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【観戦記事】 準々決勝:内藤 隆(岡山) vs. Kuo, Tsu-ching(台湾)

【観戦記事】 準々決勝:内藤 隆(岡山) vs. Kuo, Tsu-ching(台湾)

By Masami Kaneko

内藤 隆(ドランカラートークン) vs. Kuo, Tsu-ching(呪禁バント)

 マジックはグローバルなゲームだ。多くのトーナメントが様々な国で開催されており、そのどれにでも参加できる。日本のグランプリで、日本人と台湾人が激突する。そんな光景も、マジックでは当たり前の光景。


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 試合前の光景は、まさにグローバルなゲームならではの光景だった。

 トップ8からはお互いのデッキリストが公開となり、対戦前に相手のデッキリストを見ることができる。予定通りにお互いにデッキリストを確認して一言。

内藤「......英語?」

Kuo「......Japanese?」

 そう、お互いに相手のデッキリストが上手く読めない。Kuoは日本語を読むことが出来ないし、内藤は流石に英語をある程度読めるのだが、しかし少し自信がないとのことだ。これから戦う相手を知るのはとても大切な要素。ジャッジに判断を仰いで、直接お互いのデッキを交換しても良いということになった。そしてお互いデッキを確認して内藤が一言。

内藤「......中国語?」

 そう、Kuoのデッキは中国語のカードで構成されていたのだ。

 もちろん内藤もイラストでほとんどのカードは判別できる。それくらいにはマジックをやりこんでいる。そうでなくてはこのグランプリのトップ8という舞台に立てないだろう。しかし、サイドボードの《繕いの接触/Mending Touch(DGM)》で手が止まった。そう、このカードは確かあんな効果だったような。でも本当に合ってるのか。しかしここはグランプリのトップ8。下らないミスは許されない。せっかく知ることができる相手のデッキ情報を曖昧に終わらせてしまうわけにはいかない。結局内藤は、Kuoに「英語で」カードの効果を確認することになった。

 かくして、日本語と英語のデッキリストを交換し、日本語と中国語のデッキを交換し、英語で言葉を交わした内藤とKuoは。

 これから、「マジック」で交流を始めるのだ。

ゲーム1

内藤 隆

 Kuoが《アヴァシンの巡礼者/Avacyn's Pilgrim(ISD)》から《鬼斬の聖騎士/Fiendslayer Paladin(M14)》に繋げば、内藤も《議事会の招集/Call of the Conclave(RTR)》からの《未練ある魂/Lingering Souls(DKA)》と、両者一歩も譲らない序盤。

 Kuoが《怨恨/Rancor(M13)》を《鬼斬の聖騎士/Fiendslayer Paladin(M14)》にまとわせ、これはダメージレースが厳しいかと思いきや、内藤も負けじと《無形の美徳/Intangible Virtue(ISD)》を展開し強烈なクロックにしていく。

 Kuoも迂闊には攻撃できない。じっくりと考えたうえ、《鬼斬の聖騎士/Fiendslayer Paladin(M14)》に《幽体の飛行/Spectral Flight(ISD)》をまとわせダメージレースを制する攻撃を実施した。《鬼斬の聖騎士/Fiendslayer Paladin(M14)》は《幽体の飛行/Spectral Flight(ISD)》までもまとったことにより強くなっている、いや、強くなりすぎた。

 喜び勇んでプレイされた《セレズニアの魔除け/Selesnya Charm(RTR)》。そう、このカードのモードの一つが「パワーが5以上のクリーチャー1体を対象とし、それを追放する」。

 虎の子の《鬼斬の聖騎士/Fiendslayer Paladin(M14)》が居なくなったことによりライフ回復手段を失ったKuo、なんとか耐えようとするものの、2枚目の《セレズニアの魔除け/Selesnya Charm(RTR)》による「ターン終了時まで+2/+2の修整を受けるとともにトランプル」効果がKuoのライフを削りきったのだった。

内藤 1-0 Kuo

ゲーム2

 がっつりとぶつかり合ったゲーム1に対して、このゲームは刹那の試合だった。

 《アヴァシンの巡礼者/Avacyn's Pilgrim(ISD)》から《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft(ISD)》と理想の展開をしたKuo。さらに3ターン目にこの伝説の幽霊に対して、《幽体の飛行/Spectral Flight(ISD)》をなんと2枚まとわせた!

 一瞬にして出来上がった10点クロック。内藤は次のカードを見て、すぐさまカードを片付けた。

 事実上の、3ターンキル。

内藤 1-1 Kuo

ゲーム3

Kuo, Tsu-ching

 お互いマリガンスタートとなった3ゲーム目。

 内藤は《議事会の招集/Call of the Conclave(RTR)》から《未練ある魂/Lingering Souls(DKA)》と素晴らしい展開。Kuoも遅れて《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft(ISD)》を展開するが、果たして間に合うのか。

 そして内藤は、黒マナを含む4マナを立ててターンを終えた。墓地には《未練ある魂/Lingering Souls(DKA)》がある以上、《ワームの到来/Advent of the Wurm(DGM)》は見え見えだ。Kuoもここは迂闊に攻撃はできない。《怨恨/Rancor(M13)》をこのターンのうちに《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft(ISD)》に付けておいて、攻撃はせずにターンを終えるしかない。

 内藤は当然の《ワームの到来/Advent of the Wurm(DGM)》、そしてさらに次のターンには2枚目の《ワームの到来/Advent of the Wurm(DGM)》!

 15点のクロックで盤面を圧倒、《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft(ISD)》の攻撃などなんのその、もう身を守るクリーチャーも居ない、ライフも残り少ないKuoに向けて、全軍突撃!

 ......そう、そしてこの全軍突撃が勝負を決めたのだった。「内藤の敗北」という結果を。

 使えるマナは、たったの1マナ。アンタップ状態のクリーチャーは、今出した《アヴァシンの巡礼者/Avacyn's Pilgrim(ISD)》と《林間隠れの斥候/Gladecover Scout(M14)》のみ。そして15点分のパワーを持つクリーチャー5体に攻撃されている。

 しかしそれでも、生き残る術はあるのだ。これがマジックである限り。

 その古き呪文で鮮やかに攻撃をかわしたKuoはその返し、《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft(ISD)》に《高まる残虐性/Increasing Savagery(DKA)》をプレイし圧倒的な力でもって攻撃!

 内藤が一度は掴みかけていたはずの勝利は、読んで字の如く、「霧」となって消えたのだった。

内藤 1-2 Kuo

 Kuo, Tsu-ching、準決勝に進出!

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