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Round 5: 森 勝洋(東京) vs. Tzu Ching Kuo(台湾)

Round 5: 森 勝洋(東京) vs. Tzu Ching Kuo(台湾)

By Yusuke Yoshikawa


 会場のあちらこちらで、チームのトレードマークを背負ったTシャツが見られる中、世界王者の森 勝洋は、自身の店のカラーである赤で全身をコーディネイトしている。
 スリーブもきっちりと合わせて真紅が映える。

Round 5

 対戦相手のTzu Ching Kuoは台湾のプレイヤーで、いまの八十岡 翔太が「テゼレット愛」で知られるなら、こちらは「台湾のテゼレイター」、《求道者テゼレット/Tezzeret the Seeker(ALA)》使いとして名を馳せている存在だ。
 日本開催のグランプリとも縁が深く、2010年のグランプリ・横浜ではトップ8に入賞している。
 他にも近隣諸国から多くのプレイヤーが参じており、グランプリ・神戸は日本勢のみならず、アジア勢にとってもお祭りなのだ。


Game 1

 森が電光石火でマリガン。
 Kuoの《町民の結集/Gather the Townsfolk(DKA)》に、森が《旅行者の護符/Traveler's Amulet(ISD)》起動から《月桂樹の古老/Elder of Laurels(ISD)》を呼ぶ立ち上がりとなった。

 《平地/Plains(M11)》3枚のKuoから送りこまれた《礼拝堂の霊/Chapel Geist(ISD)》を前に、森はしばし考えると《地獄乗り/Hellrider(DKA)》をキャスト、攻撃せずにターンを返す。
 Kuoは《壁の守部/Warden of the Wall(DKA)》をキャスト、しかし4枚目の土地を置けない。

 《森/Forest(ROE)》《森/Forest(ROE)》《山/Mountain(ROE)》《山/Mountain(ROE)》《平地/Plains(M11)》と準備万端のマナソースから、《炉の小悪魔/Forge Devil(DKA)》で人間・トークンの1体を取り除くと、《月桂樹の古老/Elder of Laurels(ISD)》《地獄乗り/Hellrider(DKA)》を攻撃に送る。
 《月桂樹の古老/Elder of Laurels(ISD)》を眺めながら、Kuoはブロックせずの意思表示、すると森はここに《吠え群れの飢え/Hunger of the Howlpack(DKA)》。「陰鬱」も満たして、《地獄乗り/Hellrider(DKA)》が6/6になって8点のダメージがKuoに。
 戦闘後に《ソンバーワルドのドライアド/Somberwald Dryad(DKA)》が追加される。
 これで手札を使い切った森、カバレージのカメラに向けて自身の名札を掲げてポーズを取る余裕も。

森 勝洋

森 勝洋

 Kuoは《声無き霊魂/Voiceless Spirit(ISD)》を追加するが、まだ2色目の土地を引けない模様。
 さらに森が《流血の呪い/Curse of Bloodletting(DKA)》をKuoにエンチャントして力をためる。

 次に襲い来る攻撃を考えたか、かなり諦め顔のKuo。《霧のニブリス/Niblis of the Mist(DKA)》で《地獄乗り/Hellrider(DKA)》をタップしてみるが、満を持した森のフルアタック、まず《地獄乗り/Hellrider(DKA)》のダメージが2倍でまず8点。Kuoも最善のブロックにより《ソンバーワルドのドライアド/Somberwald Dryad(DKA)》と《炉の小悪魔/Forge Devil(DKA)》は討ち取る。

 Kuoは小さく首を振ってターンを返す。
 その中にあっても、直前にさり気なく置いた《沼/Swamp(ROE)》から、《地獄乗り/Hellrider(DKA)》《月桂樹の古老/Elder of Laurels(ISD)》のどちらかの生け贄を要求する《飢えへの貢ぎ物/Tribute to Hunger(ISD)》をプレイして、簡単には土俵を割らない。

 しかし追加の《ウルヴェンワルドの熊/Ulvenwald Bear(DKA)》が「陰鬱」付き、さらに《小村の隊長/Hamlet Captain(ISD)》が出てくるにあたって、Kuoは静かにカードを片付けた。

森 1-0 Kuo


Game 2

Tzu Ching Kuo

Tzu Ching Kuo

「Draw?」
 と森がKuoに確認して、Kuoがうなずいて後攻とする第2ゲーム。
 森の第2ターン《若き狼/Young Wolf(DKA)》からゲームの幕が開いた。Kuoは《壁の守部/Warden of the Wall(DKA)》を。

 森は《軽蔑された村人/Scorned Villager(DKA)》を送り込むが、そこには《遠沼の骨投げ/Farbog Boneflinger(DKA)》が飛んでくる。森がここで手を止めてしまうと、Kuoは《未練ある魂/Lingering Souls(DKA)》からそのままフラッシュバック、一気に盤面を取りにかかる。

 しかし、この世界王者が単に手をこまねいているわけがなかった。ターン終了時に《茨群れの頭目/Briarpack Alpha(DKA)》を送り込むと、アンタップを経て《マルコフの大将軍/Markov Warlord(DKA)》をキャスト、《遠沼の骨投げ/Farbog Boneflinger(DKA)》のブロックを不可にして一気に高打点で襲い掛かる。

 Kuoも《遠沼の骨投げ/Farbog Boneflinger(DKA)》とスピリット2体で殴り返しつつ、《礼拝堂の霊/Chapel Geist(ISD)》と《壁の守部/Warden of the Wall(DKA)》で守りを固める。

 森はかまわずフルアタック。《吠え群れの頭目/Howlpack Alpha(ISD)》が《礼拝堂の霊/Chapel Geist(ISD)》と《壁の守部/Warden of the Wall(DKA)》でダブルブロックされ、《マルコフの大将軍/Markov Warlord(DKA)》をスピリットがチャンプブロック。
 ブロックが宣言された後、森はまずブロックに参加していないスピリットを《収穫の火/Harvest Pyre(ISD)》で墓地に送り、「陰鬱」を満たした上で《吠え群れの飢え/Hunger of the Howlpack(DKA)》で《茨群れの頭目/Briarpack Alpha(DKA)》に複数ブロックに耐えうる力を与えようとする。

 しかし、Kuoもこれに合わせて《夜の犠牲/Victim of Night(ISD)》で除去。わずかに首をひねる森に、《茨群れの頭目/Briarpack Alpha(DKA)》は狼だからこれの対象になるよとばかりに、ジェスチャーで伝える。
 返すKuoのフルアタックに、森は《マルコフの大将軍/Markov Warlord(DKA)》への《蜘蛛の掌握/Spidery Grasp(ISD)》で迎え撃とうとするが、ここには《大物潰し/Smite the Monstrous(ISD)》が。

 これにて攻守が完全に逆転。
 《若き狼/Young Wolf(DKA)》がブロックに回らざるを得なくなり、Kuoが《絞首台の守部/Gallows Warden(ISD)》を追加したところで、森はカードを片付けた。

森 1-1 Kuo


Game 3

 今度は先攻を取った森が、再び《旅行者の護符/Traveler's Amulet(ISD)》でゲームの幕を開ける。
 《沼/Swamp(ROE)》2枚で静かにターンを返すKuoに、森はまず《片目のカカシ/One-Eyed Scarecrow(ISD)》。これには一瞬驚いたようなリアクションを返したKuoだが、戻って《霧のニブリス/Niblis of the Mist(DKA)》を送る。

 そして森のデッキが唸り始める。まず《月皇ミケウス/Mikaeus, the Lunarch(ISD)》、X=3、そして《月桂樹の古老/Elder of Laurels(ISD)》という打点を高める強力カードが、戦場を支配にかかる。
 Kuoも《霧のニブリス/Niblis of the Mist(DKA)》のクロックを遅らされてはいるが、《エルゴードの審問官/Elgaud Inquisitor(DKA)》を出しつつ、森の《月桂樹の古老/Elder of Laurels(ISD)》には《死の愛撫/Death's Caress(DKA)》で主導権を完全には渡さない。

 森は4つ目のカウンターを載せた《月皇ミケウス/Mikaeus, the Lunarch(ISD)》が自らアタック、Kuoは《エルゴードの審問官/Elgaud Inquisitor(DKA)》でチャンプブロックして2点のライフを得つつ、トークンを得る(ただし0/1)。森は次いで《流血の呪い/Curse of Bloodletting(DKA)》で次なる大打撃を見据える。
 Kuoは《町民の結集/Gather the Townsfolk(DKA)》で横に並べる戦略を続行。

 ここで森は手札から、イニストラードのチェックリスト・カードを明かす。その真実は、小型の飛行クリーチャーが多いKuoには致命的とも見える《夜明けのレインジャー/Daybreak Ranger(ISD)》。
 しかしKuoも自らのターンに《突然の消失/Sudden Disappearance(DKA)》をキャスト、森の1ターンの守りを封じるのみならず、《月皇ミケウス/Mikaeus, the Lunarch(ISD)》を結果として除去してみせる。

 これで大きく勢いを削がれた森だが、《夜明けのレインジャー/Daybreak Ranger(ISD)》は健在。何もせずにターンを返し、《黄昏の捕食者/Nightfall Predator(ISD)》がスピリットを喰らい始める。
 Kuoも黙ってはいない。すぐに《死の重み/Dead Weight(ISD)》《遠沼の骨投げ/Farbog Boneflinger(DKA)》と連打し、力づくで《黄昏の捕食者/Nightfall Predator(ISD)》を排除し、続くターンには《銀爪のグリフィン/Silverclaw Griffin(DKA)》を送る。

 森はこの《銀爪のグリフィン/Silverclaw Griffin(DKA)》を《収穫の火/Harvest Pyre(ISD)》で焼きつつ、《ただれ皮の猪/Festerhide Boar(ISD)》を5/5で。
 Kuoは《未練ある魂/Lingering Souls(DKA)》を表裏で。しかし、《片目のカカシ/One-Eyed Scarecrow(ISD)》がその力を大幅に奪っている。

 森は《マルコフの大将軍/Markov Warlord(DKA)》をプレイして一気呵成の攻撃。さらに《夜明け歩きの大鹿/Dawntreader Elk(DKA)》を追加。

 盤面をまとめたはずが、《流血の呪い/Curse of Bloodletting(DKA)》のおかげで一気にライフを攻められ、かといって守るトークンのパワーは足りず、Kuoは首をひねりながらもカードをたたむことになった。

森 2-1 Kuo

「カカシ、超強かったね」
 終了後に、森が笑って言う。
 その言葉のとおり、第3ゲームは開幕の《片目のカカシ/One-Eyed Scarecrow(ISD)》が存分に力を発揮した形である。

 しかしそれだけでは決してない。
 《収穫の火/Harvest Pyre(ISD)》から《ただれ皮の猪/Festerhide Boar(ISD)》5/5につなげたターン、それ以前から森は《収穫の火/Harvest Pyre(ISD)》の使いどきを待っていた。
 1ターン我慢したところに、Kuoが焦ったわけではなかろうが、《銀爪のグリフィン/Silverclaw Griffin(DKA)》を出した。これが絶好の餌となってしまったわけだ。

 本人の着ている服やイメージ、さらに今日は緑赤白という押せ押せのデッキカラーではあるが、抑えるところはきっちり抑えている。内に秘めた緩急が強さのゆえんなのだろう。

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