マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

イベントカバレージ

準々決勝: 中村 裕輔(静岡) vs. 阿部 裕司(東京)

準々決勝: 中村 裕輔(静岡) vs. 阿部 裕司(東京)

By Tomohiro Kaji


 予選最終ラウンドの第7回戦終了時、1敗以上のプレイヤーが奇数だったために起こった唯一の「下当たり」。
 そんなJokerを引かされた中村は、勝 正博(高知)との厳しいフィーチャーマッチを乗り越えて、堂々の1位抜けでここへやってきた。

 対して阿部は、その試合の結果で勝が敗れたことによってTop8に滑り込んだ唯一の2敗。

 過程は対照的な二人だが、マッチアップは白青人間のミラーマッチだ。


Game 1

 《マナ漏出/Mana Leak(M12)》の有無を含め、序盤に有利なのは中村の白青。
 《教区の勇者/Champion of the Parish(ISD)》《堂々たる撤廃者/Grand Abolisher(M12)》と続け、さらに《宿命の旅人/Doomed Traveler(ISD)》を追加しながら阿部のライフを18、13と減らしていく。

 その《堂々たる撤廃者/Grand Abolisher(M12)》の能力ゆえに死に札となった《マナ漏出/Mana Leak(M12)》を手札に抱えながら、《悪鬼の狩人/Fiend Hunter(ISD)》で盤面を膠着させようと試みる阿部だが、《教区の勇者/Champion of the Parish(ISD)》を取り除くのが精一杯。

 しかし、ここまで調子が良さそうに見えた中村だが、《平地/Plains(SOM)》2枚で土地がストップ。せっかくタッチした《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft(ISD)》も出せずに手札にくすぶっている。
 《清浄の名誉/Honor of the Pure(M12)》を加えて道をこじ開けようとするが、雲行きが怪しくなってきた。

 落ち着いてきた戦場へ、今度は阿部がカードを並べ始める。

 《レオニンの遺物囲い/Leonin Relic-Warder(MBS)》で中村の《清浄の名誉/Honor of the Pure(M11)》を追放し、さらに自分でも《清浄の名誉/Honor of the Pure(M11)》をキャストする。除去を持たない白青同士の対戦では、これらの"ナイトメア"システムのデメリットが非常に薄いことは明らかだ。
 クリーチャーのサイズを逆転させたら、今度はライフを攻めるタイミング?

 ここでやっと3枚目の土地を引けた中村。それはあいにく《平地/Plains(SOM)》だったが、《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader(MBS)》に繋げ、《清浄の名誉/Honor of the Pure(M11)》で再度戦線を構築し直す。
 ライフのない阿部は《刃砦の英雄/Hero of Bladehold(MBS)》でこれを相打ちに取り、伸びたマナから自分の《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader(MBS)》2枚展開する。

 ここから逆転を目指す阿部は、3/3二段攻撃クリーチャーでプレッシャーをかけに行くか考えるが、そこに立ちはだかる《宿命の旅人/Doomed Traveler(ISD)》。

 《ムーアランドの憑依地/Moorland Haunt(ISD)》《氷河の城砦/Glacial Fortress(M12)》《平地/Plains(SOM)》を2セット持ってはいるものの、墓地にクリーチャーが1枚しかないことで、中村サイドに飛行のスピリット・トークンを2体発生させてしまえば1体残ってしまう計算だ。つまり、+1/+1効果で1枚あたり2点のクロックが残ってしまう。

阿部 裕司

阿部 裕司

 それでも、転機はここしか無い。

 そう決心したのか、阿部は地上での攻撃を開始し、それに中村は《宿命の旅人/Doomed Traveler(ISD)》をチャンプに使うことで飛行へ戦線をずらす選択を行った。ここまでは盤面通り。
 だが、さらに中村の引いた3枚目の《宿命の旅人/Doomed Traveler(ISD)》と、《迫撃鞘/Mortarpod(MBS)》が残り少ない阿部のライフへのプレッシャーをかける。

 急ぐ阿部、《刃砦の英雄/Hero of Bladehold(MBS)》を追加しつつ総攻撃、中村の残りライフは14。

 焦る中村、スピリット・トークンの攻撃で阿部の残りライフは4。

 ライフだけで判断すれば中村が押しているようにも聞こえるが、実際の戦場はそうでもなく、

 中村:1/1スピリット・トークン 2体に、《迫撃鞘/Mortarpod(MBS)》と細菌・トークン、《堂々たる撤廃者/Grand Abolisher(M12)》

 阿部:《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader(MBS)》2体に、《刃砦の英雄/Hero of Bladehold(MBS)》、《悪鬼の狩人/Fiend Hunter(ISD)》(効果で追放しているのは《教区の勇者/Champion of the Parish(ISD)》)、《レオニンの遺物囲い/Leonin Relic-Warder(MBS)》(同じく《清浄の名誉/Honor of the Pure(M11)》)

 これにお互いが《清浄の名誉/Honor of the Pure(M11)》をコントロールしている。

 攻めなければ負ける中村、ブロッカーは最低限の地上2体。

中村 「なんかあったら、負け!」

阿部 「どう計算してもこのターンは1点足りない・・・」

 意を決し、阿部は喊声で攻撃力を増した7体のクリーチャーを中村へ向け、強制チャンプブロックをさせた上で、ライフを1に追い詰めた。細菌・トークンを投げつけられて、阿部のライフも残り3。

 ここで阿部は、自分でキャストした《堂々たる撤廃者/Grand Abolisher(M12)》へ向けての《マナ漏出/Mana Leak(M12)》で墓地を肥やし、《ムーアランドの憑依地/Moorland Haunt(ISD)》を構える。

 ターンが帰ってくれば、もう心配することは何も無い。

 中村は最後の確認をして2体のスピリットを攻撃へ送る。

 1体は《ムーアランドの憑依地/Moorland Haunt(ISD)》からのトークンと相打ちで墓地へ、もう1体は阿部のライフを1へ。
 激戦の末、たった1体残ったクリーチャー。《迫撃鞘/Mortarpod(MBS)》に手をかける中村。

中村 「トークンへ装備、プレイヤーへ1点です。」

 阿部にはたった1点足りなかった。それは自分のライフか、相手へのダメージでもよかったのだが。

中村 1-0 阿部


Game 2

中村 裕輔

中村 裕輔

 色事故気味だったGame 1をぎりぎり制した中村、今度の初手は色マナはあるが、重めで土地が少ない構成で、不安が残るもそれをキープ。
 対する阿部は、《宿命の旅人/Doomed Traveler(ISD)》でゲームをスタートさせた。

 中村が《堂々たる撤廃者/Grand Abolisher(M12)》を出せば、《悪鬼の狩人/Fiend Hunter(ISD)》。阿部の唱えるクリーチャーは相変わらず優秀で、サイズこそ物足りないものパーマネントは並ぶ。
 1点、2点と小さくダメージを刻むが、《清浄の名誉/Honor of the Pure(M11)》を引ければ話が違う。

 だが、パーマネント数を争う鍔迫り合いでこそ阿部が優位を築いていったが、先に大きく動いたのは中村。
 《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft(ISD)》へ《天使の運命/Angelic Destiny(M12)》を纏わせ、10点のダメージ!

 だが、阿部も2ターンでゲームを終わらせる10点ダメージ・クロックを冷静に《レオニンの遺物囲い/Leonin Relic-Warder(MBS)》で解除し、続く中村のキャストした《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader(MBS)》も《悪鬼の狩人/Fiend Hunter(ISD)》を合わせ、あわせて3枚ものカードを追放領域へ追いやった。

 しかし、このタイミングで中村がトップデックしたのは白でも青でもない特別なカード。

 《四肢切断/Dismember(NPH)》を《レオニンの遺物囲い/Leonin Relic-Warder(MBS)》へ撃ちこみ、帰ってきた《天使の運命/Angelic Destiny(M12)》をまとった《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft(ISD)》は、阿部から残りの10点のライフを奪い取った!

中村 2-0 阿部

前の記事: 準々決勝: 岡田 尚也(東京) vs. 植田 勝也(愛知) | 次の記事: 準決勝: 大段 豪史(愛知) vs. 中村 裕輔(静岡)
The Finals11 一覧に戻る