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グランプリ・神戸12

読み物

準々決勝: 北原 寛章(和歌山) vs. 長岡 崇之(東京)

By Yusuke Yoshikawa  頂上まで、あと少し。  それでも、これが二人にとって「初戦」であることには変わりない。  決勝ドラフトを経て、手にした今大会4種類目のデッキ。新鮮な気持ちと、どこか探りながらの不安、リミテッド戦ならではの興奮と緊張があるだろう。 QF北原 寛章(和歌山) vs. 長岡 崇之(東京)  北原 寛章は和歌山のプレイヤーで、今回同時にトップ8入賞を果たした行弘 賢が勤める『マナソース』でよくプレイしているとのこと。気心知れている仲であるようで、上手く行けば決勝まで当たることはない組み合わせである以上、ワンツーフィニッシュを狙っているだろう。  一方の長岡 崇之は東京から。とはいっても長らく大阪のコミュニティで活動してきたプレイヤーで、よくプレイする場所として今回Tシャツを着ている『CARDSHOP晴れる屋』(東京)だけではなく、大阪の『アメニティドリームなんば店』を挙げている。  その意味では、関西圏で行われるこのグランプリ・神戸も勝手知ったるものかもしれない。  地に足をつけて、最初の決戦に挑む。
Game 1
 ダイスロールに勝った長岡が先攻、互いに一呼吸でキープしてゲームが始まった。  長岡の《チフス鼠》に対して、北原が《アヴァシンの巡礼者》で応える立ち上がり。  北原の《ソンバーワルドのドライアド》を見て、長岡は攻撃の手を止める。  これに対し、北原は少し考えた後に《ウルヴェンワルドの神秘家》を、長岡も《神聖を汚す者のうめき》でまだ並べる序盤。  北原が自分のターンにアクションなく、《ウルヴェンワルドの神秘家》が《ウルヴェンワルドの根源》に変身。長岡は3色目を予感させる《ゆらめく岩屋》から《要塞ガニ》でさらに守りを固める。  ここで、北原は《ウルヴェンワルドの根源》と《ソンバーワルドのドライアド》で攻撃。準・フルタップの長岡は、5/5《ウルヴェンワルドの根源》にトリックを打たれて守りが崩壊する危険性をよしとせず、《ソンバーワルドのドライアド》の方を《要塞ガニ》でブロック、5点を受けた。  最初にして剣ヶ峰。  双方のプレイヤーに慎重さが見える。  長岡はゾンビ・トークン2体で殴り返し、《幻影の掌握》で《ウルヴェンワルドの根源》を《ウルヴェンワルドの神秘家》として送り返して時間を得る。  これを唱え直すのみの北原に対し、長岡は《魂を捕えるもの》で追撃。北原の《血に狂った新生子》の上を通りぬけ、《ウルヴェンワルドの根源》に《恐ろしい憑依》する。  北原が《血に狂った新生子》のチャンプアタックから《墓耕しのワーム》を8/8で送り込むが、長岡はさも当然のように《夜の犠牲》。  《猛火の松明》を構える万全の体制に対し、マナソースを引きすぎてしまった北原は、淡々と土地を片付けた。 北原 0-1 長岡
Game 2
QF北原 寛章
北原 寛章
「先攻で」  北原がそう告げて、互いにマリガンなくゲームがスタートする。  《アヴァシンの巡礼者》までは先ほどと同じだったが、そのマナから現れた第2ターン《エストワルドの村人》がゲームの風雲急を告げる。  長岡は《秘密を掘り下げる者》を送り込み、これが殴りかかってきた《アヴァシンの巡礼者》と相討ちになったところまではよかった。  しかしここで北原の追加が2枚目の《エストワルドの村人》。よりによって、長岡は3枚目の土地を置けず、呪文もキャストすることができない。  突如として戦場に夜の帳が下り、《エストワルドの村人》は《エストワルドの吠え群れ》として、長岡の命を刈り取るべく活動を開始する。  1ターン遅れてきた感のある《》から、《縫い合わせのドレイク》をキャストしてはみたものの、やはりあの1ターンが致命的。  まいったなという表情で、長岡はわずかなパーマネントをまとめて、マッチはあっという間に最終戦へ。 北原 1-1 長岡
Game 3
QF長岡 崇之
長岡 崇之
 小声でキープを告げた長岡に、北原は慎重に考え、同じようにキープを宣言する。  まず主導権を取ったのは北原。おなじみの《アヴァシンの巡礼者》でダッシュして、今回は《紅蓮心の狼》を送り込む。  長岡は2点の攻撃を受けた第3ターン、北原のターン終了時の《禁忌の錬金術》がファーストアクション。土地2枚と《グール起こし》が墓地に送られる。  これを餌として、ゾンビからゾンビが生まれる。つまり《縫い合わせのドレイク》。  しかし、《紅蓮心の狼》はその能力でブロックをかいくぐり、《アヴァシンの巡礼者》は土地とあわせて《ホロウヘンジのゴミあさり》の召喚を可能にする。  長岡はこれらを迎え撃つべく、《要塞ガニ》をキャストして、《縫い合わせのドレイク》をブロックに残した。  北原のターン。  互いに土地は4枚で、手札は5枚程度、土地が詰まり気味で、逆に内容は充実していそうだ。  北原は《もつれ樹》を送り込んで、《紅蓮心の狼》《ホロウヘンジのゴミあさり》《アヴァシンの巡礼者》で攻撃。  《紅蓮心の狼》の能力が大威張りの状況で、長岡はこのパーマネントを対処すべく《縫い合わせのドレイク》《要塞ガニ》でブロック。《ホロウヘンジのゴミあさり》《アヴァシンの巡礼者》が長岡を傷つけ、《紅蓮心の狼》《もつれ樹》が揃って+1/+1カウンターを得る。  長岡はライフが厳しくなる前に、《紅蓮心の狼》を対処したい。《月鷺》をキャスト。  北原は、《アヴァシンの巡礼者》を攻撃させるか悩むが、結局全軍をレッドゾーンへ。長岡は当面の目的を果たすべく《縫い合わせのドレイク》《要塞ガニ》で《紅蓮心の狼》をブロックするが、《蜘蛛の掌握》が幸便でなかなか退場してくれないうえ、《縫い合わせのドレイク》を失い、《もつれ樹》が3/3に。  じりじりと追い詰められる長岡は、《チフス鼠》《秘密を掘り下げる者》と数を並べてなんとか対抗する。  《紅蓮心の狼》(2/2)を《月鷺》《秘密を掘り下げる者》で、《ホロウヘンジのゴミあさり》を《チフス鼠》《要塞ガニ》でブロックしてそれぞれを1対1交換に収めるのだが、それまでの傷が深い。  北原は《血に狂った新生子》《ウルヴェンワルドの神秘家》と、パラパラと並べるように戦場を賑やかす。  どうにも絶対数が足りない。  ライブラリにカードを立てるように、引いたカードを覗く長岡。  しかしそれが解答である可能性は高くないと予見していたようで、しばしの確認の思考ののち、「負けました」の言葉とともに頭を下げ、北原もそれにならって「ありがとうございました」と礼を述べて、日本の思考ゲームらしく幕が引かれたのだった。 北原 2-1 長岡
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RESULTS

対戦結果 順位
15 15
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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