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Round 4: 八朔 人平(京都) vs. 永井 守(神奈川)

Round 4: 八朔 人平(京都) vs. 永井 守(神奈川)

By Yusuke Yoshikawa


 最大3回戦の不戦勝が明け、名だたるプレイヤーが登場する第4回戦。
 ここでは、プロツアー・闇の隆盛トップ4の永井 守に登場いただこう。
 対戦相手の八朔 人平も、日本選手権・Finalsのトップ8経験があるプレイヤーだ。

Round 4

「いま乗りに乗ってる永井さんじゃないですか」
 さっそく八朔がジャブを繰り出す。
「どうしんたんですかそのTシャツ」
 視線は永井がまとっているオレンジ色のTシャツに向く。
「いや、着てくれって頼まれて...」
 少し緊張をまとったその声に、永井の人柄が垣間見られる。

 誰しも初戦は緊張するもの。
 プロツアーサンデーを経て、凱旋初戦のマッチはいかに。


Game 1

永井 守

永井 守

 ダイスロールで勝利した永井が後攻を選択。互いにマリガンなく、ゲームがスタートする。

 八朔が《平地/Plains(M11)》《山/Mountain(ROE)》、永井が《森/Forest(ROE)》《島/Island(M11)》と並べるのみの序盤戦、開幕を告げたのは八朔の《自堕落な後継者/Rakish Heir(ISD)》、永井もこれに《片目のカカシ/One-Eyed Scarecrow(ISD)》で返す、八朔は《茜の狼/Russet Wolves(DKA)》を追加。

 永井はしばし考えたのち、《果樹園の霊魂/Orchard Spirit(ISD)》を出してから《茜の狼/Russet Wolves(DKA)》に《静かな旅立ち/Silent Departure(ISD)》でテンポを取りに行く。
 八朔は代わりに《スレイベンの純血種/Thraben Purebloods(ISD)》をキャストし、永井が《果樹園の霊魂/Orchard Spirit(ISD)》で先行する展開となった。永井は攻撃後に《エストワルドの村人/Villagers of Estwald(ISD)》を追加。

 八朔の《スレイベンの純血種/Thraben Purebloods(ISD)》の攻撃を少し考えてブロックせず、八朔は3/3バニラを戦場に送り直してターン終了。

 ほぼバニラの応酬が続く中、まず永井が盤面を動かしに行く。《魂を捕えるもの/Soul Seizer(DKA)》だ。
 しかしこれでフルタップになった永井に、八朔は《自堕落な後継者/Rakish Heir(ISD)》込みでフルアタック。永井は《自堕落な後継者/Rakish Heir(ISD)》を《片目のカカシ/One-Eyed Scarecrow(ISD)》で受け止めるのみとするが、これに《熟練の突き/Skillful Lunge(DKA)》が飛んできて、永井は守りを1枚失い6点ダメージ。八朔は戦闘後に2/3《暴動の小悪魔/Riot Devils(ISD)》を追加。

 永井は《果樹園の霊魂/Orchard Spirit(ISD)》と《魂を捕えるもの/Soul Seizer(DKA)》で攻撃し、《恐ろしい憑依/Ghastly Haunting(DKA)》によって《スレイベンの純血種/Thraben Purebloods(ISD)》を捕らえた。
 続く《甲冑のスカーブ/Armored Skaab(ISD)》から墓地に落ちた《群れに餌/Feed the Pack(DKA)》に、八朔がわずかに頷く。

 実質バニラの八朔の攻撃を、見た目上は受け止められている永井だが、これに手札2枚の八朔がフルアタック。対応を促すようにレッドゾーンに押しこむ。
 永井は首をひねりつつ、《自堕落な後継者/Rakish Heir(ISD)》を《エストワルドの村人/Villagers of Estwald(ISD)》で、《炉の小悪魔/Forge Devil(DKA)》を《甲冑のスカーブ/Armored Skaab(ISD)》でブロックし、《茜の狼/Russet Wolves(DKA)》の3点を通す。八朔はこれにトリックなし。3点のダメージと、《自堕落な後継者/Rakish Heir(ISD)》が実質交換になる。

 八朔は戦闘後、《狂気の残骸/Wrack with Madness(DKA)》を《エストワルドの村人/Villagers of Estwald(ISD)》にキャストして除去。土地を置いて、手札はゼロとなった。

 永井は突然死に注意しながら、《旅行者の護符/Traveler's Amulet(ISD)》で《平地/Plains(M11)》を持ってきつつ、《森林の捜索者/Woodland Sleuth(ISD)》で守りを固めて捕らえた《スレイベンの純血種/Thraben Purebloods(ISD)》と《果樹園の霊魂/Orchard Spirit(ISD)》で攻撃、押し返す。

 八朔は引いたカードを見て少し悩みながら、攻撃せずターンエンド。

 永井も応えるように、《果樹園の霊魂/Orchard Spirit(ISD)》のみで攻撃。そして《夜明けのレインジャー/Daybreak Ranger(ISD)》を追加。
 八朔はアクション無し。

 永井の《夜明けのレインジャー/Daybreak Ranger(ISD)》が《黄昏の捕食者/Nightfall Predator(ISD)》に変身するが、赤マナソースはない。
 ポーカーフェイスで待ち受ける八朔に、《スレイベンの純血種/Thraben Purebloods(ISD)》《果樹園の霊魂/Orchard Spirit(ISD)》そして《黄昏の捕食者/Nightfall Predator(ISD)》で攻撃。
 《村の鐘鳴らし/Village Bell-Ringer(ISD)》をブロック要員に追加した八朔は、《黄昏の捕食者/Nightfall Predator(ISD)》をダブルブロックで討ち取りつつ《スレイベンの純血種/Thraben Purebloods(ISD)》の致命的な一撃を受け止める。しかし思ったほどの戦果とは言いがたい。

 八朔は引いた《銀筋毛の狐/Silverchase Fox(ISD)》で《恐ろしい憑依/Ghastly Haunting(DKA)》を追放し、《スレイベンの純血種/Thraben Purebloods(ISD)》を取り返してはみるが、《果樹園の霊魂/Orchard Spirit(ISD)》への回答は得られないのだった。

八朔 0-1 永井


Game 2

八朔 人平

八朔 人平

 永井が緑青タッチ白、八朔が白赤ということが互いに知られたところで、両者は数枚のカードを入れ替えて第2ゲームに臨む。メインでは使わなかったカードを上手く扱うことも、シールド戦では小さくない要素だ。

「後手です、先手どうぞ」
 選択権を得た八朔が促して、第2ゲームがスタート。先攻となった永井がマリガン、八朔がキープ。
 まあまあ、といった顔で永井が6枚をキープ、《若き狼/Young Wolf(DKA)》からゲームが始まった。

 八朔はファーストアクションとなる第2ターン、少し考えて《物騒な群衆/Unruly Mob(ISD)》を送る。永井は《進化する未開地/Evolving Wilds(DKA)》から2枚目の《森/Forest(ROE)》を持ってくる。
 3色デッキとしてはやや異質の動きだが、{G}{G}を要求する呪文を感じさせる。

 続いて永井は《島/Island(M11)》から《甲冑のスカーブ/Armored Skaab(ISD)》。これで、《果樹園の霊魂/Orchard Spirit(ISD)》《ただれ皮の猪/Festerhide Boar(ISD)》と《夜明けのレインジャー/Daybreak Ranger(ISD)》に土地という、内容の濃い4枚が墓地に送られる。

 八朔は3枚目の土地を置くことができず、《銀筋毛の狐/Silverchase Fox(ISD)》をプレイしてターンを返す。
 一方の永井も攻撃には行かず、さきの3枚を利用して《首無しスカーブ/Headless Skaab(DKA)》(《ただれ皮の猪/Festerhide Boar(ISD)》を追放)を追加するのみ。
 八朔もメインで《村の鐘鳴らし/Village Bell-Ringer(ISD)》を追加。

 ここで、永井の《高まる残虐性/Increasing Savagery(DKA)》により、《首無しスカーブ/Headless Skaab(DKA)》が8/11というモンスターに変身。この攻撃を八朔はブロックせず8点を受ける。
 しかし、モンスターになったがゆえ、4枚目の土地を置いた八朔の《大物潰し/Smite the Monstrous(ISD)》に遭う。

 永井の《魂を捕えるもの/Soul Seizer(DKA)》はすぐに《小悪魔の遊び/Devil's Play(ISD)》X=3で対処し、次の戦力が《片目のカカシ/One-Eyed Scarecrow(ISD)》なのに対し八朔は《忠実な聖戦士/Loyal Cathar(DKA)》《自堕落な後継者/Rakish Heir(ISD)》と押し返す様相。

 永井がこれといった追加戦力を出せないまま、八朔はフラッシュバック《小悪魔の遊び/Devil's Play(ISD)》で《片目のカカシ/One-Eyed Scarecrow(ISD)》を除去、次のターンも何もない永井に対し《自堕落な後継者/Rakish Heir(ISD)》《銀筋毛の狐/Silverchase Fox(ISD)》、《忠実な聖戦士/Loyal Cathar(DKA)》をレッドゾーンに送る。
 永井は《若き狼/Young Wolf(DKA)》《甲冑のスカーブ/Armored Skaab(ISD)》で《自堕落な後継者/Rakish Heir(ISD)》をブロック、《自堕落な後継者/Rakish Heir(ISD)》が失われて《若き狼/Young Wolf(DKA)》が「不死」で2/2になり、4点が通る。

 永井は相手の戦力を削るべく《捕食/Prey Upon(ISD)》を狙うが、これに合わせ《不死の火/Fires of Undeath(DKA)》で「種」の《若き狼/Young Wolf(DKA)》が退場。徐々に永井に打つ手がなくなってくる。

 ここぞとばかりに押しこむ八朔。白い軍団がレッドゾーンを駆けて、さらに《町民の結集/Gather the Townsfolk(DKA)》。《甲冑のスカーブ/Armored Skaab(ISD)》1体のみでは支えるのは厳しいか。

 《閉所恐怖症/Claustrophobia(ISD)》で2/2《物騒な群衆/Unruly Mob(ISD)》は足止めするものの、単体への対応ではとても間に合わないのだった。

八朔 1-1 永井


 互いに交わすやり取りは少ないが、テンポよくゲームが進んでいくこのマッチ。
 第3ゲームを前に、八朔がタイマーを確認する。残り16分と十分のようだ。


Game 3

 先ほど同様に、永井が後手を選ぶ立ち上がり。
 八朔がすぐに、永井も少し考えてキープして幕が開いた。

 永井の《若き狼/Young Wolf(DKA)》、八朔の《物騒な群衆/Unruly Mob(ISD)》と、第2ゲームと似た立ち上がり。
 違うのは続きで、永井の《捕食/Prey Upon(ISD)》。これで《物騒な群衆/Unruly Mob(ISD)》を除去しつつ、《若き狼/Young Wolf(DKA)》が「不死」して2/2となる。
 八朔は《やじる悪鬼/Heckling Fiends(DKA)》を追加。永井は《若き狼/Young Wolf(DKA)》で攻撃を続ける。
 この《やじる悪鬼/Heckling Fiends(DKA)》には《処刑人の頭巾/Executioner's Hood(DKA)》が装備されて攻撃するが、永井の《静かな旅立ち/Silent Departure(ISD)》がテンポを阻害する。

 「高まる」のは永井だけではない、とばかりに《高まる献身/Increasing Devotion(DKA)》をキャスト。八朔がマスコットとして使っている、5の数字が書かれたイラストのカードが、5体の人間・トークンとしてテーブルに並ぶ。
 これに永井は2/2《若き狼/Young Wolf(DKA)》で攻撃、八朔の人間2体と交換。
 そして現れた5/5《ただれ皮の猪/Festerhide Boar(ISD)》だが、《狂気の残骸/Wrack with Madness(DKA)》が飛ぶ。ここには永井の《救助の手/Saving Grasp(DKA)》が差し伸べられるが、「陰鬱」が帳消しに。
 出し直された3/3《ただれ皮の猪/Festerhide Boar(ISD)》に向かって、再登場した《やじる悪鬼/Heckling Fiends(DKA)》の攻撃。手札1枚の八朔を見て永井はブロックを宣言するが、この1枚が《熟練の突き/Skillful Lunge(DKA)》。

 互いに薄いリソースの中、永井は《魂を捕えるもの/Soul Seizer(DKA)》で何とかしていきたいが、《処刑人の頭巾/Executioner's Hood(DKA)》がどうにもブロックの邪魔をする。
 追加された《壺のニブリス/Niblis of the Urn(DKA)》を見つつ、《魂を捕えるもの/Soul Seizer(DKA)》で攻撃。これがブロックされなかった結果、《やじる悪鬼/Heckling Fiends(DKA)》に《恐ろしい憑依/Ghastly Haunting(DKA)》する。
 そして2枚目の《魂を捕えるもの/Soul Seizer(DKA)》が登場。これで永井の手札もゼロ。

 それでも、永井の2枚目の《恐ろしい憑依/Ghastly Haunting(DKA)》が《壺のニブリス/Niblis of the Urn(DKA)》を奪い、《執拗なスカーブ/Relentless Skaabs(DKA)》が登場して、互いに手札を消耗しきって盤面が止まったかに見えた。

 しかし、その中で輝くリソースがあった。

 9枚目の土地を力強く置くと、八朔が墓地から《高まる献身/Increasing Devotion(DKA)》を提示してみせる。

 ギャラリーのどこからかわずかな悲鳴が聞こえ、永井も頭をひねってはみるものの、のべ15体の人間の力を前には、膝を屈するしかないのだった。

八朔 2-1 永井


「シールドとかいっぱいやってるんですか?」
 勝負の緊迫を抜け、八朔がフレンドリーに聞いた。
「PTQとかの練習で。でもこの環境はまだ3回しか...」
 緊張から解放された様子のある永井もそう答える。
「勢いのある人に勝ってしまった」
 八朔の言葉に、永井も苦笑いしながら、
「レア、強いですね」
「レア、強いねえ。使うためにこの色にしたよ」

 永井が八朔のトークンカードを指して言う。
「それ、いいですね」
「ありがとう。1個あげるよ」

 それまでに何のやり取りのなかった相手と、ゲームを通して交流できるのも、楽しみのひとつ。

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