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準々決勝: Gaudenis Vidugiris(アメリカ) vs. Fabian Thiele(ドイツ)

準々決勝: Gaudenis Vidugiris(アメリカ) vs. Fabian Thiele(ドイツ)

By Tomohiro Kaji


 ドラフトのピックに一喜一憂、そして楽しそうに美しい感染デッキを構築しているプレイヤーの隣で、そもそも何色で組むか悩むプレイヤーも、ピックが過ぎてしまえば、もう追加できるカードは5種類の基本土地のみだ。
 限られた時間で、次に対戦する対面のプレイヤーが構築するデッキを想像しながら、それぞれが今大会最後のデッキ登録用紙を埋める。
 構築に与えられた時間はあっという間に過ぎ、文字通りの負けたらアウトなシングルエリミネーションが始まった。

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 その名前がアメリカ人にも発音が難しく、「G(ジー)」と呼ばれるGaudenis Vidugirisが構築したのは白赤のテンポデッキ。
 前のめりな《カルドーサの再誕/Kuldotha Rebirth(SOM)》《焼身の魂喰い/Immolating Souleater(NPH)》という軽いカードたちを、《地層の鎌/Strata Scythe(SOM)》や《攻撃的な行動/Act of Aggression(NPH)》で押し込む構成になっている。
 ただ、《メムナイト/Memnite(SOM)》や《カルドーサの再誕/Kuldotha Rebirth(SOM)》といったカードが採用されており、中盤からは'軽すぎる'ためにダメージを最初から優先しないとすぐに息切れてしまう構成だ。

 対するFabian Thieleは、《囁く者、シェオルドレッド/Sheoldred, Whispering One(NPH)》《カルドーサの炎魔/Kuldotha Flamefiend(MBS)》という2大カードに支えられた赤黒コントロール風デッキを構築した。
 長引かせて2枚のレアカードのどちらかを引くまで耐えるプレイングに、オプションとして《クローンの殻/Clone Shell(SOM)》を使ったライブラリーからの直接召喚もできる。

 《囁く者、シェオルドレッド/Sheoldred, Whispering One(NPH)》を対処するカードのないGaudenisはスピードのある初手を、対して序盤がもろいFabianはブロッカーを持つハンドをキープできるのか、そこがゲームの鍵だ。


Game 1

 {W}{W}の必要な《レオニンの空狩人/Leonin Skyhunter(MBS)》のあるハンドなのに、《山/Mountain(M11)》2枚、《平地/Plains(M11)》1枚、戻すカードの無い《きらめく鷹/Glint Hawk(SOM)》に、平地を刻印したくない《地層の鎌/Strata Scythe(SOM)》。
 まさに微妙なハンドを、マリガンするよりはマシかな?と、Gaudenisは考えながらこれをキープ。

 Fabianの初動は《マイアの種父/Myr Sire(MBS)》と、《焼身の魂喰い/Immolating Souleater(NPH)》を軸にしたデッキのGaudenisはちょっと嫌そうな顔。
 Gaudenisのデッキは平地10:山6なはずなのだが、《平地/Plains(M11)》を引けずに《地層の鎌/Strata Scythe(SOM)》を唱え、《山/Mountain(M11)》をライブラリーから抜き取る。
 その間、Fabianは威嚇のダメージクロック、《盲目の盲信者/Blind Zealot(NPH)》を呼び出した。

 第4ターン、やっと引いた2枚目の《平地/Plains(M11)》を置きながら、《きらめく鷹/Glint Hawk(SOM)》で《地層の鎌/Strata Scythe(SOM)》を出し直し、改めてした刻印は《平地/Plains(M11)》。
 そしてそのまま装備と行きたいGaudenisだが、サイズの大きな飛行は面倒なことになるとばかりに、《きらめく鷹/Glint Hawk(SOM)》は《盲目の盲信者/Blind Zealot(NPH)》の能力で、《レオニンの空狩人/Leonin Skyhunter(MBS)》は《不気味な苦悩/Grim Affliction(NPH)》で対処されてしまった。

 Gaudenisの《練達の接合者/Master Splicer(NPH)》には、Fabianも《シェオルドレッドの刈り取るもの/Reaper of Sheoldred(NPH)》で対抗するが、Gaudenisはトークンに《地層の鎌/Strata Scythe(SOM)》を持たせて7/7へと膨れ上がらせ、ついにFabianへの攻撃を開始する。

 ここで、地上のライフと毒のダメージレースが始まるかと思われたが、Fabianの唱えたのは《囁く者、シェオルドレッド/Sheoldred, Whispering One(NPH)》。

 これに対処するカードが1枚もないGaudenisは、アドバンテージでは絶対に勝てなくなってしまったので、ライフレースするべく《倒れし者の記憶/Remember the Fallen(NPH)》で回収し、《レオニンの空狩人/Leonin Skyhunter(MBS)》に望みをかける。

 しかし、この唯一の飛行に《地層の鎌/Strata Scythe(SOM)》を装備させてターンを返すと、Fabianの唱えた呪文は《金屑化/Turn to Slag(SOM)》。

Fabian 1-0 Gaudenis


Game 2

 またも初手に恵まれないGaudenisは、7枚のカードを引いても早々にマリガンしてしまう。
 さらに序盤からの攻撃が肝のはずが《山/Mountain(M11)》《平地/Plains(M11)》で土地がストップ。

 その2マナで《焼身の魂喰い/Immolating Souleater(NPH)》や《きらめく鷹/Glint Hawk(SOM)》を唱えるも、手札が消化できずにディスカードする始末。
 そこからの後続も《危険なマイア/Perilous Myr(SOM)》と、全くダメージにはつながらず、Fabianの唱えるクリーチャーによって防戦一方になってしまう。

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 Fabianはその隙に《盲目の盲信者/Blind Zealot(NPH)》、《ヴァルショクの模造品/Vulshok Replica(SOM)》と唱えると、《転倒の磁石/Tumble Magnet(SOM)》を使ってクリーチャー同士の戦闘を起こさずにGaudenisのライフを刻む。

 Gaudenisは、《危険なマイア/Perilous Myr(SOM)》を使って《カルドーサの再誕/Kuldotha Rebirth(SOM)》でトークンを生み出し、マイアが墓地に落ちた誘発能力でクリーチャーの除去でクロックを下げようと試みるが、
 Fabianは《不気味な苦悩/Grim Affliction(NPH)》でクリーチャーを除去しつつ、《転倒の磁石/Tumble Magnet(SOM)》の増殖へと繋げ、攻撃の手を止めない。

 数さえ並べばなんとかなるGaudenisは、自分の残り少ないライフを気にしながらクリーチャーをできる限り展開しようと、《枝モズ/Tine Shrike(MBS)》を唱えてタップアウトした。

 その隙に、Fabianは《転倒の磁石/Tumble Magnet(SOM)》で飛行を寝かせ、初手の7枚の時から温存していた《飛行の呪文爆弾/Flight Spellbomb(SOM)》で、空からの一撃!
 《ヴァルショクの模造品/Vulshok Replica(SOM)》のダメージクロックが止まらずに、消耗しきったGaudenisの残りのライフは、3。

Fabian 2-0 Gaudenis


Game 3

 司法試験の直前のアメリカ選手権も、参考書片手に出場したほどのタフな精神の持ち主Gaudenisだが、またも白マナ源のない手札にマリガンに苦い顔。

 しかし、この新しい6枚で初めてクリーチャーと土地のバランスの良いハンドがキープできた。
 Gaudenisは《審問官の総督/Inquisitor Exarch(NPH)》でFabianのライフを奪いつつ、《まばゆい魂喰い/Blinding Souleater(NPH)》をキャストすると、後手のFabianは、《グレムリン地雷/Gremlin Mine(NPH)》を設置する。

 Fabianは手札に《クローンの殻/Clone Shell(SOM)》があるので、ライブラリーからの直接召喚を意識してか、この除去を温存し、Gaudenisの《まばゆい魂喰い/Blinding Souleater(NPH)》のアタックに、《グレムリン地雷/Gremlin Mine(NPH)》を使わず、ダメージを受け入れ、ライフの残りは13になった。

 さらにGaudenisが《焼身の魂喰い/Immolating Souleater(NPH)》を追加してターンを終えると、返すターン、Fabianが《入れ子のグール/Nested Ghoul(MBS)》をタップアウトで唱える。

 あれ?
 Gaudenisが驚いてFabianに聞く。詰んじゃったよ?

 1体しかいないブロッカーをタップし、総攻撃。そして《焼身の魂喰い/Immolating Souleater(NPH)》にライフの支払は16点。

Fabian 2-1 Gaudenis


Game 4

 勘違いで1ゲームを落としてしまったと焦るFabianと対照的に、表情に元気を取り戻したGaudenis。
 デッキも暖まってきたのか、初手の7枚も良好で、最序盤から最大ダメージを狙う。

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 《メムナイト/Memnite(SOM)》からの《カルドーサの再誕/Kuldotha Rebirth(SOM)》と、スタンダードのような動きをするGaudenisに、Fabianは《マイアの種父/Myr Sire(MBS)》で応える。
 せっかくカードを2枚使って攻撃の姿勢を取ったGaudenisは止まるわけにいかず、非常に損な戦闘になることを承知で1/1を攻撃に送り出した。
 もちろん、Fabianは《マイアの種父/Myr Sire(MBS)》でゴブリン・トークンをブロックし、横にいたジャッジがマイア・トークンを用意する。

 Gaudenisの後続は《焼身の魂喰い/Immolating Souleater(NPH)》と、マイア・トークンの存在が邪魔だが、意を決して《粉砕/Shatter(SOM)》を打ち込み全軍攻撃!

 ライフを綿密に計算したGaudenisは、14点のライフを支払って3ターン目にして10点のダメージを与え、残りライフも数の暴力で削りきった。

Fabian 2-2 Gaudenis


Game 5

 第5ゲームまで進み、準々決勝でも残す最後のテーブルになったGaudenis対Fabian。

 お互いに入念なシャッフルを行うのが、今日のGaudenisはツイてない。
 ノーランドの初手にうなだれながら、マリガンを宣言、首を横に振りながらカードをシャッフルし、Gaudenisは6枚のカードでゲームをはじめることにした。

 圧縮の為に入っている《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe(NPH)》、《胆液の水源/Ichor Wellspring(MBS)》とカードを引くGaudenisだが、クリーチャーは《マイアの種父/Myr Sire(MBS)》といまいち。
 《きらめく鷹/Glint Hawk(SOM)》で《胆液の水源/Ichor Wellspring(MBS)》を再利用するものの、ダメージクロックはFabianの《盲目の盲信者/Blind Zealot(NPH)》で相殺してしまい、ただ土地が並ぶのみ。

 後続も《メムナイト/Memnite(SOM)》、クロックがない状況で《攻撃的な行動/Act of Aggression(NPH)》《消失の命令/Banishment Decree(MBS)》と、中盤で6マナも出せる状況で引くカードとしては非常に残念としかいえない。
 その間Fabianは、《転倒の磁石/Tumble Magnet(SOM)》、《盲目の盲信者/Blind Zealot(NPH)》と並べ、少ないながらもダメージを刻み始める。
 擬似サイクリングとしてGaudenisは《消失の命令/Banishment Decree(MBS)》を唱えた。

 だが、Gaudenisの勝負の序盤はもう過ぎており、今更引いてきた《焼身の魂喰い/Immolating Souleater(NPH)》を、《盲目の盲信者/Blind Zealot(NPH)》のブロッカーとして唱えても、パンプアップに対応しての《不気味な苦悩/Grim Affliction(NPH)》で2/2との相打ちすら許されない。

 そして現れる《カルドーサの炎魔/Kuldotha Flamefiend(MBS)》に、小粒なクリーチャーたちは全滅させられ、Gaudenisの心が折れた。

Fabian 3-2 Gaudenis

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