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【観戦記事】 第15回戦:宮島 拓人(新潟) vs. 大森 健一朗(兵庫)

【観戦記事】 第15回戦:宮島 拓人(新潟) vs. 大森 健一朗(兵庫)

By 矢吹 哲也

 2503名の参加者が集まった今大会では、トップ8入賞へ続く門も非常に狭いものになる。生き残りを懸けた戦いは一層厳しさを増し、ここまで2敗でフィーチャー・マッチの舞台に立った宮島 拓人と大森 健一朗の両者はここで勝っても入賞できるとは限らない状況だ。

 それでも、最後まで希望を信じて戦うしかない。とりわけ現在マッチポイント36点の両者は、ここで勝てばプロツアーの権利を獲得できるのだから。


宮島 拓人(写真左) vs. 大森 健一朗(同右)

 兵庫の大森 健一朗は過去にグランプリ・トップ8入賞経験もあり、国内グランプリで常に上位でその名を見かけるプレイヤーだ。年々参加者が増えるグランプリにおいて、さまざまなフォーマットで安定した成績を取り続けていることが、彼の確かな実力を示している。

 対する新潟の宮島 拓人は、グランプリ参加3度目にしてトップ8入賞に手をかけた。普段は近くの店舗でスタンダードやリミテッドを楽しんでいるという彼だが、Magic Onlineでレガシーも継続的にプレイしており、今大会の活躍により、プロツアー出場の夢も手を伸ばせば届くところにある。

ゲーム展開

 大森は爆発的な威力を持つ「黒赤リアニメイト」を持ち込んでおり、一方の宮島は「青赤デルバー」を選択。つまりこの戦いの軸はシンプルだ。大森がコンボを決めるか、それとも宮島がそれを阻止できるか。

 逸る気持ちを抑えるようにそれぞれの武器を入念にシャッフルする両者。大きなものを懸けた戦いのゴングが、今――

――閃光が走る。まさに一瞬のことだった。呪文ひとつを唱える間もなく、宮島は倒れていた。


目にも止まらぬコンボ達成。大森が1ターン・キルを決めたのだ。

 第1ゲームを振り返ろう。

 先手の宮島はマリガンを喫し《山》1枚の手札に苦い顔を向けながらキープ。一方の大森は《別館の大長/Chancellor of the Annex(NPH)》2枚に《信仰無き物あさり/Faithless Looting(EMA)》、《暗黒の儀式/Dark Ritual》、そして《動く死体/Animate Dead》と必要なパーツがほぼ揃ったもの。あとはフィニッシャーを墓地へ送るだけだ。

 そして大森は、第1ターンのドローで《納墓/Entomb(ODY)》をトップ・デッキした。《山》1枚を置いたのみで手札にもコンボを防ぐ手段はなく、宮島はカードを片付けるに至ったのだった。

 第2ゲームは大森の初手7枚に土地の姿がなく、マリガン。しかし6枚の手札が《水蓮の花びら/Lotus Petal(TMP)》2枚に《納墓/Entomb(ODY)》、《再活性/Reanimate》とまたもや揃っている。

 1ターン目に《僧院の速槍/Monastery Swiftspear(KTK)》を繰り出し攻撃した宮島に対し、大森は早速仕掛けていった。《納墓/Entomb(ODY)》で《グリセルブランド/Griselbrand(AVR)》を墓地へ送ると、《再活性/Reanimate》を唱える。だが宮島は《外科的摘出》で《グリセルブランド/Griselbrand(AVR)》を抜き去り、軽量火力とドローを唱えながら《僧院の速槍》での攻撃を続けた。

 大森が墓地に脅威を送り込めるか。その前に宮島が仕留めるか。超高速の緊張したゲームは、果たして宮島の側に軍配が上がった。宮島の攻撃に応ずる手を持ちあわせていない大森は、その後も有効なカードを引き込めず、《僧院の速槍》1体といくつかの火力で20点を削りきられることになった。


第1ゲームの敗北は効いていない。ポイントは取られたものの、立て直せる......宮島は自身にそう言い聞かせ、反撃に成功する。

 最終ゲーム、大森の初手には土地がなかったが、彼は《水蓮の花びら/Lotus Petal(TMP)》と《暗黒の儀式/Dark Ritual》からコンボが成立するこの手札をキープ。宮島は再びマリガンし、大森のコンボを妨害する手段を探しにいく。6枚となった手札には多くの妨害手段があったものの、今度は土地がない。それでもこれをキープした宮島は、大森が繰り出した《水蓮の花びら/Lotus Petal(TMP)》、《暗黒の儀式/Ritual》、《納墓/Entomb》、《再活性/Reanimate》というコンボの第一波を《外科的摘出》で防いだ。

 ここからはどちらが先にキー・カードを引き込めるかという戦い。やがて大森は第2波を仕掛けるべく《暗黒の儀式/Dark Ritual》を放ったが、宮島はこれを《意志の力/Force of Will(EMA)》で阻止する。大森は《信仰無き物あさり/Faithless Looting(EMA)》で第3波への準備を進めたが、ついに土地を引き込んだ宮島は強烈なカウンターとなる《墓掘りの檻》を設置する!

 これで大森のコンボは封じられた。宮島は《秘密を掘り下げる者》を繰り出すと《渦まく知識/Brainstorm》を用いてすぐに「変身」させ、反撃を開始した。そこから決着までは時間がかからなかった、宮島は最後に《稲妻/Lightning Bolt(M10)》を3枚立て続けに放ち、熱戦の幕を下ろしたのだった。

宮島 2-1 大森

※この後、宮島は惜しくもオポネント落ちとなった。際どい状況の中テキスト・フィーチャーを快く受け、見事な戦いを繰り広げた両者に改めて感謝したい。

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