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Round 14: 八十岡 翔太(東京) vs. 中村 修平(大阪)

Round 14: 八十岡 翔太(東京) vs. 中村 修平(大阪)

By Kenji Tsumura

Round 14

 勝てばトップ8、負ければ目なしという、所謂「崖」ラインで対峙することとなった二人のプレイヤー・オブ・ザ・イヤー(PoY)。

 2006年度のPoYである八十岡は何年も使いこんでいる「フェアリー」を、今回のグランプリに向けて脳内で改良してきたようだ。実際の練習時間は0だということだが、サイドボードには《ファイレクシアの十字軍/Phyrexian Crusader》のような独創的なカードが多く仕込まれており、その影響がどう出るかにも注目だ。

 対するは2008年度PoYの中村。世界各国を飛び回る中村は、その国際色豊かな交友関係を活かし、日本勢だけでなく、チェコのMartin Juzaたちとも調整を重ね、エクステンデッド版の「Caw-Blade」を作り上げ、ここまで健闘を続けている。


Game 1

 ダイスロールの結果、先攻は中村。今日のダイスロールにここまで全敗の八十岡は、さすがに不満を隠せないようで、少しばかり文句を言いながら初手を吟味する。

 すぐさまマリガンを宣言した中村に対し、八十岡はまずまずの7枚をキープ。

八十岡 「先手くれたら7枚引き直していいよ(笑)」

 などと和やかに会話をする二人ではあったが、中村が6枚の初手をキープし、一端ゲームが始めると空気は一変。お互いに真剣モードに切り替わる。

 《変わり谷/Mutavault》からゲームを始めた中村は、2ターン目には《島/Island》を置いて、早速《変わり谷/Mutavault》を起動してアタックを開始する。
 八十岡は《闇滑りの岸/Darkslick Shores》、《沈んだ廃墟/Sunken Ruins》と並べ、静かにターンを返す。

中村 修平
中村 修平

 ここで待望の白マナである《秘教の門/Mystic Gate》を引いた中村は、青マナ1つを浮かせて《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》をキャスト。これは八十岡の《マナ漏出/Mana Leak》に阻まれるが、余った青マナで《定業/Preordain》を唱え、手札の充実を図る。

 八十岡も3ターン目にして、ようやく能動的に動く。《人里離れた谷間/Secluded Glen》で《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》を公開し、中村のドロー後にこれをキャストした。それによって露になった中村の手札は、《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine》×2、《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》《変わり谷/Mutavault》《平地/Plains》。

 ここから《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》がライブラリーの底に送られるが、八十岡がフルタップの間に《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine》を通しておく。
 八十岡は《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》でアタックの後に《地盤の際/Tectonic Edge》をセットし、中村の《変わり谷/Mutavault》+《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine》プランを容易には許さない。

 これを受け中村は《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine》を付けずに、《変わり谷/Mutavault》を起動して普通にアタック。地味ながらコツコツとダメージを積み重ねる。

 相手の攻め手をうまく抑え込んだ形の八十岡は、《思考囲い/Thoughtseize》で手札をも攻める。中村は《マナ漏出/Mana Leak》でこれに応える。八十岡は3マナを支払うこともできたのだが、《地盤の際/Tectonic Edge》が使えなくなることを考慮して、この《マナ漏出/Mana Leak》を《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》でカウンターした。

 再び公開された中村の手札は、2枚目の《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine》と《平地/Plains》のみ。当然《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine》が取り除かれ、手札に有効牌がなくなってしまった中村は、《変わり谷/Mutavault》2枚を起動し、アタックを続ける。
 八十岡も《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》と《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》でアタックしただけでターンを終える。互いのライフはともに10だ。

 何かしら効果的なカードを引いた様子の中村は、このターンは《変わり谷/Mutavault》の起動を1体だけに留める。八十岡はそれを意に介した様子もなくアタックを決行。ここで中村が自身の《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》をキャストする。もしもカウンターされなければ、八十岡のダメージクロックは大幅に減少し、さらに手札を確認できる重要な一手だ。だが八十岡は《謎めいた命令/Cryptic Command》をもってこれを却下。ついでに中村の《天界の列柱/Celestial Colonnade》をバウンスし、中村の行動回数に制限をつける。

 中村はトップデックした《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》を戦場に加えるが、前のターンにバウンスされた《天界の列柱/Celestial Colonnade》をセットランドすると、手札は0枚。

 次のターンの中村のアップキープに唱えられた《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》に対し、対抗策を持たない中村は投了を宣言。

八十岡 1-0 中村

サイドボーディング

 注目は八十岡が行ったサイドボーディングだ。相手の《テューンの戦僧/War Priest of Thune》なども考慮し、《苦花/Bitterblossom》4枚全てをサイドアウトし、《ファイレクシアの十字軍/Phyrexian Crusader》を投入したのだ。

 エクステンデッドではあまり見かけることのないクリーチャーだが、「フェアリー」デッキの核とも言える《苦花/Bitterblossom》と入れ替えられたこのカードは、はたしてどれほどの活躍を見せてくれるのか?

Game 2

 再び中村の先攻でゲームが開始するが、今度は八十岡がワンマリガン。お互いに土地を置きあうだけのドローゴ―の展開が続くが、中村の土地が《島/Island》《変わり谷/Mutavault》×3と色マナに不安の残るスタートとなる。無色マナを起こしていてもブラフにもならないので、またも序盤から積極的に《変わり谷/Mutavault》で攻撃を仕掛ける中村。
 八十岡も自身の《変わり谷/Mutavault》でこれを相打ちとし、ダメージを最小限に食い止めつつ、中村が久しぶりに置いた有色ランドである《天界の列柱/Celestial Colonnade》は即座に《地盤の際/Tectonic Edge》で破壊と、1本目同様、中村に楽をさせない。

 土地が3枚しかない中村は、仕方なしに、といった様子でフルタップで《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine》をキャスト。
 これは無事に着地したのだが、返しのターンで八十岡の必殺兵器、《ファイレクシアの十字軍/Phyrexian Crusader》が戦場に現れてしまう。

八十岡 翔太
八十岡 翔太

 中村もなんとか《平地/Plains》を引き込み、《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》からの逆転を狙うのだが、いかんせん土地の総数に差がありすぎて思うように動けない。
 八十岡は2枚の《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》で中村の《マナ漏出/Mana Leak》と《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》を奪い去り、戦場にいた《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》も《誘惑蒔き/Sower of Temptation》で奪い取る。

 《変わり谷/Mutavault》に《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine》を付けて攻撃を続ける中村だが、裏切った《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》や《誘惑蒔き/Sower of Temptation》にチャンプブロックされ、攻撃が一切通らない。
 そしてその間にも八十岡の《ファイレクシアの十字軍/Phyrexian Crusader》が中村を蝕み、毒カウンターは早くも6つに。

 ここで追加の《ファイレクシアの十字軍/Phyrexian Crusader》をキャストし、ゲームを決めにかかる八十岡。ブロッカーとして《変わり谷/Mutavault》と《忍び寄るタール坑/Creeping Tar Pit》を用意しており、盤石の態勢を作り上げる。中村はどうしても《ファイレクシアの十字軍/Phyrexian Crusader》2匹を対処することができない。

 中村も《変わり谷/Mutavault》でチャンプブロックして時間を稼ぐものの、間もなくして、八十岡の秘密兵器が、主の12回目のグランプリトップ8を決めた。

八十岡 2-0 中村

 《ファイレクシアの十字軍/Phyrexian Crusader》について二人が試合後に話し合っていたので、そちらも記載しておこう。

中村 「Caw-Blade相手に本当に《ファイレクシアの十字軍/Phyrexian Crusader》入れるの?《誘惑蒔き/Sower of Temptation》で取られたらきつくない?」

八十岡 「《ファイレクシアの十字軍/Phyrexian Crusader》のいいところは《誘惑蒔き/Sower of Temptation》で取られても被害が少ないとこなんだよ。仮に1匹取られたとしても、そっちの《ファイレクシアの十字軍/Phyrexian Crusader》は感染のせいでほとんどアタッカーの役割しないじゃん。」

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