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Round 8: 中村 篤史(広島) vs.中 善弘(石川)

Round 8: 中村 篤史(広島) vs.中 善弘(石川)

by Tatsushi Tsukamoto


Round 8


 地方勢同士の対決だが、プロツアー予選の会場で顔を合わせた事があるらしく、中村も中も朗らかな表情での試合のスタートとなる。
 ダイスロールを制した中が力強く先攻を宣言して、ゲームの幕が開く。

Game 1

 しかし、マリガンチェックで中がマリガンを宣言、中村もほぼ同時にキープを。
 中は気合を入れ6枚引くが、またもやマリガン。手札が全て土地では気合の生かしようもない。
 痛恨のダブルマリガンだが、中はこれを何とかキープ。

 中の《金属海の沿岸/Seachrome Coast(SOM)》から試合が始まる。
 中村は《つぶやき林/Murmuring Bosk(MOR)》を置き《名も無き転置/Nameless Inversion(LRW)》を公開、そして《壌土のライオン/Loam Lion(WWK)》を召喚。

中村 篤史
中村 篤史

 ここでお伝えしたいのは、中村の使うデッキはプロツアー・名古屋予選シーズンのエクステンデッドに影響を与えた、白緑黒の「高速ドランビート」。
 このデッキを使い中村は予選を制覇し、翌週に別の予選で75枚同じリストを使った人を優勝にまで押し上げた。それほどまでに凄いデッキを中村は独自に作り上げたのだ。

 本人曰くメインボードは早い段階から「いじる所がない。」という。
 このデッキにより、日本のメタゲームを塗り替えてしまった中村。
 日本には有名な「中村」が沢山いるが、この「パーフェクトドラン」を使うビートダウンキャラの「中村」は中村篤史だけ!
 今後注目の「パーフェクト中村」である。

 話を試合に戻そう。
 2ターン目の中の行動は《不屈の自然/Rampant Growth(6ED)》で《島/Island(M11)》をサーチ。
 中村が「そっちのほうかー。」とこぼす中のデッキは《戦争門/Wargate(ARB)》入りの《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle(ZEN)》なのか。

 返すターン《壌土のライオン/Loam Lion(WWK)》でアタックの後に《朽ちゆくヒル/Putrid Leech(ARB)》。これで中村の場のクロックは見た目6点。なるほど早い。
 《戦争門/Wargate(ARB)》をプレイして《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle(ZEN)》をサーチするが、《壌土のライオン/Loam Lion(WWK)》と《朽ちゆくヒル/Putrid Leech(ARB)》でアタックし2点払いパンプアップすると、中のライフは一気に12に。中村はさらに《朽ちゆくヒル/Putrid Leech(ARB)》を追加。しかし次の攻撃でも微妙に打点が足りないことを懸念する中村。

 一方、中は《定業/Preordain(M11)》でライブラリーを掘り進める。
 《つぶやき林/Murmuring Bosk(MOR)》と《森/Forest(SOM)》をめくり、《つぶやき林/Murmuring Bosk(MOR)》をボトムに送った後、ライブラリーの上に置いた《森/Forest(SOM)》をそのままセットランドしてターン終える。

 ドロー後に「アタック宣言」とお伺いを立てる中村に、中は《つぶやき林/Murmuring Bosk(MOR)》から公開された《名も無き転置/Nameless Inversion(LRW)》を指し、「ネームレスで死んでるんだよな・・・」と呟く。
 そのまま攻撃クリーチャーを指定するのを中が許可すると、中村は《壌土のライオン/Loam Lion(WWK)》と《朽ちゆくヒル/Putrid Leech(ARB)》2体でアタック。
 致死ダメージにするために2体の《朽ちゆくヒル/Putrid Leech(ARB)》をパンプアップするが、片方は《謎めいた命令/Cryptic Command(LRW)》で手札に戻されてしまう。これにより中のライフは6点。中村は戻されたヒルを再び呼び戻しエンド。

 手札が芳しくない中は《探検/Explore(WWK)》で解決策を求める。
 そこで手にした《謎めいた命令/Cryptic Command(LRW)》。
 他に《朽ちゆくヒル/Putrid Leech(ARB)》を戻した際にドローした《金属海の沿岸/Seachrome Coast(SOM)》しか手札にない中は、折角の《謎めいた命令/Cryptic Command(LRW)》をプレイすることができない。

 仕方なく《虹色の前兆/Prismatic Omen(SHM)》をプレイして、《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle(ZEN)》の発動条件を満たす。 そしてタップ状態で《金属海の沿岸/Seachrome Coast(SOM)》を出し《壌土のライオン/Loam Lion(WWK)》を黒焦げにしようとする。

 だが、中村はその《壌土のライオン/Loam Lion(WWK)》に対して《流刑への道/Path to Exile(CON)》をキャストし《沼/Swamp(ONS)》に換える。
 そして即座に自分のターンに《潮の虚ろの漕ぎ手/Tidehollow Sculler(ALA)》を出すと、速やかに中は場を片付けた。

中村 1-0 中


Game 2

 先攻を選んだ中は今回こそ良いオープンハンドに恵まれるのか?
 お互いにマリガンしないことを選択したので、中のハンドも悪くはないのだろう。

 先手《定業/Preordain(M11)》と安定した出だしの中は、《定業/Preordain(M11)》を手に入れターンエンド。
 中村は《霧深い雨林/Misty Rainforest(ZEN)》から《つぶやき林/Murmuring Bosk(MOR)》をサーチして《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower(LRW)》を公開。
 そして再び「白エイプ」こと《壌土のライオン/Loam Lion(WWK)》をプレイ。
 コンボVSビートダウン。熱を帯びた二人の試合展開に観戦者も息を飲む。

 ここで中がドローしたカードは《太陽のタイタン/Sun Titan(M11)》。
 サイドボードから投入された白いタイタンは《原始のタイタン/Primeval Titan(M11)》と同等の強さを持っているのだろうか?
 《探検/Explore(WWK)》をプレイして土地を伸ばしながら、デッキを掘り進める中に、中村は自分のターンで《潮の虚ろの漕ぎ手/Tidehollow Sculler(ALA)》。

  • 《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle(ZEN)》
  • 《太陽のタイタン/Sun Titan(M11)》
  • 《森/Forest(SOM)》
  • 《虹色の前兆/Prismatic Omen(SHM)》×2

 中村は自分の手札や場と相談をしながら《虹色の前兆/Prismatic Omen(SHM)》を選択。
 《太陽のタイタン/Sun Titan(M11)》を出させる前に試合を片付けるつもりなのか。

 1,2ターン目とテンポよく水準の高い生物を並べる中村に対して、中も場に《虹色の前兆/Prismatic Omen(SHM)》と《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle(ZEN)》を揃えて追いつく。
 これで土地が早く並ぶか、殴り勝つかという構図に。

 早いドランにスピード勝負で挑む中は、フェイスクラップで気合を入れる。
 中村がデッキの主役ともいえる《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower(LRW)》を場に降臨させる。
 そして少しだけ打点の上がった《壌土のライオン/Loam Lion(WWK)》と《潮の虚ろの漕ぎ手/Tidehollow Sculler(ALA)》で攻撃された中のライフは、1、2ターン目に連続でプレイしたフェッチランドの分を含め11点に。
 これで場は「パーフェクト」になったのか。

 しかしここれで中は《戦争門/Wargate(ARB)》をトップして、2枚目の《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle(ZEN)》を!
 その後セットした《森/Forest(SOM)》で《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle(ZEN)》を噴火させた中は、《壌土のライオン/Loam Lion(WWK)》と《潮の虚ろの漕ぎ手/Tidehollow Sculler(ALA)》を溶岩で飲み込み、追加の《虹色の前兆/Prismatic Omen(SHM)》を置く。

 立場が一気に逆転してしまった中村。
 「詰んでるかなぁ・・・。」とつぶやきながらも《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower(LRW)》で攻撃した後に《潮の虚ろの漕ぎ手/Tidehollow Sculler(ALA)》で悪あがきをする。

 中はきっちりと《森/Forest(SOM)》を置き《太陽のタイタン/Sun Titan(M11)》を取り戻すと、それをすぐにプレイ。
 墓地の《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs(ZEN)》が場に戻ると、2つの《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle(ZEN)》の噴火は止まらなくなった。

中村 1-1 中


Game 3

 1-1で迎えた最終戦の先攻は中村。ビートダウンに先手といえば鬼に金棒も同然。

 中村の手札は3体の《壌土のライオン/Loam Lion(WWK)》に《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx(ZEN)》がいるのだが・・・土地は《沼/Swamp(ONS)》《霧深い雨林/Misty Rainforest(ZEN)》と噛み合わない様子。
 これでは折角の1マナクリーチャー軍団をプレイできないが、中村はこれをしぶしぶキープ。中も7枚をキープしたことにより、最後のゲームが始まる。

 《霧深い雨林/Misty Rainforest(ZEN)》をセットしてすぐにエンドを宣言する中村。後は中の出だし次第だが・・・中が唱えたのは《思案/Ponder(M10)》。並び変えた3枚の未来はいい具合らしい。
 そんなターンの終わりに《つぶやき林/Murmuring Bosk(MOR)》をフェッチした中村は、自分のターンに《潮の虚ろの漕ぎ手/Tidehollow Sculler(ALA)》を繰り出す。

  • 《誘惑蒔き/Sower of Temptation(LRW)》
  • 《戦争門/Wargate(ARB)》
  • 《太陽のタイタン/Sun Titan(M11)》
  • 《不屈の自然/Rampant Growth(6ED)》
  • 《溢れかえる果樹園/Flooded Grove(EVE)》
  • 《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs(ZEN)》
  • 《森/Forest(SOM)》

 という絶好のハンドから《戦争門/Wargate(ARB)》を封じ込める。

中 善弘
中 善弘

 ドローした《探検/Explore(WWK)》で土地を伸ばす中に対して、中村は《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs(ZEN)》を置いて、《壌土のライオン/Loam Lion(WWK)》を1体出すのみでターンを終える。《つぶやき林/Murmuring Bosk(MOR)》はサーチしてきてもアンタップできない様子だ。

 さらに《探検/Explore(WWK)》《不屈の自然/Rampant Growth(6ED)》とプレイした中の土地は一気に6枚に。
 一方でエンドに持ってきた《つぶやき林/Murmuring Bosk(MOR)》と引きこんだ《湿地の干潟/Marsh Flats(ZEN)》により、中村は一気に1マナクリーチャーたちを爆発させる。その内の1体を、中は《誘惑蒔き/Sower of Temptation(LRW)》でさらった。

 中村は《忘却の輪/Oblivion Ring(LRW)》で《誘惑蒔き/Sower of Temptation(LRW)》をどかして攻撃。
 地道にクリーチャーを展開してきた中村は何とかして中のライフを7点まで減らすことができた、このまま押し切れるのか・・・。

 しかし中はこのデッキのシークレットテクである必殺のサイドボードカードを引く。その名は《乱動の精霊/Roil Elemental(ZEN)》。
 中がフェッチランドを毎ターン置くと、中村のクリーチャーはみるみる内に《乱動の精霊/Roil Elemental(ZEN)》に引き込まれてしまう。
 そうしてほぼ全てのクリーチャーに裏切られた中村は、《乱動の精霊/Roil Elemental(ZEN)》をどうすることもできずに投了。
 まさに一瞬の嵐であった。

 これにより中は「パーフェクト・ストーム・中」になったのであった。

中村 1-2 中

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