お互いに相手のデッキを計っているような間合いだ。

 Lybaertは《四肢切断/Dismember》で《オキシダの屑鉄溶かし/Oxidda Scrapmelter》を排除し、《レオニンの遺物囲い/Leonin Relic-Warder》でのアタックを継続しようとするが、これには《感電破/Galvanic Blast》がプレイされ、取り除かれていた《漸増爆弾/Ratchet Bomb》が戻ってくる。Lybaertはこれを《神への捧げ物/Divine Offering》してからさらに《刃の接合者/Blade Splicer》をプレイするが、返しで八十岡は《聖別されたスフィンクス/Consecrated Sphinx》を降臨させる。

 Lybaertはたまらず《ファイレクシアの再誕/Phyrexian Rebirth》でリセットするしかない。

 八十岡が《マイコシンスの水源/Mycosynth Wellspring》を置いてから《黒の太陽の頂点/Black Sun's Zenith》で3/3のトークンを流すと、これに対しLybaertは不気味にターンを返すのみ。

 ここで八十岡は《ボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolas》をプレイ、+1能力で《太陽の宝球/Sphere of the Suns》を加えてターンエンド。Lybaertはエンド前に《白の太陽の頂点/White Sun's Zenith》をX=3でプレイ、念入りに《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus》も合わせたフルアタックで、出たばかりのプレインズウォーカーは即座に葬られる。

 この攻防を経てLybaert側が一方的な盤面のようだが、次のフルアタックは八十岡が《内にいる獣/Beast Within》を自分の《マイコシンスの水源/Mycosynth Wellspring》に打ち込んで防御し、4点を受けてライフは12(毒2)。Lybaertの《レオニンの遺物囲い/Leonin Relic-Warder》が《太陽の宝球/Sphere of the Suns》をリムーブしてターンエンド。

 地味なアドバンテージの積み重ねでリソースが尽きない八十岡は2枚目の《ボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolas》をプレイ、+1能力で再び《太陽の宝球/Sphere of the Suns》を手に入れる。

 Lybaertは《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus》2体でプレイヤー、2/2が3体でテゼレットにアタックするが、八十岡は2枚目の《内にいる獣/Beast Within》を自分の土地に撃ちこんでこれを守りきる。

 あらかた盤面を捌いた八十岡は、満を持して《ボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolas》の-1能力を使用し、《太陽の宝球/Sphere of the Suns》を5/5にして3/3トークンもろとも11点アタック。Lybaert側は《清純のタリスマン/Pristine Talisman》のライフゲインを差し引いても残りライフ10点まで一気に落ち込む。Lybaertの引きが芳しくないのも相まって、完全に攻守が入れ替わってしまった形だ。

 Lybaertは《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus》2枚で今度こそ《ボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolas》を除去し、5/5の《太陽の宝球/Sphere of the Suns》は《レオニンの遺物囲い/Leonin Relic-Warder》で対処するが、八十岡が《オキシダの屑鉄溶かし/Oxidda Scrapmelter》で《清純のタリスマン/Pristine Talisman》を割ると、何も引かないLybaertは3/3の群れを前にカードを畳むしかなかった。

 八十岡 1-0 Lybaert


Game 2

Round 4

 八十岡がワンマリガン。Lybaertの3ターン目《刃の接合者/Blade Splicer》に対し、八十岡は《粗石の魔道士/Trinket Mage》で《地平線の呪文爆弾/Horizon Spellbomb》を手札に加える。

 3/3ゴーレムトークンだけが静かにアタックを続ける中、Lybaertは《清純のタリスマン/Pristine Talisman》でマナを伸ばし、八十岡も《地平線の呪文爆弾/Horizon Spellbomb》を起動して着々と準備を整える。どうも長丁場になりそうな気配だ。

 しかし、予想に反して決着は一瞬だった。

 《清純のタリスマン/Pristine Talisman》を置いて以降はドローゴーで全マナオープンのLybaertに対し八十岡は、6ターン目に意を決してフルタップで《聖別されたスフィンクス/Consecrated Sphinx》をプレイする。

 だがエンド前の全力《白の太陽の頂点/White Sun's Zenith》からLybaertが突きつけたのは、

 《大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Grand Cenobite》。

 八十岡 1-1 Lybaert

Lybaert 「Never color problem?(そのデッキ、今まで色事故してないの?)」

八十岡 「No.(事故ってないよ。)」

Lybaert 「Maybe now!(じゃあ多分今から事故るよ!)」


Game 3

 Lybaertがマリガン。《グレムリン地雷/Gremlin Mine》を置いてからの4ターン目《ボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolas》(+1能力を使用してハズレ)という八十岡に対し、Lybaertはファーストアクションが《刃砦の英雄/Hero of Bladehold》。ゲームは早くもクライマックスを迎えた。

 5ターン目の八十岡の手札(セットランド前)が

  • 《銅線の地溝/Copperline Gorge》
  • 《島/Island》
  • 《冷静な反論/Stoic Rebuttal》
  • 《太陽の宝球/Sphere of the Suns》
  • 《解放された者、カーン/Karn Liberated》

 という内容。土地は4枚あり、戦場の《グレムリン地雷/Gremlin Mine》を5/5にすることはほぼ確定だろうが、《島/Island》を置きつつ《太陽の宝球/Sphere of the Suns》をキャストして《冷静な反論/Stoic Rebuttal》を構えると、次のターンに《解放された者、カーン/Karn Liberated》をプレイするためにはアンタップ土地をドローしなければならない。他方で、《冷静な反論/Stoic Rebuttal》を構えなければ次のターンの《解放された者、カーン/Karn Liberated》は出そうだが、うっかり《太陽の宝球/Sphere of the Suns》が壊されないとも限らない。

 結局八十岡は《冷静な反論/Stoic Rebuttal》を構える方(《島/Island》を置いて《太陽の宝球/Sphere of the Suns》プレイ)を選択するが、返すターンにLybaertは《神への捧げ物/Divine Offering》が《冷静な反論/Stoic Rebuttal》された後の《四肢切断/Dismember》で《グレムリン地雷/Gremlin Mine》を除去し、さらに《呪詛の寄生虫/Hex Parasite》をもキャスト。どちらのプランでもほぼ詰んでいるという徹底ぶりだ。

 それでもまだアンタップの土地が引ければ《解放された者、カーン/Karn Liberated》で《刃砦の英雄/Hero of Bladehold》が除去できて一息つけるのだが、八十岡のドローは空気を読めない《納墓の総督/Entomber Exarch(NPH)》。

 タップイン土地を置きつつやむなくこれをキャストすると、Lybaertの手札には2枚目の《刃砦の英雄/Hero of Bladehold》が待ち構えていたのだった。

Lybaert2

 八十岡 1-2 Lybaert

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