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【観戦記事】 第9回戦:Huang Hao-shan(台湾) vs. 渡辺 雄也(神奈川)

【観戦記事】 第9回戦:Huang Hao-shan(台湾) vs. 渡辺 雄也(神奈川)

By 平林 和哉

 初日最終戦。

 既に2敗したプレイヤーは初日抜けを賭けて戦い、それ以上の成績を収めているならベスト8への可能性を高めるため、少しでも上位の成績を目指す。
 長いスイスラウンドの果てにたどり着くのがこの9回戦、シールドデッキ・ラウンドの最終戦である。

 普段のグランプリに比べ圧倒的に参加人数の多いこのグランプリ・千葉2015。
 全勝を賭けたマッチですら数多く発生している状況で、このフィーチャーマッチに呼ばれたのは渡辺 雄也とファン・ハオシャン/Huang Hao-shanだ。

 互いに国を代表するヒーロー二人、9−0のパーフェクトレコードで明日を迎えるのはどちらになるのか。

r9_huang_watanabe.jpg

ゲーム1

 渡辺が苦渋のダブルマリガン。

 ドローに力が入りつつ、《突風掬い/Gust-Skimmer》から《鎌切り/Sickleslicer》。展開は決して悪くはない。
 だがファンも《突風掬い/Gust-Skimmer》で鏡打ち、続くのが《雲の精霊/Cloud Elemental》。
 テンポ的に渡辺がリードする展開とはならなかった。

 そして渡辺の展開が止まってしまう。やはりダブルマリガンの傷は深い。
 《拘引/Arrest》を引いてはいるものの、今欲しいカードはこれではないのだ。
 さりとて雑にプレイするわけにもいかず、以降のドローに期待して待つよりない。

 対してファンは《フェアリーの機械論者/Faerie Mechanist》からの《フェアリーの機械論者/Faerie Mechanist》。
 ダブルマリガンした渡辺と違い、手札十分、アドバンテージ十分の手格好だ。

 だがファンは空中戦で勝つ意志が強いのか、渡辺の攻撃には《フェアリーの機械論者/Faerie Mechanist》を差し出さず、渡辺が続けた《血のオーガ/Blood Ogre》には《睡眠発作/Narcolepsy》。
 さらに《突風掬い/Gust-Skimmer》同士がぶつかれば渡辺にとって最悪となる《苦悶のねじれ/Agony Warp》。
 《突風掬い/Gust-Skimmer》のパワーが下がって一方的に殺され、《鎌切り/Sickleslicer》の細菌トークンが除去されてしまう。

 渡辺のプレイした《マイアの処罰者/Myr Enforcer》も《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》、続くのは予定通りの《フェアリーの機械論者/Faerie Mechanist》2枚目。
 渡辺に逆転の術はなかった。

ファン 1-0 渡辺

ゲーム2

 渡辺はカラーリングを大きく変更しての2本目。
 その初動は3ターン目の《希望の盗人/Thief of Hope》から。この『モダンマスターズ 2015年版』リミテッド的には若干悠長なスタートとなった。

 対してのファンは《旅人のガラクタ/Wayfarer's Bauble》《突風掬い/Gust-Skimmer》と続けると、その後は動きがなく、渡辺が《コジレックの捕食者/Kozilek's Predator》を出すのも見届けて《旅人のガラクタ/Wayfarer's Bauble》起動に留まり、そのまま《薄暮狩りのコウモリ/Duskhunter Bat》《カヴーの上等王/Kavu Primarch》とプレイするのにも対応がない。

 ようやくセカンドアクションとしてファンが《霊気撃ち/AEthersnipe》を呼び《薄暮狩りのコウモリ/Duskhunter Bat》をバウンスしてきたところで、4/4の《霊気撃ち/AEthersnipe》《突風掬い/Gust-Skimmer》の並びに対して渡辺は《コジレックの捕食者/Kozilek's Predator》《カヴーの上等王/Kavu Primarch》《希望の盗人/Thief of Hope》というラインナップをオールインさせる!

 《突風掬い/Gust-Skimmer》で《希望の盗人/Thief of Hope》、《霊気撃ち/AEthersnipe》には《コジレックの捕食者/Kozilek's Predator》と順当にブロックされると、渡辺の手から《名も無き転置/Nameless Inversion》がポロリ。

r9_watanabe.jpg

 この攻防により渡辺は《希望の盗人/Thief of Hope》と《コジレックの捕食者/Kozilek's Predator》を失う。
 だが使った《名も無き転置/Nameless Inversion》は《希望の盗人/Thief of Hope》の転生により回収されているし(1点ドレインのおまけ付き)、ファンの《霊気撃ち/AEthersnipe》《突風掬い/Gust-Skimmer》もまた盤面から処理することに成功しているのだ。
 そして再び《薄暮狩りのコウモリ/Duskhunter Bat》を戦場に。盤面の有利は維持されている。

 この後《永遠溢れの杯/Everflowing Chalice》《影魔道士の浸透者/Shadowmage Infiltrator》とプレイしたファンに《屍からの発生/Necrogenesis》を突きつけると、押され気味のファンは《ウラモグの破壊者/Ulamog's Crusher》をプレイ。
 悪くはない。悪くはないのだが、トークン生成器の《屍からの発生/Necrogenesis》が出てしまっては手遅れの感が否めない。

 そして渡辺は《名も無き転置/Nameless Inversion》で《影魔道士の浸透者/Shadowmage Infiltrator》を処理。《ウラモグの破壊者/Ulamog's Crusher》の突撃も滅殺→落とし子・トークン×2を生け贄に、攻撃自体も胞子・トークンによるチャンプブロック、さらに召集で《種のばら撒き/Scatter the Seeds》プレイで《ウラモグの破壊者/Ulamog's Crusher》を機能させない。

 マナ過多気味のファンを渡辺の物量が押し切った。

ファン 1-1 渡辺

ゲーム3

 この環境にしては珍しくファンが後手を選択。そして思惑通りになりたくはないが、渡辺は初手7枚で始めることができない。
 だがこのゲームについてはファンもマリガン。手札量は痛み分けになる。

 渡辺のハードラックが止まらない。土地が1枚で止まり、《根の血族の同盟者/Root-Kin Ally》をディスカード。
 ところがファンもまた《旅人のガラクタ/Wayfarer's Bauble》起動から全く動かず、6マナに到達してもなお《太陽の宝球/Sphere of the Suns》プレイのみ。
 渡辺の展開復旧さえ間に合えば、といった展開にも見えるのだが。

 《ウラモグの破壊者/Ulamog's Crusher》。マナしか無い、だからこそファンにもキープする理由はあった。

 《合金のマイア/Alloy Myr》には《名も無き転置/Nameless Inversion》。
 《水辺の蜘蛛/Aquastrand Spider》には《苦悶のねじれ/Agony Warp》。
 《鎌切り/Sickleslicer》の細菌・トークンには《天界の粛清/Celestial Purge》。

 絶望的な滅殺が渡辺を襲う。

 もはやゲームを続けているだけとなった渡辺の《ナーリッドの群れ/Gnarlid Pack》にすら《瞬間凍結/Flashfreeze》が。


ファン・ハオシャン/Huang Hao-shan

ファン 2-1 渡辺

「3本目は初手をキープすべきだったのかな」と渡辺は述懐する。
 聞けば緑マナだけが出ない手札で、緑のカード3枚と《骨の粉砕/Bone Splinters》だったという。

「それでも相手が遅いと分かりきっていたので、キープしても良かったかもしれませんね」
 そもそもファンが後手をとってきたことも想定外のことであり、それなら白赤金属術アグロのままでも良かったのかも、と漏らした。

 白赤金属術アグロ、黒緑タッチ赤トークンの二面戦略を敷いた渡辺だが、惜しくも全勝とはならず。
 渡辺は8-1で2日目進出となり、ファン・ハオシャンが9-0の全勝者としてドラフトラウンドに進出することとなった。

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