EVENT COVERAGE

グランプリ・広州2016

戦略記事

グランプリ・広州2016 2日目メタゲーム・ブレイクダウン

By Masashi Koyama

 グランプリ・広州2016は初日9回戦の激闘を終え、946名の参加者のうち289名が2日目へと進出を決めた。

 マッチ・ポイント18点以上を獲得した289名の使用デッキの内訳は以下の通りだ。

アーキタイプ使用者数%
ジャンド3411.8%
感染238.0%
親和217.3%
バント・エルドラージ206.9%
赤緑トロン206.9%
ナヤ・バーン196.6%
マーフォーク186.2%
先駆ける者、ナヒリ》入りジェスカイ144.8%
アブザン124.2%
白日の下に》入り《風景の変容113.8%
発掘113.8%
原始のタイタン》入り《風景の変容103.5%
死の影》アグロ82.8%
むかつき72.4%
アブザン・カンパニー51.7%
風景の変容51.7%
ジェスカイ・ミッドレンジ41.4%
その他4716.3%
合計289100.00%

 最大派閥となったのは数々の強力カードを擁するジャンドで34名=11.8%。続いて感染が23名=8.0%。3番手は僅差ながら21名=7.3%の親和が滑りこんだ。

 それ以下の赤緑トロン、ナヤバーン、マーフォークもそれぞれ20名前後のプレイヤーを2日目に送り込んでおり、アーキタイプごとの争いは混戦と言って差し支えないだろう。

 事前に「親和、バーンなんかの速いデッキが中国で人気があるアーキタイプだよ」と中国プレイヤーから情報を得ていたのだが、事実それらのアーキタイプも上位に食い込んでおり、アグロデッキの多さという点では日本とは少しメタゲームが異なるのかもしれない。

 また、日本勢が口々に語っていたのは「スーパークレイジーズー/Super Crazy Zoo(=《死の影》アグロ)が少ない」ということだったが、それでも10名が2日目に進出している。市川ユウキ、齋藤友晴、原根健太など数名の日本勢が選択した感染に対しては有利がつくデッキだけに、もしかするとトップ8の争いに影響が出るかもしれない。

 また、ワールド・マジック・カップ予選で躍進した発掘も11名と二桁の初日突破者を輩出したが、以前と比べると少し下火となっているだろうか。

 数字の上では「1強」と言える突出したデッキが無く、親和、感染、バーン等キルターンの速いデッキが多めというメタゲームだろうか。

 そして、以下が47名の「その他」デッキの内訳表だ。

アーキタイプ使用者数
呪禁オーラ3
エルフ3
石術師、ナヒリ》オルゾフ3
青赤昇天3
青白ミッドレンジ3
Zoo3
御霊の復讐2
死せる生2
蔵の開放2
青白スピリット2
緑白トークン2
黒赤アグロ1
黒赤コントロール1
黒赤エルドラージ1
白黒ヘイトベア1
白黒トークン1
バント《聖遺の騎士》上陸1
エスパー・コントロール1
グリセルシュート1
グリクシス・デルバー1
青単タイムウォーク1
ナヤ・カンパニー1
赤緑プレインズウォーカー1
赤緑土地破壊1
赤白コントロール1
雪崩し》レッド1
スリヴァー1
歯と爪1
青黒ライブラリーアウト1
青白コントロール1
合計47

 まさに多種多様。

 青単タイムウォークや青黒ライブラリーアウトにスリヴァー。思わずワクワクしてしまう個性溢れるデッキが目白押しだ。

 これらのデッキたちのうち、英語版カバレージではバント「聖遺の騎士」上陸について解説しており、日本語版カバレージでも《蔵の開放》デッキを取り上げる予定なので、気になった方はぜひチェックしてみてはいかがだろう。

 さて、グランプリ・広州2016のメタゲームはいかがだっただろうか?「キルターンが速いデッキが多い」と書いたが、モダンは同時に創造的なデッキも存在するだ。

 ぜひ読者諸兄にもモダンという環境をお楽しみいただければと思う。

  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

サイト内検索