マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

イベントカバレージ

【観戦記事】 第5回戦:山本 賢太郎(東京) vs. 清水 亮太(東京)

【観戦記事】 第5回戦:山本 賢太郎(東京) vs. 清水 亮太(東京)

By 宮川 貴浩

 第5回戦、山本 賢太郎が操る「スニークショー」、清水 亮太の駆る「赤単スニーク」のスニーク対決をお送りする。

 両者にデッキ選択の理由をお伺いしたので、まずはそちらを軽く紹介してから試合に入らせていただこうと思う。

 プロツアー・トップ8を3回も経験しているトッププロ山本は、奇跡デッキとエルドラージデッキが多いと予想してスニークショーを選んだという。デルバー系は厳しいとのことだったが、彼のメタ読みがどの程度当たっていたかは、これから徐々に明らかになっていくだろう。

 対する清水は、グランプリ・千葉2015でトップ8に入っている。普段は地元でプレイしており、国内のグランプリはできる限り回っているとのことだ。あくまでも謙虚な清水は、普段レガシーをあまりプレイしないので、うまい人に勝つには奇襲するしかないと思ってこのデッキを選んだ、と語ってくれた。また、スタンダードをやっているプレイヤーはエルドラージを使う人が多いのではないかという読みもあったという。

r5_yamamoto_shimizu.jpg
形こそ違えど、《騙し討ち》という結論にたどり着いた両者。より巧妙に相手を騙し討つのはどちらか。
ゲーム1

 先攻の清水は、7枚の手札をすぐにマリガン。続く6枚の手札も少し考えた末マリガンし、5枚の手札でスタートすることになった。後攻の山本はしっかりと7枚の手札をキープして迎え撃つ。

 清水が《山/Mountain(MBS)》をセットして返したターンに、山本は《沸騰する小湖/Scalding Tarn(ZEN)》から《島/Island(ONS)》、《思案/Ponder(M12)》と理想的な滑り出し。トップの3枚は即シャッフルし、コンボパーツを探しにいく。

 2ターン目、清水は《裏切り者の都/City of Traitors(EXO)》から《血染めの月/Blood Moon(CHR)》をキャスト。基本でない土地が氾濫するレガシー環境で《血染めの月/Blood Moon(CHR)》をメインから搭載できるのは単色デッキの強みだ。山本は手札に2枚の《意志の力/Force of Will(MED)》を持っているが、これはスルー。

このカード1枚で何もできなくなるデッキは少なくない。《血染めの月/Blood Moon(CHR)》をめぐる攻防は、本大会でも間違いなく頻発するだろう。

 その後アクションをとれない清水に対して、山本は《渦まく知識/Brainstorm(EMA)》、《定業/Preordain(M11)》と順調に手札の質を高めていく。相手にも巨大なクリーチャーを出されることを警戒してか、《実物提示教育/Show and Tell(USG)》ではなく《騙し討ち/Sneak Attack(USG)》で試合を決めるプランだ。

 そして、ついに5マナが山本の戦場に揃う。《騙し討ち/Sneak Attack(USG)》から《グリセルブランド/Griselbrand(AVR)》が飛び出すと、7枚ドロー。さらにもう7枚ドローで、山本に都合14枚のカードをもたらす。

出てしまえば7枚ドロー確定はあまりにも破格。契約代金のライフも自らの絆魂でこっそり返してくれる優しい悪魔。

 これだけ引いていれば求めるものが見つからないわけもなく、《水蓮の花びら/Lotus Petal(TMP)》経由で《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn(ROE)》までもが奇襲に参加すると、ここで清水が投了を告げた。

山本 1-0 清水

r5_yamamoto.jpg
終始落ち着いて相手のアクションを捌き、勝負所で一気に試合を決めるという危なげない試合運びを見せた山本。
ゲーム2

 ゲーム1はダブルマリガンで思うように動けなかった清水。今度は7枚の手札でゲームを開始し、《裏切り者の都/City of Traitors(EXO)》、《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide(PLC)》、《血染めの月/Blood Moon(CHR)》とうっぷんを晴らすかのように必殺のムーブを決める。

 しかし、山本が置いたのは......《島/Island(ORI)》! これには清水も「島か~」とがっかり顔。

 山本にとって、青マナはこの《島/Island(ONS)》がもたらす1つで十分だった。《思案/Ponder(M12)》でドローを進めながら、順調に土地を伸ばしていく。そして、再びそのときが訪れた。

 《騙し討ち/Sneak Attack(USG)》が呼び出すは《グリセルブランド/Griselbrand(AVR)》。《グリセルブランド/Griselbrand(AVR)》がもたらすは14枚のドロー。だが、今回は清水にゲームを続けることが許される。

r5_shimizu.jpg
一瞬の勝機を掴むべくチャンスを窺う清水。非常に丁寧で明確な宣言が印象的なプレイヤーだ。

 《血染めの月/Blood Moon(CHR)》を置くだけがこのデッキではない。返ってきたターン、清水は《グリセルブランド/Griselbrand(AVR)》に対抗できる大物を送り出すべく、《煮えたぎる歌/Seething Song(MRD)》で一気にマナ加速を図る。しかし、これには山本の《意志の力/Force of Will(MED)》が突き刺さった。

このカードこそ、青をやる意味。そして、青を倒す意味。

 やむなくターンエンドを宣言する清水。こうなってしまうと、これ以上の猶予を山本が許すはずもない。山本が《グリセルブランド/Griselbrand(AVR)》から勝利のバトンを受け継いだ《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn(ROE)》を走らせると、清水のライフは消し飛んだ。

スタンダードでは数々のマッチに終末をもたらしている彼女。レガシーでは、今日も誰かを引き裂いている。

山本 2-0 清水

 このマッチでは、ドロー操作、打ち消しと青の有無による差が特に目立った形となった。

 だが、青を捨ててまで単色にしている清水のデッキには、他の追随を許さないまだ見ぬ爆発力があるはずだ。その圧倒的攻撃力で会場を真っ赤に染め上げ、レッドカーペットを歩いて再びフィーチャーテーブルに戻ってくれば、今度こそその真価を見せてくれるだろう。

前の記事: 【観戦記事】 第4回戦:中野 彰教(神奈川) vs. 高橋 優太(東京) | 次の記事: 【観戦記事】 第6回戦:Jason Chung(ニュージーランド) vs. 鶴原 隆之(大阪)
グランプリ・千葉2016 一覧に戻る