マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

イベントカバレージ

Round 3: 栗原 伸豪(東京) vs. 和田 崇秀(京都)

Round 3: 栗原 伸豪(東京) vs. 和田 崇秀(京都)

By 金 民守

Round 3


Game 1

 ダイスにより先手は栗原。
 《マナ漏出/Mana Leak》《虹色の前兆/Prismatic Omen》《探検/Explore》に土地4枚というファーストハンドをキープ。
 後手の和田もファーストハンドを一瞥すると力強くキープを宣言する。

 序盤は互角だった。
 お互い1ターン目セット《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle》から《探検/Explore》でマナを伸ばすという鏡打ちの立ち上がり。


 そして迎える4マナ域。エクステンデッド環境のキーターンである。
 後に栗原はこのゲームを振り返って、このターンを「ミスだった」と断定した。

 このターンの栗原の動きは《定業/Preordain》から始まった。初手で確保してある《虹色の前兆/Prismatic Omen》を砲台に例えるならその砲身たる《風景の変容/Scapeshift》を求めてライブラリーを掘り進める。栗原は浮かない表情で砲台を設置し、土地という砲弾を追加しててターンを返す。

 そして迎える和田の4マナターン。
 少考する和田のハンドを確認すると、そこに鎮座ましますは《砕土/Harrow》《虹色の前兆/Prismatic Omen》《風景の変容/Scapeshift》の3枚。栗原が渇望する必殺の一撃を和田は既に確保していた。
 《砕土/Harrow》から《虹色の前兆/Prismatic Omen》につなげて静かにターンを返す。

栗原 伸豪
栗原 伸豪

 4ターン目。未だ栗原の元に砲身は届かない。さらなる《定業/Preordain》によってライブラリーを掘り進む栗原だが、そこに求める答えはない。しかし信じる。タイタンという選択肢を削った分自分のヴァラクートは純正型よりも《風景の変容/Scapeshift》に対するアクセス手段は増えている。大ダメージはいらない。欲しいのは致死ダメージである。そのための代償は払ってある。お願いだ。《風景の変容/Scapeshift》を引かせてくれ。

 それに仮に次のターン対戦相手が70点オーバーの《風景の変容/Scapeshift》を用意できたとしても《マナ漏出/Mana Leak》があるのだ。対戦相手に妨害手段はない。揃えれば、揃えれば勝てる。栗原は願うような、何か自分を説得するような神妙な面持ちでターンを返した。

 和田のターン。既に土地は6枚が並んだ。弾数は十分だ。砲台も設置済みだ。
 あとはハンドの《風景の変容/Scapeshift》をキャストすれば、それが解決されれば、勝利がその手のうちに入る。相手は既に2枚の《定業/Preordain》でドローを進めている。
 長引けばカウンターを引かれる可能性は比例して高まる。躊躇している暇はないかもしれない。意を決したような面持ちでターンを迎える和田。その手が、ドローを見て止まった。そこには《ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya》がいた。

 和田は考える。
 未だ揃わないコンボをケアして虎の子の《風景の変容/Scapeshift》を《マナ漏出/Mana Leak》される危険を冒すのは避けたいが、栗原の持っているカウンターが《謎めいた命令/Cryptic Command(LRW)》である場合はこのターン何もせずGOするのは愚の骨頂である。

 さらに和田は考える。
 相手の手札に《風景の変容/Scapeshift》はない。これは確実だ。近い未来にはどうなるかわからないが、今、この瞬間は相手は持っていない。この事実はゆるぎようがない。
 そして2回の《定業/Preordain》を経てなおコンボが揃っていないそのハンドに、カウンターまでない前提でプレイをするのは楽観でなくもはや自虐であろう。

 数十秒の間、手札を見つめ、場を確認し、そして和田は《ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya》をキャストした。栗原は眉をしかめてこれを許可する。公開される和田のライブラリートップは《風景の変容/Scapeshift》。そして手札からは7枚目の土地が追加でセットされた。

 栗原は青ざめる。ターンを返す和田が栗原を見つめる。
 コンボ成立が公開された。ハンドの《マナ漏出/Mana Leak》では足りない。追加のカウンターが、いや、自分もあの《風景の変容/Scapeshift》が必要だ。引いてしまえ!

 祈るようにドローする栗原にもたらされたカードは、2枚目の《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle》だった。場を確認する。未起動のフェッチ。2枚目のヴァラクート、そしてハンドには《不屈の自然/Rampant Growth》合計18点。どこか、どこかでもう一枚マナブーストが引けていれば...
 栗原は《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle》をセットして巫女と和田を対象にそれぞれ3点を解決してターンを返した。

 和田の土地がアンタップする。二の矢となる変容を手に入れた和田が《マナ漏出/Mana Leak(M11)》を回避するに足るマナとともに《風景の変容/Scapeshift》をキャストすると、もはや栗原に為す術はなかった。


栗原 0-1 和田


Game 2

和田 崇秀
和田 崇秀

 注目のサイドボーディングは、栗原が《ルーンの光輪/Runed Halo》《神聖の力線/Leyline of Sanctity》という相手の勝ち手段を封じるカードを3枚、《稲妻/Lightning Bolt》のサイドアウトを見越した中長期戦用カードの《ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya》3枚をサイドイン。

 対して、和田は当然入ってくるであろう《神聖の力線/Leyline of Sanctity》とコンボパーツである《虹色の前兆/Prismatic Omen》対策として4枚の《自然の要求/Nature's Claim》をサイドイン。さらに《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle》以外の勝ち手段として《強情なベイロス/Obstinate Baloth》を追加した。

 先手栗原は1本目のファーストハンドの《マナ漏出/Mana Leak》が《謎めいた命令/Cryptic Command(LRW)》に変わり土地が1枚《戦争門/Wargate》になった上出来のハンドをキープ。後手の和田は不運にもマリガンにみまわれるが、土地2枚と《カルニの心臓の探検/Khalni Heart Expedition》《強情なベイロス/Obstinate Baloth》《ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya》というハンドをキープしてゲームが始まる。

 お互いに土地を並べるだけの静かな序盤が過ぎると、ゲームは中盤戦へ。
 栗原は巫女を展開するかカウンターを構えるかの二択で後者を選択してターンを返す。

 が、ここで和田は痛恨の土地事故に見舞われる。4枚目の土地が置けないのだ。
 和田の不運は続いた。引けども引けども4枚目の土地は見つからず、ハンドには《ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya》《強情なベイロス/Obstinate Baloth》《風景の変容/Scapeshift》といった4マナカードばかり集まってくるのだ。

 そんな和田を尻目に栗原は複数枚のカウンターを抱えて毎ターン土地を並べながらドローゴーを繰り返す。栗原にとっては淡々とした、和田にとっては骨がきしむような数ターンが経過すると、二人のマナ差は3対7になった。

 3マナのまま迎えた和田の7ターン目。栗原が場とスタック上の二つの《カルニの心臓の探検/Khalni Heart Expedition》に対して《謎めいた命令/Cryptic Command(LRW)》を下すと、和田は静かにカードを片付けた。


栗原 1-1 和田


Game 3

 3ゲーム目は激しいゲームだった。先手の和田が7枚のハンドをキープすると、栗原は青マナのないハンドをマリガンするが新しい6枚を即キープ。そしてゲームが始まると0ターン目に栗原が動いた。もちろん《神聖の力線/Leyline of Sanctity》である。
 渋い顔をする和田だが、2ターン目には《自然の要求/Nature's Claim》を引き当てこれに対処。栗原は返しで《虹色の前兆/Prismatic Omen》を置いて両者一歩も引かない。

 和田は3ターン目は《カルニの心臓の探検/Khalni Heart Expedition(ZEN)》を置いてからフェッチをセット。栗原も《定業/Preordain》から《不屈の自然/Rampant Growth(MIR)》でマナを伸ばしスピード勝負の様相が濃くなる。

 4ターン目。和田はセットランドこそできないものの《不屈の自然/Rampant Growth(MIR)》で4枚目の土地を揃えつつ《カルニの心臓の探検/Khalni Heart Expedition》の条件を満たして6マナ到達を確実化する。そしてハンドには《虹色の前兆/Prismatic Omen》と《風景の変容/Scapeshift》が。《虹色の前兆/Prismatic Omen》を先置きしないことによって栗原がカウンターを構える必然性の低下が見込める。《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》でも《ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya》もなんでもいい!勝つために動け!そんな心の声が聞こえてきそうな気すらする。

 そして迎えた栗原のターン。栗原のハンドには・・・カウンターはなかった。《ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya》を召喚。公開されるライブラリートップはなんと《風景の変容/Scapeshift》!!! 「どうぞ」栗原はそう言いターンを返した。

 和田はうなずいて土地をアンタップし、運命の5ターン目を迎えた。

 ・・・そう。和田はそのまま5ターン目を迎えてしまった。
 場に残った《カルニの心臓の探検/Khalni Heart Expedition》に気づいて目を丸くする和田。これでは《虹色の前兆/Prismatic Omen》から《風景の変容/Scapeshift》につなぐことができない!!

 だが絶望するのはまだ早い。栗原の土地は5枚だ。まだ、まだターンが返ってくる可能性はある。そしておそらくカウンターは持っていない。お願いだ!土地を置かないでくれ!
 栗原のターン。公開された《風景の変容/Scapeshift》を手札に加える。新たに公開されたカードは・・・《定業/Preordain》!そしてハンドに土地はない!!
 ・・・がしかし、がしかし栗原の場には未起動のフェッチが残っていた! 栗原はフェッチを起動して相手にシャッフルを求める。栗原もおそらく気づいているのだろう。このシャッフルでもたらされる結果がゲームの勝敗に直結していることを。

 和田が念入りにカットをする。手が震えているのがわかる。納得するまでシャッフルを繰り返し、和田が栗原にデッキを渡す。公開されたライブラリートップは・・・

《金属海の沿岸》


栗原伸豪 2-1 和田崇秀

前の記事: 個人情報の取り扱い変更に伴う更新の遅延について | 次の記事: Round 4: 渡辺 雄也(神奈川) vs. 北山 雄哉(岐阜)
グランプリ神戸11 一覧に戻る