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【戦略記事】 初日 チーム石村/井川/瀧村のデッキ構築

【戦略記事】 初日 チーム石村/井川/瀧村のデッキ構築

By Atsushi Ito

 今最もホットな日本人プレイヤーといえばもちろん、先週末にプロツアー『戦乱のゼンディカー』で見事優勝を成し遂げた、瀧村 和幸をおいて他にいないだろう。

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 この優勝で一気にプロポイント30点を獲得した瀧村は、2015-2016シーズンのプレイヤー・オブ・ザ・イヤー (PoY) レースでも3位につけている。まだシーズンが始まったばかりとはいえ、プロプレイヤーとしての最高の称号のひとつであるPoYを十分狙える位置である。

 そんな瀧村が今回、チームリミテッドで行われるグランプリ・北京2015のチームメイトに選んだのが、この2人。

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 石村 信太朗(左)。リミテッド、特にシールドを最も得意とするという珍しいプレイヤーであり、彼のマジック・オンラインのアカウント名"rizer"は、2度のMagic Online Championship (MOCS) 出場と合わせて広く知られている。プロツアー・パリ2011トップ8の経験もある。

 井川 良彦(右)。このチームのリーダーであり、シルバーレベル・プロ。代表作はプロツアー『タルキール覇王譚』の「白赤兵士」やプロツアー『戦乱のゼンディカー』での「ティムール・ドラゴン」など。プロツアー・サンディエゴ2010でトップ8経験もある。、

 つまりは名の知れた強豪同士が組んだ豪華なチームなのだ。

 だが、『戦乱のゼンディカー』のチームシールドといえば誰に聞いても「難しい」と答えるほどに難解な環境だ。そんな環境に彼ら3人は一体どのように立ち向かうのか。

 今誰よりも勢いがあるであろう瀧村を擁し、優勝候補筆頭と目されているこのチームのシールド構築を追ってみた。

構築の様子

「強い神話レア引け~」と念じながらのパック開封が終わり、一通りカードをチェックし終えた段階で、3人の顔に苦しげな色が浮かぶ。

石村「神話レア......」

井川「弱いレア固めて引いちゃったな~」

 彼らが引いた唯一の神話レアは多色で使いづらい《深海の主、キオーラ/Kiora, Master of the Depths》。だがこれが《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》や《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis Reignited》だったなら、などと嘆いている暇はない。まずは3つのデッキをそれぞれどのような色の組み合わせで作り上げるのか、「色の分配」を行う必要がある。

 最初に彼らが着目したのは、《地下墓地の選別者/Catacomb Sifter》だった。

瀧村「これと《彼方より/From Beyond》、それと《骨の粉砕/Bone Splinters》2枚で緑黒エルドラージは強いデッキが組めそうだね」

井川「残りは赤と青で1個ずつかな。赤青はなさそうだし」

 そこからが早かった。基点となる緑黒を瀧村が組んでいる間、石村が赤を、井川が青のプレイアブルパーツをマナ・カーブ順に並べ、それぞれデッキの原型を組み上げる。石村が《塵の中を忍び寄るもの/Dust Stalker》に沿って赤黒アグロ、井川が《深海の主、キオーラ/Kiora, Master of the Depths》に沿って青緑を構築。

井川「悪くないね」

石村「いえ、でも一応赤白も組んでおきましょう。どうせ崩すかもですけど、組むだけ組んでおいた方がいい」

 今度は赤白に並べ直す石村。

瀧村「こっちの方が良さそうじゃない?」

井川「確かに、赤黒より赤白か」

石村「これなら黒のアグロな『欠色』パーツも緑黒に渡せますしね」

 他の2つのデッキのことも考え、デッキの色をスイッチする。赤アグロのデッキパワーを落とさず、緑黒をより強力なデッキに仕上げることに成功した。

 どうやら本線は赤白/緑黒/青緑ということになりそうだ。


シールドの達人・石村が的確な指示を飛ばす。

 3つのデッキの大雑把な輪郭が見えてきたところで、残り時間はまだ40分もある。ここからはそれぞれのデッキの完成度を上げつつ、デッキの使用者を決める作業に入る。

瀧村「緑黒はサイド後に青黒に切り替えるプランがありそうだね」

井川「で、誰がどれを使う?」

石村「緑黒がエースデッキなので、それを瀧村さんに渡しましょう」

井川「じゃあ一番サイドインアウトしそうな赤白はライザ(石村)に任せるわ。俺は青緑で」

 デッキの担当が決まり、3人それぞれ22~23枚の呪文枠を大体吟味し終えたところで、残り時間は20分。

 あとはサイドボードの分配だ。

石村「《垂直落下/Plummet》は3枚あるので 2:1 で振り分けておけばいいでしょう」

瀧村「黒いカードは全部もらっちゃうね。あ、けどこの《苦い真理/Painful Truths》は井川君じゃない?」

井川「確かに、4色目でサイドインしそう」

石村「ですね。あ、《面晶体の刃/Hedron Blade》が3枚ある......3人で1本ずつ持っておきますか。『三本の矢』ならぬ『三本の刃』ってことで」


各デッキの戦略や得手/不得手に合わせたサイドカードの振り分けが必要となる

 サイドの振り分けが終わると残り時間は10分弱。やや駆け足気味にリストの記入を済ませ、時間内に全作業を終えることができたようだ。


 さて、自信のほどはいかがなのだろうか?

瀧村「もらったプールのポテンシャルは何とか最大限出せたのではないかと思います」

井川「あまり強くないプールだったのが残念でしたが、練習した中ではまだマシな部類のパックで、戦えるレベルで安心しました」

石村チームの狂犬として頑張ります

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 最新のプロツアーチャンピオン・瀧村、シールドの達人・石村、そしてチームのリーダー・井川。彼らの快進撃に期待したい。

石村 信太朗
グランプリ・北京2015 / 『戦乱のゼンディカー』チームシールド
7 《山》
7 《平地》
2 《そびえる尖頂》
1 《進化する未開地》

-土地(17)-

1 《探検隊の特使》
3 《コーの懲罰者》
1 《アクームの石覚まし》
1 《コーの刃振り》
2 《影の滑空者》
1 《ヴァラクートの捕食者》
2 《オンドゥの勇者》
1 《待ち伏せ隊長、ムンダ》
2 《髑髏砕きの補充兵》
1 《コーの絡め捕り》
1 《アクームのヘルカイト》

-クリーチャー(16)-
1 《石術師の焦点》
1 《多勢》
2 《天使の贈り物》
1 《ギデオンの叱責》
1 《確実な一撃》
1 《大物潰し》

-呪文(7)-
井川 良彦
グランプリ・北京2015 / 『戦乱のゼンディカー』チームシールド
6 《森》
5 《島》
2 《肥沃な茂み》
2 《山》
1 《荒廃した森林》
1 《進化する未開地》

-土地(17)-

3 《噛み付きナーリッド》
1 《珊瑚兜の案内人》
1 《空中生成エルドラージ》
1 《生命湧きのドルイド》
1 《巡礼者の目》
1 《空乗りのエルフ》
1 《タジュールの重鎮》
1 《ヴァラクートの発動者》
1 《雲マンタ》
1 《林の喧騒者》
2 《領地のベイロス》
1 《オラン=リーフのハイドラ》
1 《波翼の精霊》

-クリーチャー(16)-
1 《掴み掛かる水流》
1 《巻き締め付け》
1 《逆境》
1 《沿岸の発見》
1 《鈍化する脈動》
1 《深海の主、キオーラ》
1 《影響力の行使》

-呪文(7)-
瀧村 和幸
グランプリ・北京2015 / 『戦乱のゼンディカー』チームシールド
9 《沼》
8 《森》

-土地(17)-

2 《泥這い》
1 《捕らわれの宿主》
1 《ズーラポートの殺し屋》
3 《威圧ドローン》
1 《地下墓地の選別者》
2 《精神を掻き寄せるもの》
1 《目なしの見張り》
1 《血統の観察者》
1 《不死のビヒモス》
1 《エルドラージの壊滅させるもの》

-クリーチャー(14)-
2 《骨の粉砕》
1 《未開地の捜索》
1 《墓の出産》
1 《タイタンの存在》
1 《彼方より》
1 《悪魔の掌握》
1 《荒廃の一掴み》
1 《陰惨な殺戮》

-呪文(9)-

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