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【観戦記事】 第13回戦:山口 聡史(愛知) vs. 梅原 啓(大阪)

【観戦記事】 第13回戦:山口 聡史(愛知) vs. 梅原 啓(大阪)

By 平林 和哉

 2番ポッド。1敗プレイヤーが並ぶこの卓において、ベスト8に入るために予想される必要な成績は2-0-1。
 すなわちあと2戦は負けられないのだ。

 ここで激突するのは、互いにグランプリトップ8を2回経験している梅原と山口。

 グランプリ・横浜2012準決勝では梅原が勝利したマッチだが、今回の軍配はどちらに上がるだろうか。


山口 聡史 vs. 梅原 啓。リベンジ成るか、再び退けるか

ゲーム1

 梅原に渡された初手は《山/Mountain》1枚のものだった。さすがに始められず、梅原のテイクマリガンでゲームが開始する。

 山口が《銅の甲殻/Copper Carapace》を出せば梅原は《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator》。
 続けて山口《ヴィーアシーノの殺戮士/Viashino Slaughtermaster》、梅原《嵐血の狂戦士/Stormblood Berserker》と互いにマナを使い続け、激しいダメージレースが起こりそうな立ち上がりとなった。

 ここで山口が盤面通りに《銅の甲殻/Copper Carapace》を《ヴィーアシーノの殺戮士/Viashino Slaughtermaster》に装備するかで長考。
 《名も無き転置/Nameless Inversion》や《稲妻/Lightning Bolt》等の除去でテンポを取られる展開を嫌ったか、ここでは手拍子に装備することを選ばなかった。

 慎重に《拘引/Arrest》で《嵐血の狂戦士/Stormblood Berserker》の処理に向かうのだが、梅原は対照的に《アッシェンムーアの抉り出し/Ashenmoor Gouger》を。
 後手だからと受けに回るのではなく、積極策で打開を図ろうとする。

 慎重な山口はここでも《恨み唸り/Spitebellows》で《アッシェンムーアの抉り出し/Ashenmoor Gouger》を処理するのだが、裏目に出たか梅原の続くアクションは《血まみれ角のミノタウルス/Gorehorn Minotaurs》狂喜!
 手札には無いものの《力強い跳躍/Mighty Leap》による勝ち筋が無くなることを嫌ったか、山口は《銅の甲殻/Copper Carapace》を装備するのみに留め、《ヴィーアシーノの殺戮士/Viashino Slaughtermaster》を戦闘には参加させない。


山口 聡史

 5/5《血まみれ角のミノタウルス/Gorehorn Minotaurs》の存在で大幅有利となった梅原、《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator》《血まみれ角のミノタウルス/Gorehorn Minotaurs》を攻撃に回すと《血のオーガ/Blood Ogre》までもが狂喜。

 《血のオーガ/Blood Ogre》こそ《銅の甲殻/Copper Carapace》をまとった《ヴィーアシーノの殺戮士/Viashino Slaughtermaster》と相打つものの、山口が再展開した《ヴィーアシーノの殺戮士/Viashino Slaughtermaster》《血のオーガ/Blood Ogre》(狂喜なし)にも構わずの突撃。
 一気呵成の構えだ。


梅原 啓

 山口は《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator》を《血のオーガ/Blood Ogre》で受け止め、《血まみれ角のミノタウルス/Gorehorn Minotaurs》は通し、ぎりぎりまで盤面を維持しようとするのだが、この攻防で山口のライフは2。
 ここで梅原が《ゴブリンの投火師/Goblin Fireslinger》を追加したことにより、山口に残されたのは2ターンとなってしまう。

 あと2ターン。この局面で山口が《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader》を展開。
 最後のドロー次第でもしや、といった状況に。

 だが山口にターンは返ってこなかった。
 梅原の続くドローは《帆凧/Kitesail》。《血まみれ角のミノタウルス/Gorehorn Minotaurs》が空を飛び、山口の希望を奪い去った。

山口 0-1 梅原

ゲーム2

 先手の山口がテイクマリガンしたのを受け、梅原は初動3ターン目かつ《山/Mountain》しか無い手札をキープ。

 そして山口はワンマリガン後にも逡巡していた。
 理由は第2ターンに明かされる。2枚目の土地が無かったのだ。

 これにより山口の展開は大幅に遅れてしまう。
 以降2枚目、3枚目の土地こそ引けたものの、この間梅原は《鎌切り/Sickleslicer》《血まみれ角のミノタウルス/Gorehorn Minotaurs》狂喜と走り始め、山口も《太陽打ちの槌/Sunforger》、《拘引/Arrest》を《血まみれ角のミノタウルス/Gorehorn Minotaurs》と耐えようとするのだが。

 急戦こそが赤黒狂喜の信条。事故気味の相手を叩き潰すことは最も得意なフィールドだ。
 《血まみれ角のミノタウルス/Gorehorn Minotaurs》こそ《拘引/Arrest》されたものの、狂喜された《血のオーガ/Blood Ogre》《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator》と並べ立て、《平地/Plains》3枚で動きのない山口に《ゴミあさりのドレイク/Scavenger Drake》。
 事故から復旧する時間を与えない。

 4枚目の土地として《山/Mountain》を引いたものの、完全に手遅れだった。

山口 0-2 梅原

 2ゲーム目の事故は仕方ない。では分水嶺はどこにあったのだろうか。

 それは1ゲーム目、山口が《銅の甲殻/Copper Carapace》を《ヴィーアシーノの殺戮士/Viashino Slaughtermaster》に装備せず、《拘引/Arrest》を《嵐血の狂戦士/Stormblood Berserker》につけたことだろう。

 この時点で山口には後続がおらず、除去でテンポをとられる可能性、そして除去の的になりたくなかったのがその選択理由だった。

 しかし現実には誤算の連続だった。
 《嵐血の狂戦士/Stormblood Berserker》に続いたのが《アッシェンムーアの抉り出し/Ashenmoor Gouger》で、立て続けに強カードが現れたため看過できず、《恨み唸り/Spitebellows》を使った末の《血まみれ角のミノタウルス/Gorehorn Minotaurs》。

 もちろんこれは結果論だ。
 結果的に梅原が除去を持っていなかったとはいえ、仮に3ターン目《銅の甲殻/Copper Carapace》装備で勝っていたとしても、その選択肢が裏目に出る未来もあったのだから。

 だが。それでも。
 勝てる可能性があったなら、何故選択できなかったかを考えてしまう。
 それがマジックプレイヤーというものだろう。

 結果として梅原がグランプリ・横浜2012準決勝同様に山口を下す結果となった。
 梅原は3度目のグランプリ・トップ8まであと1勝。

 山口もわずかながらにベスト8の可能性は残し、いずれにせよ2勝でプロツアーの参加権がもらえる位置で14回戦を迎えることとなる。

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