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プロツアー・名古屋11

読み物

Round 9: 伊藤 光英(埼玉) vs. 八十岡 翔太(東京)

by Atsushi Ito  2nd Draftを終えての3回戦。その1回戦目は2敗ラインでの日本人対決をお届けしよう。  6番ポッドでは日本人が3人・・・伊藤 光英(埼玉)、井川 良彦(東京)、八十岡 翔太(東京)が同卓となり、しかもピックはこの順で上家下家の席の並びとなった。  伊藤のデッキは青白金属術ビートダウン。1パック目初手で《ファイレクシアの群れの王》を流してまで《磁器の軍団兵》をピックしての決め打ちとの話だ。  間の井川がそのレアを受け取って緑黒感染に走ったため、上家方面に青白緑黒を抑えられた形の八十岡は赤黒の除去単となっている。  協調という意味ではさすがプロというべきか、3人でこれ以上ないほどに色とアーキタイプの住み分けができているが、八十岡は3パック目でカードの出に恵まれず《モリオックの肉裂き》ばかりピックする羽目になっていたのが気になるところだ。  1st Draft2-1の伊藤と3-0の八十岡。ドラフト巧者同士がそれぞれ完成されたアーキタイプを手に火花を散らす。
Game 1
 先手は伊藤、八十岡がワンマリガンで幕を開ける。  《グレムリン地雷》《磁器の軍団兵》《突風掬い》とロケットスタートの伊藤に対し、ダブルマリガンはできず《》1枚と3マナの除去でキープした八十岡は《》1枚こそすぐ引けたものの3マナ目が引けず、3点と5点を受けて12点までライフを落とす。  それでも4ターン目には何とか土地を引きこんで、まずは《不気味な苦悩》で《磁器の軍団兵》を除去する。  他方、伊藤も4マナで土地が止まった上に展開できるパーマネントがないのか、《突風掬い》での飛行アタックを繰り返すのみ。  この隙に《鉄のマイア》から《ゴーレムの職工》、さらに《変換室》と持ち直した八十岡。ライフはわずか4だが盤面は完全に逆転している。  だがここでようやく5枚目の土地を引きこんだ伊藤がプレイしたのは《堕落した良心》!!
 八十岡も何とか《生命の終焉》までつなげるべく耐えようとするのだが、伊藤がトップした《切りつける豹》で八十岡のライフを0以下まで押し込んだ。  伊藤 1-0 八十岡
Game 2
 先手は八十岡。土地4枚に《生命の終焉》とプランが見える7枚を文句なくキープ。  対する伊藤も《起源の呪文爆弾》《謎鍛冶》《グレムリン地雷》と順調にデッキを回転させていく。  《シルヴォクの模造品》が《グレムリン地雷》の餌食となった後、《ドロスの切り裂き魔》をブロッカーに立たせて相手の展開を誘う八十岡。その目論み通りに、伊藤は《磁器の軍団兵》《突風掬い》と展開を緩めない。  八十岡も《火膨れ杖のシャーマン》で適当に《謎鍛冶》を除去して相手の消耗を誘う。伊藤はさらに《皮羽根》まで並べつつ《急送》で《ドロスの切り裂き魔》を除去、八十岡はドローと場の《火膨れ杖のシャーマン》を見て、まるで「土地ばかり引いて何もやることがないかのように」ターンエンドする。
Martin Juza
八十岡 翔太
 伊藤のデッキが凡庸な青白ビートダウンだったなら、おそらくこのまま八十岡の術中に嵌って《生命の終焉》で1対6くらいの交換を強いられていたことだろう。  だが、伊藤のデッキは並大抵の強さではなかった。伊藤がプレイした《変換室》を見て八十岡の顔色が変わる。  《生命の終焉》で何対何交換をとっても《変換室》1枚でリソースが取り戻されてしまう。かといってこのまま何もしなければライフが危ない。結局八十岡は当初の予定とは異なり、撃たされる形で《生命の終焉》をプレイすることとなる。  伊藤も驚きはするものの、《変換室》のおかげでリソースにはまだ余裕がある。すぐさま2体目の《磁器の軍団兵》を場に出し、2マナを構える。  八十岡はフィニッシャー(?)の《モリオックの肉裂き》をプレイするが、伊藤はさらにエンド前に3/3トークン生産からアタック後に《空長魚の群れ》を召喚。ライフは伊藤12対八十岡8、傍目で見ても絶望的な状況だ。  だが八十岡はエンド前に《空長魚の群れ》に《不気味な苦悩》をプレイ、《モリオックの肉裂き》のアタック後にフルタップで《ゴーレムの職工》《鉄のマイア》と展開。八十岡の手札は残り1枚。  伊藤は《皮羽根》を3/3トークンに装備させて《磁器の軍団兵》と2体でアタック。《鉄のマイア》がチャンプしてライフは伊藤9対八十岡3。八十岡が何も引かなければ守勢にまわらざるをえなくなり、《変換室》で負けてしまう。  しかしここで八十岡のドローは値千金の《ゲスの評決》!!  前のターンから抱えていた最後の手札=2枚目の《不気味な苦悩》を《磁器の軍団兵》に撃ちこみ、さらに増殖で《空長魚の群れ》を葬ってから《ゲスの評決》で《皮羽根》のついた3/3トークンを屠ると、3体いた伊藤のクリーチャーが一瞬にして綺麗に消え去った。  そのまま無人の荒野を駆ける《ゴーレムの職工》(と《モリオックの肉裂き》)が伊藤を介錯した。  伊藤 1-1 八十岡
Game 3
 先手の伊藤がマリガンするが、《磁器の軍団兵》《回転エンジン》と圧倒的なクロックを形成する。  八十岡も《虚無の呪文爆弾》を起動、ドローを進めて除去を求めるがデッキが応えず、相打ち要因として《モリオックの肉裂き》を召喚するに留まる。
Martin Juza
伊藤 光英
 だが返すターンに伊藤が叩きつけるようにプレイしたのは《切りつける豹》!! 《モリオックの肉裂き》とは注文通りの相打ちだが、3点と6点をもらい八十岡のライフは既に11。  ここで八十岡は《不気味な苦悩》をトップし伊藤のクロックをスローダウンさせようと目論むが、なおも伊藤はフルタップで《空長魚の群れ》を展開。  八十岡はようやく駆けつけた《火膨れ杖のシャーマン》で《磁器の軍団兵》を葬るが、伊藤が《皮羽根》を追加すると、残り少ないライフを飛行クリーチャー2体により削りきられてしまった。  伊藤 2-1 八十岡 八十岡 「《迫撃鞘》に《火膨れ杖のシャーマン》×2まで入ってて3ターン目に引かねーし」 伊藤 「3枚入ってて引かれなかったのはこっちが相当ツイてましたね」
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RESULTS

対戦結果 順位
16 16
15 15
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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