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【観戦記事】 準々決勝:山本 賢太郎(東京) vs. 本間 彰(新潟)

【観戦記事】 準々決勝:山本 賢太郎(東京) vs. 本間 彰(新潟)

By 矢吹 哲也

 決勝ラウンドの舞台に用意された8つの席は埋まった。

 プロ・プレイヤーあり、レガシー・プレイヤーあり、海外からの参戦者あり、そして初トップ8入賞あり......さまざまな顔ぶれが並んだ今大会の決勝ラウンド進出者たちの中で、この記事では予選ラウンド2位通過の山本 賢太郎と7位通過の本間 彰の戦いに注目する。

「実は2日目進出も初めてなんですよ」と、本間は緊張した様子で切り出した。グランプリへの参加自体もまだ3度目と大舞台の経験は少ない彼だが、しっかりと今大会を見据えて用意したデッキを手に自身初のトップ8入賞を決めた。

「今大会で多いと想定した『エルドラージ』や『スゥルタイ続唱』に強いので、このデッキを選びました。最大勢力だと思われる『奇跡』コントロールとの相性は良いとは言えないんですが、速さで勝負ができるので」と本間はデッキ選択の理由をそう語る。実際に、第14回戦では生放送のフィーチャー・マッチで、レガシーの達人と名高い斉藤 伸夫の操る「奇跡」コントロールを破っている。

 しかしこの戦いは、本間にとって誤算だった。本間の「エルフ」デッキは山本の「スニーク・ショウ」にコンボの安定感・速度ともに上回られてしまい、それを阻止する手段もわずかな厳しいマッチアップなのだ。

 とはいえ、3度目のグランプリでトップ8に入賞し、賞金とプロ・ポイントと、プロツアーの権利を獲得し、そして世界で活躍するトップ・プロとの戦いを最高の舞台で経験できるのは、決して不運とは言えないはずだ。

 そして勝負というものは、最後までやってみなければわからない。


山本 vs. 本間。山本は悲願の初タイトルのために、本間はこれまでの活躍にさらなる華を添えるために。残るはあと3試合。

ゲーム展開

 後手の本間が1ターン目《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman(EMA)》を展開。山本は土地を並べてターンを返し、コンボ始動のときを待つ。

 本間は《死儀礼のシャーマン》で攻撃すると《ガイアの揺籃の地/Gaea's Cradle(USG)》プレイし、2枚目の《死儀礼のシャーマン》と《ワイアウッドの共生虫/Wirewood Symbiote(EMA)》を展開した。

 ターンを迎えた山本は《思案/Ponder》を唱え、《意志の力/Force of Will(EMA)》を手札へ。《死儀礼のシャーマン》で山本の墓地の《思案/Ponder》を追放して2点のライフを失わせた本間は、エルフをもう1体追加して《ガイアの揺籃の地/Gaea's Cradle(USG)》から4マナを生み出すと、《死儀礼のシャーマン》のマナ能力を加えて《生命の力、ニッサ/Nissa, Vital Force(KLD)》を呼び出した。

本間のこだわりの1枚が、大舞台でも彼に力を貸す。これで一気にクロックが加速した。

 山本は手札の《意志の力/Force of Will(EMA)》を切るか考えたものの、ここではスルー。本間は5/5となった土地と合わせた攻撃を仕掛け、山本のライフは残り9点に。

 しかし、山本は《実物提示教育/Show and Tell(USG)》で《騙し討ち/Sneak Attack(USG)》を戦場へ出すと、そこから《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn(ROE)》を繰り出した。「滅殺」によって《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman(EMA)》1枚と《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves(3ED)》、そして土地をすべて生け贄に捧げた本間だが、返しのターンに2枚目の《ガイアの揺籃の地/Gaea's Cradle(USG)》を置き、再び《生命の力、ニッサ/Nissa, Vital Force(KLD)》の[+1]能力でクリーチャー化すると、山本のライフを残り2点まで追い詰めた。

 だがこのターンに生き残りさえすれば、山本の勝利は揺るがなかった。山本は再び《騙し討ち/Sneak Attack(USG)》を起動し、《グリセルブランド/Griselbrand(AVR)》を戦場へ。本間はそれを見てカードを片付けた。

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決勝ラウンドに入り、ますます冴える山本の技。彼の強力な動きは、決勝ラウンドを通して留まることがなかった。

 第2ゲーム、本間はマリガンを宣言し6枚の手札にもひとつ息を吐くと、ダブル・マリガンを選択。リスクを承知で山本のコンボを止めにかかり、5枚の中に《真髄の針/Pithing Needle》を見つけると、1ターン目に《騙し討ち/Sneak Attack(USG)》を指定して設置することに成功した。

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大きく不利なデッキ。相手はトップ・プロ。リスクを負うのは当然だ。本間は大きな緊張の中、攻めの姿勢を見せる。

 しかし本間の側にもクリーチャーがなく、動きは鈍い。山本は《渦まく知識/Brainstorm》、《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer(M12)》と序盤を進め、本間が唱えた《垣間見る自然/Glimpse of Nature(CHK)》に対しては《水蓮の花びら/Lotus Petal(TMP)》の起動を含めた5マナで《意志の力/Force of Will(EMA)》を素撃ちして防いだ。

 そして引き込んだ《実物提示教育/Show and Tell(USG)》が、《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn(ROE)》を呼び寄せる。本間は最後のドローを確認すると緊張を解き、「ありがとうございました」と頭を下げたのだった。

山本 2-0 本間

山本 賢太郎が本間 彰を2連勝で下し、準決勝へ!

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