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Round 10: 猪野 健太郎(京都) vs. 三原 槙仁(千葉)

Round 10: 猪野 健太郎(京都) vs. 三原 槙仁(千葉)

By Takamasa Sato


 プロツアー名古屋も第9回戦を終え、1敗でトップをひた走る藤田 剛史の陰で、3敗ラインでトップ8を賭けた崖っぷちの対決を余儀なくされる日本人もいる。

三原 槙仁

三原 槙仁

 記憶に新しいグランプリ・神戸トップ8プレイヤー・猪野 健太郎と、2006年度世界王者であり、千葉のMTGコミュニティを牽引する「魔王」三原 槙仁である。

 元々千葉のプレイヤーでもある猪野と三原とは面識があるようで、シャッフルを繰り返しながらも和やかな雰囲気。

 ピック直後に筆者が声をかけたところ、
三原 「デッキは息してないよ
 と仰っていた魔王だが、初戦を勝ったことでデッキも温まってきたころだろう。


Game 1

 ダイスロールの勝者である三原は先手を選び、双方7枚キープ。

 1ターン目《大霊堂のスカージ/Vault Skirge(NPH)》から、《ダークスティールの斧/Darksteel Axe(SOM)》《ヴァルショクの模造品/Vulshok Replica(SOM)》とテンポよくビートする三原に対し、猪野は《脊柱の飛行機械/Spined Thopter(NPH)》で応える。

 並んでいる土地は双方《平地/Plains(M11)》と《山/Mountain(ROE)》なのだが、ここまで白も赤のパーマネントは一枚も出ていない。

 どちらのデッキも猪野いわく「時代に逆行した」軽いビートダウンデッキのようだ。
確かに、新たなるファイレクシア後のドラフトでは軽いカードの枚数が減ったため、重めのカードを含んだコントロールデッキになりがちだ。

 先に色つきのパーマネントを出したのは猪野。
 攻防に活躍する《縫合の僧侶/Suture Priest(NPH)》である。

 ここで三原が《堕ちたる鉄術士/Fallen Ferromancer(NPH)》。
 これを生かすと大変なことになる猪野は、《不純の焼き払い/Burn the Impure(MBS)》でしっかり除去。

 次なるターンの三原のアタックと猪野のブロックで、いったん戦場はリセットされ、三原のみが《嵌め乗りの滑空者/Snapsail Glider(SOM)》を置いてビートの準備。

 猪野の《錆びた斬鬼/Rusted Slasher(MBS)》に対し、三原は先手の優位を生かしてライフを追い詰めるべく、《屍気の香炉/Necrogen Censer(SOM)》。

 しかし、猪野は落ち着いて2枚目の《不純の焼き払い/Burn the Impure(MBS)》で三原から唯一のアタッカーを奪うと、《マイアの感電者/Myr Galvanizer(SOM)》《切りつける豹/Slash Panther(NPH)》と展開。そのまま殴りきった。

猪野 1-0 三原


三原 「このマッチアップだと消耗戦だよね」

 三原は真剣な表情でカードを検討し、慎重な手つきで一枚ずつ確認しつつ入れ替える。

 対する猪野は涼しい表情。入れ替えもスムーズだ。

 シャッフルしながら同じ卓のカードの流れについて語り合う両者。
 間に流れていた和やかな雰囲気は、手札を覗きこんだ瞬間、真剣なものに変わる。


Game 2

 今度は後手を選んだ三原は7枚をキープするが、猪野は即決で1マリガン。

 初動は三原の《シルヴォクの生命杖/Sylvok Lifestaff(SOM)》だったが、クロックは猪野の方が早い。
 《ヴァルショクの模造品/Vulshok Replica(SOM)》である。
 三原はこれを《主の呼び声/Master's Call(MBS)》で捌き、消耗戦の天秤を自らに傾ける。

 しかし、猪野の場に《トゲ撃ちの古老/Spikeshot Elder(SOM)》が現れると「まずい」と一言。
 《調和者隊の盾/Accorder's Shield(SOM)》をプレイ後、即装備してトークンを守る。

 猪野がプレイした次なるカードは《らせんの決闘者/Spiraling Duelist(MBS)》。
 この環境では見慣れないカードだが、猪野のデッキは金属術である。
 条件を達成すれば、無視できるカードではなくなるだろう。

 続けて《脊柱の飛行機械/Spined Thopter(NPH)》を呼び込んだ猪野は、Game 1の再現を狙う。

 三原は《レオニンの遺物囲い/Leonin Relic-Warder(MBS)》で《脊柱の飛行機械/Spined Thopter(NPH)》を対象とし、追放能力をスタックに乗せたうえで《石弾化/Artillerize(NPH)》で生贄に捧げる。
 これで《トゲ撃ちの古老/Spikeshot Elder(SOM)》との同時除去に成功してほっと一安心。

猪野 「このままじゃ不利じゃないですか」
 呟きつつ送りだしたのは、あのイケメンこと《覇者、ジョー・カディーン/Jor Kadeen, the Prevailer(NPH)》!

三原 「強くね?」
猪野 「マジックはレアが強いゲームですよ」

 三原はとりあえず《錆びた斬鬼/Rusted Slasher(MBS)》を場に送り、盤面だけでも均衡を保とうとする。
 さらに猪野は《ロクソドンの非正規兵/Loxodon Partisan(MBS)》を置いてそのまま押し切る構え。

 三原はアタックし、《ロクソドンの非正規兵/Loxodon Partisan(MBS)》にブロックさせてからトークン生け贄で再生してクロックを維持。
 第2メインには《ゴブリンの小槌打ち/Goblin Gaveleer(SOM)》を送り出し、《調和者隊の盾/Accorder's Shield(SOM)》を構えさせて3/6警戒トランプルの硬い生物を産みだす。
 《ヴィリジアンの爪/Viridian Claw(MBS)》までプレイして、次のターンにはさらなる巨大な生物に成長しそうだ。

 猪野は《炎生まれのヘリオン/Flameborn Hellion(SOM)》プレイからの速攻アタックをするのだが、三原は涼しい顔でこれをブロック。

 三原の次なるターンには3枚の装備品が《ゴブリンの小槌打ち/Goblin Gaveleer(SOM)》に装備され、9/10先制攻撃、警戒、トランプルの生物に育てると、そのまま押し切った。

猪野 1-1 三原

 ゲームの合間にも舌戦を繰り広げる両者。

猪野 「最近ドラフト下手な気がする......。色々間違ってた。前はうまかったわけじゃないけど」
三原 「いや、前はうまかったと評判ですよ」
猪野 「要らないカードを入れ替えよう」
三原 「要らないカードなんてないよ!」
猪野 「ジャンプ(《空への跳躍/Vault Skyward(SOM)》)でも!?」
三原 「ジャンプでも!」

 筆者が苦笑しつつそれを聞いていると。

三原 「いやでも、弱いカードは入れ替えたほうがいいね」

 まあ、そうだろう。

Game 3

猪野 健太郎

猪野 健太郎

 猪野は先手を選択し、7枚のカードをフィーチャーテーブルに広げると、
猪野 「プレイングを運でカバーしてくれ!」
 と、勢いよく手札を開く。

 どうやら運は訪れたようで、そのままキープ。
 三原にも問題はなく、ゲームスタート。

 初動は猪野の3ターン目《侵害の魂喰い/Trespassing Souleater(NPH)》。
 さらに《錆びた斬鬼/Rusted Slasher(MBS)》で6点クロックを送り込む。

 三原も、もちろん《錆びた斬鬼/Rusted Slasher(MBS)》でこれに応じる。

 双方の《錆びた斬鬼/Rusted Slasher(MBS)》はコンバットで相討ちとなり、猪野の場にだけクロックが残る。
 これぞ、三原の言っていた「消耗戦」。この繰り返しの末にクロックを残せた側が勝利するのだ。

 そんなことはわかりきっている猪野は《ロクソドンの非正規兵/Loxodon Partisan(MBS)》も追加して、6点のクロックを保つ。

 三原は強力な飛行生物である《砕けた天使/Shattered Angel(NPH)》を出すのだが、《不純の焼き払い/Burn the Impure(MBS)》がこれを除去。

 三原も《探知の接合者/Sensor Splicer(NPH)》と《ダークスティールの斧/Darksteel Axe(SOM)》で場を固めるのだが、返しに猪野も《探知の接合者/Sensor Splicer(NPH)》。

 二人は同じ卓の中でカードを分け合ってしまっているようだ。

 三原は《訓練する徒食者/Training Drone(MBS)》をプレイし、《ダークスティールの斧/Darksteel Axe(SOM)》を装備することで6/4に。
 ところが猪野の《オキシダの屑鉄溶かし/Oxidda Scrapmelter(SOM)》で応じ、このマッチアップで重要なアドバンテージを手にする。

 猪野はそのまま《ロクソドンの非正規兵/Loxodon Partisan(MBS)》《侵害の魂喰い/Trespassing Souleater(NPH)》、ゴーレムトークンと《探知の接合者/Sensor Splicer(NPH)》でアタック。
 三原は少し考えてから、ゴーレムトークンと《探知の接合者/Sensor Splicer(NPH)》同士での相討ちを選ぶ。

 残ったクロックは《レオニンの遺物囲い/Leonin Relic-Warder(MBS)》と《石弾化/Artillerize(NPH)》のコンボで除去するのだが・・・
 猪野の《オキシダの屑鉄溶かし/Oxidda Scrapmelter(SOM)》だけが場に残ってしまい、そのまま押し切られた。

猪野 2-1 三原

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