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【観戦記事】 第15回戦:岩澤 文也(岩手) vs. 三島 航(埼玉)

【観戦記事】 第15回戦:岩澤 文也(岩手) vs. 三島 航(埼玉)

By 矢吹 哲也

 初めは3つ。白トーナメント、青トーナメント、緑トーナメントの3つに分割されて初日の戦いが繰り広げられた今大会は、それぞれに初日通過者を輩出し、彼らは2日目に合流した。

 それから2つ。合流した379名は2日目、ドラフト・ラウンド3回戦を2度行う。

 そして1つ。第15回戦、トップ8を決める最後の試合。


岩澤 文也 vs. 三島 航(写真左から)

 両者とも、グランプリをはじめとした最高レベルでの競技マジックで実績を残したプレイヤーではない。そんな彼らが今、歴史にその名を残そうとしている。彼らの勇姿を見届けようと、それぞれの仲間たちがフィーチャー・マッチ・エリアを囲んだ。だが多くの人の視線を受け緊張した面持ちを見せながらも、両者から気負いは感じられない。ギャラリーの声援を受け、試合中も気さくに話しかけ合う両プレイヤーの姿を見ると、彼らがここまで来たのも頷けるというものだ。

 三島 航は青緑の「移植」・「増殖」戦略をドラフトした。一方の岩澤 文也が組み上げたのは、白赤。果たして強固なクリーチャーを多く擁する三島が勝利を掴むか、岩澤がそれをクリーチャーと装備品で打ち破るのか。

ゲーム展開

 初手を確認するなり、先手の岩澤がマリガンを宣言。6枚の手札にもやや厳しい表情を向け、少考ののちにキープ。両者とも2ターン目にクリーチャーを戦場へ送り出すと、クリーチャーの展開合戦に入っていった。

 三島は《かき鳴らし鳥/Thrummingbird(SOM)》から《ヴィグの移植術師/Vigean Graftmage(DIS)》と、「移植」・「増殖」を早速揃えるが、岩澤の《空狩人の散兵/Skyhunter Skirmisher(5DN)》が《かき鳴らし鳥/Thrummingbird(SOM)》に攻撃を許さない。

 《知識鱗のコアトル/Lorescale Coatl(ARB)》を盤面に加えた三島は、岩澤の《空狩人の散兵/Skyhunter Skirmisher(5DN)》が攻撃した隙に《かき鳴らし鳥/Thrummingbird(SOM)》で攻撃し「増殖」するが、岩澤の《忘却の輪/Oblivion Ring(LRW)》が《知識鱗のコアトル/Lorescale Coatl(ARB)》を取り去っていった。三島は《巣の侵略者/Nest Invader(ROE)》で地上を固め、《かき鳴らし鳥/Thrummingbird(SOM)》で攻撃。ダメージ・レースを挑む。

 その矢先のことだった――岩澤の手札から繰り出される《太陽打ちの槌/Sunforger(RAV)》。二段攻撃を持つ《空狩人の散兵/Skyhunter Skirmisher(5DN)》が突如として10点もの打点を叩き出し、このレースを一気に駆け抜けていったのだった。

三島「先手欲しかった......! 思うように『かき鳴らせ』ませんでしたね」


第1ゲームを取ったのは岩澤。優れたクリーチャーに装備品を持たせた「鬼に金棒」戦略で勝利を奪う。

 2ゲーム目は両者初手に頷きキープ。またも2ターン目に《かき鳴らし鳥/Thrummingbird(SOM)》を唱えた三島だが、岩澤はこれを《稲妻/Lightning Bolt(M10)》で落とす。《巣の侵略者/Nest Invader(ROE)》を展開した三島に対し、岩澤は再びの《空狩人の散兵/Skyhunter Skirmisher(5DN)》。

 《水の召使い/Water Servant(M14)》と《コジレックの捕食者/Kozilek's Predator(ROE)》も戦場に追加し、地上が盤石となった三島。一方、土地が3枚で止まった岩澤は有効な手立てを打つことができない。三島は6枚の土地をフルタップし、《生育/Thrive(DIS)》で自軍全体を強化し攻勢に出る。

 《空狩人の散兵/Skyhunter Skirmisher(5DN)》へ《粗暴な力/Brute Force(PLC)》を使い三島の《かき鳴らし鳥/Thrummingbird(SOM)》を討ち取った岩澤だが、《水の召使い/Water Servant(M14)》に対処する手段がない。地上を徐々に侵食されていった彼は、《水の召使い/Water Servant(M14)》がもう1枚三島の戦場に着地するのを見るとカードを片付けることになった。


「移植」・「増殖」のコンボを阻まれても強力な動きを見せる三島。

 最終戦、ここで勝てばトップ8の可能性を追える位置。両者とも大きな重圧を感じつつも、落ち着いた様子で戦いの準備を進める。

 岩澤の《太陽の槍のシカール/Sunspear Shikari(SOM)》と三島の《巣の侵略者/Nest Invader(ROE)》がぶつかり合い、火蓋は切って落とされた。残された落とし子・トークンを生け贄に捧げ、1ターン早く《コジレックの捕食者/Kozilek's Predator(ROE)》を繰り出す三島。これに対し岩澤は《鎌切り/Sickleslicer(NPH)》の攻撃とコンバット・トリックで本体を倒すものの、三島の手札からは2体目の《コジレックの捕食者/Kozilek's Predator(ROE)》が。

 地上を守る盾にもなるマナ源を大量に得た三島は攻撃を続け、《ヘリウム噴射獣/Helium Squirter(DIS)》も追加してエンド。一方の岩澤は《嵐血の狂戦士/Stormblood Berserker(M12)》、《ボロスの速太刀/Boros Swiftblade(RAV)》と続けて展開し、状況の打開を図る。《嵐血の狂戦士/Stormblood Berserker(M12)》はバウンスされ、3/3クリーチャー2体の攻撃を受ける岩澤。しかし、すぐさま《炎の覆い/Wrap in Flames(ROE)》で三島の落とし子・トークンを一掃し、反撃する。互いにライフをひと桁まで落とし、ライフ・レースは終盤を迎えた。

 だがしかし、盤面の差は歴然だった。地上は緑のクリーチャー、空中は青のクリーチャーでしっかりと固めた三島は、反撃をものともせず岩澤を追い詰める。望みをかけて攻撃に出した《ボロスの速太刀/Boros Swiftblade(RAV)》がブロックされたのを確認すると、岩澤は右手を差し出したのだった。

岩澤 1-2 三島

(追記:この試合に勝利した三島だが、惜しくもオポネント落ちでトップ8入賞を逃してしまった。プロツアーの出場権は獲得している)

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