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準決勝: 角岡 利幸(東京) vs. Elie Pichon(フランス)

準決勝: 角岡 利幸(東京) vs. Elie Pichon(フランス)

By 金民守


準々決勝

角岡 利幸(右)は堂々、プロツアー決勝への門に挑む

Game 1

 《ヴィリジアンの密使/Viridian Emissary(MBS)》と《ニューロックの模造品/Neurok Replica(SOM)》。
 角岡が手札に除去を余らせながらこの2体の控えめなクリーチャーでPichonのライフを削りきるまで、Pichonの場に《平地/Plains(M11)》以外のパーマネントが現れることはついになかった。

角岡 利幸 1-0 Elie Pichon


Game 2

 1ゲーム目の雪辱を果たすべくPichonが序盤から猛攻を繰り広げる。

 先のゲームでは不幸なマナトラブルから何もできずにディスカードを繰り返したPichonだが、本来のPichonのデッキは《燃えさし鍛冶/Embersmith(SOM)》と《磁器の軍団兵/Porcelain Legionnaire(NPH)》という圧倒的なクオリティーの2マナ生物をそれぞれ2枚ずつそろえる赤白デッキなのだ。

 デッキが本来の回りを見せ、2ターン目《燃えさし鍛冶/Embersmith(SOM)》3ターン目《磁器の軍団兵/Porcelain Legionnaire(NPH)》と展開するPichon。

 最終的に《飛行機械の組立工/Thopter Assembly(MBS)》につないで勝ちたい角岡は、序盤を《ヴィリジアンの密使/Viridian Emissary(MBS)》でしのぐのが基本プランなので、この相打ちを取れない《磁器の軍団兵/Porcelain Legionnaire(NPH)》と、そもそもブロックを許してくれない《燃えさし鍛冶/Embersmith(SOM)》を序盤に展開される展開は歓迎できない。

 しかしここで角岡は抜群の勝負強さを発揮する。
 3ターン目の《磁器の軍団兵/Porcelain Legionnaire(NPH)》を《闇の掌握/Grasp of Darkness(SOM)》で除去しつつ、1枚で圧倒的に場を支配できる《ヴィダルケンの解剖学者/Vedalken Anatomist(MBS)》を最速で場に出すことに成功したのだ。

 3色目のこのカードをこの序盤のターンに出せたのは角岡にとって大きな意味をもつ。
 すでに相手のデッキレシピは見ている。Pichonにはブロッカーを一時的に退かす手段こそあるものの、軽量の除去がないことが分かっているのだ。

 これを受けたPichonの選択は二つ。被害を最小限にするために除去を引くまで展開を控えるか、それとも肉を切らせて骨を断つか。

 もちろんPichonが選択したのは後者だった。角岡がPichonのデッキを知っているように、Pichonも角岡のデッキは把握している。待っていても勝機はない。手札を確認しながら今後のゲーム展開を計算するPichonの目が、鋭く光る。

 Pichonの捨て身のアタックが始まった。《燃えさし鍛冶/Embersmith(SOM)》で殴る。角岡のライフは16。2体目の《燃えさし鍛冶/Embersmith(SOM)》を出してエンド。
 角岡は《燃えさし鍛冶/Embersmith(SOM)》の能力がトリガーするのを抑えるためにメインで1体を除去してターンを返す。
 再度《燃えさし鍛冶/Embersmith(SOM)》がアタック。ライフは14に。《ヴァルショクの模造品/Vulshok Replica(SOM)》を出してターンを返す。土地が置けずに《燃えさし鍛冶/Embersmith(SOM)》の能力は起動できず。
 角岡が《ヴァルショクの模造品/Vulshok Replica(SOM)》の能力を起動させまいと再度メインで《ヴィダルケンの解剖学者/Vedalken Anatomist(MBS)》の能力を起動する。タップアウト。
 ターンが返りPichonは待望の4マナ目をセットランドし、ファイレクシア・マナをライフで支払いつつ《切りつける豹/Slash Panther(NPH)》をキャスト。角岡のライフが一気に8まで落ち込む。

 角岡は焦る。Pichonのデッキに入っている《石弾化/Artillerize(NPH)》を考えると、アドバンテージのために支払えるライフは残り2点のみ。これ以上のライフ損失を避けるには、《切りつける豹/Slash Panther(NPH)》を《ヴィダルケンの解剖学者/Vedalken Anatomist(MBS)》でブロックするという選択肢まで視野に入れねばならない。何しろこれまで角岡のドローはランドばかりなのだ。

 しかしここ一番で再度、角岡が勝負強さを発揮する。《ヴィダルケンの解剖学者/Vedalken Anatomist(MBS)》の能力起動にマナ残しつつ展開するには最適の《エズーリの射手/Ezuri's Archers(SOM)》を引いたのだ!
 ブロッカーとしてこれを展開してターンを返す角岡。これに対してPichonは少考の後アタックを宣言。《切りつける豹/Slash Panther(NPH)》が寝かされ《燃えさし鍛冶/Embersmith(SOM)》のみがアタックしてくる。
 もちろんこれは《エズーリの射手/Ezuri's Archers(SOM)》でブロック。するとファイレクシア・マナから飛んできたのは《変異原性の成長/Mutagenic Growth(NPH)》!

 角岡の背筋に冷たいものが走る。そう、Pichonが《ヴァルショクの模造品/Vulshok Replica(SOM)》を展開したターン、あのターンのランドストップがなく、もしこの《切りつける豹/Slash Panther(NPH)》が走っていたら・・・
 16→14→8 というライフの推移が、このセットランド1回によって、
 16→8→6→5→3 という形に変化し、
 その上で盤上に《燃えさし鍛冶/Embersmith(SOM)》を残さざるを得ないという展開になっていたのだ・・・

 いや、仮定の話はやめよう。
 Pichonはランドを引かず、角岡はライフを8残した。それがすべてだ。

 そして紙一重の勝負を制したものには、不思議なことにえてして幸運が舞い込むもの。

角岡

 Pichonの攻めを受けきった角岡のドローは《宝物の魔道士/Treasure Mage(MBS)》だった。

 Pichonがうなだれる。そして《宝物の魔道士/Treasure Mage(MBS)》が角岡に《飛行機械の組立工/Thopter Assembly(MBS)》をもたらし、Pichonは力なく飛行機械トークンが量産されるのを眺めるのだった。

角岡 利幸 2-0 Elie Pichon


Game 3

 新鋭・角岡がプロツアー決勝進出に王手をかける!

 Pichonは苦しい。除去するのではだめだ。何しろ角岡のデッキには《納墓の総督/Entomber Exarch(NPH)》《病的な略取/Morbid Plunder(MBS)》と2段、3段がまえで《飛行機械の組立工/Thopter Assembly(MBS)》をバックアップしてくる。
 なんとか《飛行機械の組立工/Thopter Assembly(MBS)》が登場するまでにゲームを終わらせなければいけない。プレッシャーの中、Pichonが角岡を攻める。

 しかし《ヴィリジアンの密使/Viridian Emissary(MBS)》《宝物の魔道士/Treasure Mage(MBS)》と必殺の2~3ターン目で微塵の危なげもなくライフ20で5ターン目に《飛行機械の組立工/Thopter Assembly(MBS)》をキャストしてみせる角岡。必死なPichonは《金属の熟達/Metallic Mastery(MBS)》で《飛行機械の組立工/Thopter Assembly(MBS)》を一時的に奪ってライフを15にはするも、角岡はそれがどうしたとでも言わんばかりの涼しい顔で場を詰める。

 巻き散らかされる飛行機械トークン。磐石の場を形成した上で《納墓の総督/Entomber Exarch(NPH)》で前方確認までする角岡の前には、もはや決勝進出への道を阻むものは何もなかった!!

Shake Hands

角岡 利幸 3-0 Elie Pichon

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