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準々決勝: 渡辺 雄也(神奈川) vs. 平賀 優宏(神奈川)

準々決勝: 渡辺 雄也(神奈川) vs. 平賀 優宏(神奈川)

By Jun'ya Takahashi


QF渡辺 雄也(神奈川) vs. 平賀 優宏(神奈川)

渡辺 「このトップ8ではモリカツ(森 勝洋)と同じくらいゾルゲ(平賀の愛称)には当たりたくなかった。」

 『町田CityGames』。伊藤 敦(まつがん)の引っ越しを機に結成され、町田駅周辺に来訪するプレイヤー達が集った新チームだという。渡辺も平賀もそのメンバーの一員であり、日々切磋琢磨して"実力"を磨いているのだと語ってくれた。

 しかし、この渡辺の発言の意図は「チームメイトである平賀と争いたくなかった」という微笑ましい友情によるものではないことは明記しておく。渡辺曰く、平賀は癖の強いメンバーの中でも圧倒的なパフォーマンスを誇っていることは明らかであり、俺はそれを誰よりもよく知っているのだ、と。

 今大会においてもその実力を如何なく発揮して、予選ラウンドで2回の『遅刻によるゲームロス』を経験しながらも余裕綽々とトップ8に駒を進めている。

渡辺 「何が起こるか分からない。ゾルゲとの対戦はそんなワンダーに満ち溢れているんだ。」

 今や最強の一角に名を連ねる渡辺 雄也を恐れさせる程のプレイヤー。平賀が生み出すワンダーワールドからは目が離せない。


Game 1

渡辺 雄也

渡辺 雄也

 渡辺がダイスロールで先手を取り、お互いに仲良く1回ずつのマリガンを挟んでゲームが始まった。渡辺は《沼/Swamp》から《墓所這い/Gravecrawler(DKA)》を、平賀は《平地/Plains》から《教区の勇者/Champion of the Parish(ISD)》を戦場に繰り出していく。

 あわやスタンダードのマッチアップかと思う取り合わせだが、渡辺が《グリセルブランドの信奉者/Disciple of Griselbrand(ISD)》を追加したことで戦場に限定戦の匂いが増した。

 平賀は《宿命の旅人/Doomed Traveler(ISD)》で《教区の勇者/Champion of the Parish(ISD)》を成長させて攻撃を開始し、《声無き霊魂/Voiceless Spirit(ISD)》を追加した。

 その返しのターンに渡辺の表情が曇りはじめた。土地が《沼/Swamp》3枚だけで止まってしまったのだ。均等に呪文が入った赤黒のデッキをドラフトした渡辺は、《吸血鬼の侵入者/Vampire Interloper(ISD)》を追加して平賀とすれ違いのダメージレースを決行することにした。

 平賀の3体による攻撃を受けとめて、こちらも同様に《墓所這い/Gravecrawler(DKA)》と《吸血鬼の侵入者/Vampire Interloper(ISD)》で攻撃し返す。打点で少し劣っているものの、いざとなれば《グリセルブランドの信奉者/Disciple of Griselbrand(ISD)》が数点の差を埋めてくれるだろう。あくまでも《山/Mountain》を引くまでなのだ。赤い呪文がプレイできれば、現状の平賀の勢力は特に恐れるようなものではない。

 そんな渡辺の作戦を打ち砕いたのが戦闘中にプレイされた平賀の《深夜の出没/Midnight Haunting(ISD)》だった。出てきたスピリット・トークンが《吸血鬼の侵入者/Vampire Interloper(ISD)》を受けとめて、ブロックに参加できない《墓所這い/Gravecrawler(DKA)》は問題ないと本体で受けとめる。

 そして、諦めたようにターンを返した渡辺に対して、平賀は《アヴァシン教の僧侶/Avacynian Priest(ISD)》と《無私の聖戦士/Selfless Cathar(ISD)》を展開する。2体の人間が場に出たことで倍のサイズに成長した《教区の勇者/Champion of the Parish(ISD)》と《声無き霊魂/Voiceless Spirit(ISD)》で攻撃された渡辺のライフはわずかしか残らない。

 次のドローを確認した渡辺は、飛行クリーチャーも《教区の勇者/Champion of the Parish(ISD)》も止まらないことを確認すると、静かに次のゲームの為にカードを片づけた。

渡辺 0-1 平賀


Game 2

平賀 優宏

平賀 優宏

 再び先手を宣言して、慎重に7枚の初手を開いていた渡辺。その内容は、またもや《山/Mountain》が含まれていないものの、2枚の《流城の隊長/Stromkirk Captain(DKA)》が含まれた吸血鬼デッキらしいものだった。

 不安は残るが文句はない。渡辺はハッキリとした口調でキープと宣言した。

 2ターン目に《吸血鬼の侵入者/Vampire Interloper(ISD)》を出して《山/Mountain》を求める。だが、3ターン目までに《山/Mountain》を引くことはかなわず、次なる一手は《黒猫/Black Cat(DKA)》という何とも中途半端なもの。

 平賀は《宿命の旅人/Doomed Traveler(ISD)》から戦線を構築し、3ターン目には《深夜の出没/Midnight Haunting(ISD)》で《吸血鬼の侵入者/Vampire Interloper(ISD)》を迎え撃った。

 ここで吸血鬼を失っては手札に眠る《流城の隊長/Stromkirk Captain(DKA)》の価値も半減である。それを防ぐために渡辺は《死せざる邪悪/Undying Evil(DKA)》で、《吸血鬼の侵入者/Vampire Interloper(ISD)》を救い出す。

 地上は《宿命の旅人/Doomed Traveler(ISD)》で止められているため効果は小さいが、渡辺は《マルコフの上流階級/Markov Patrician(ISD)》を追加して《流城の隊長/Stromkirk Captain(DKA)》の登場を待つ。

 それを見てまだ深刻な場でないと判断した平賀は、《宿命の旅人/Doomed Traveler(ISD)》に《同族の呼び声/Call to the Kindred(DKA)》を張ってアドバンテージの拡大を試みる。

 しかし、そこでタイミング良く《山/Mountain》を引きこんだ渡辺が《流城の隊長/Stromkirk Captain(DKA)》を展開したことで一気に局面が渡辺に傾いた。

 

 平賀は《流城の隊長/Stromkirk Captain(DKA)》のテキストを読んで先制攻撃が全ての吸血鬼に付加されることを確認し、ブロックが効果的でないことからその攻撃を全て本体で受けとめる。

 続くターンにも2枚目の《流城の隊長/Stromkirk Captain(DKA)》をプレイした渡辺は、一気に平賀の盤面を突き崩した。《同族の呼び声/Call to the Kindred(DKA)》の効果で《エルゴードの審問官/Elgaud Inquisitor(DKA)》と《宿命の旅人/Doomed Traveler(ISD)》が捲られていたため、チャンプブロックも含めて平賀に与えられた時間は少なくとも3ターンはあるが、それでも身を守るリソースには限りがある。この状況を打破する手段が必要だ。

 《戦慄の感覚/Feeling of Dread(ISD)》で2ターンをやり過ごし、《邪悪の排除/Spare from Evil(ISD)》で1ターンを稼ぐ。

 《夜の歓楽者/Night Revelers(ISD)》も加わって強化された渡辺の軍勢を、ライフが2になるまで受けとめて逆転の芽を探した平賀は、ついに解答策へとたどり着いた。

 《ガヴォニーの鉄大工/Gavony Ironwright(DKA)》である。

 ライフが5以下の時、自分がコントロールするクリーチャーに+1/+4の修正を与えるこのクリーチャーの登場で、一気に戦場の局面は逆転した。この効果で強化された《エルゴードの審問官/Elgaud Inquisitor(DKA)》で攻撃し、絆魂で3点回復して窮地のリミットラインである5にまでライフを引き上げる。

 ここからは平賀の独壇場だ。

 《同族の呼び声/Call to the Kindred(DKA)》から次々と後続が供給され、空からスピリット・トークンが20以上もあった渡辺のライフをちくちくと蝕んでいく。

 あれほど圧倒的であった戦場が一気に逆転していた。渡辺は信じられないように頭を振り、平賀が展開する摩訶不思議な現象に完全に飲み込まれてしまった。

QF渡辺 雄也(神奈川) vs. 平賀 優宏(神奈川)盤面

 しかし、この劇的な逆転を演出しているのはたった一枚の《ガヴォニーの鉄大工/Gavony Ironwright(DKA)》であることを渡辺は知っている。平賀のワンダーワールドはたった1枚の除去で崩壊するのだ。

 ゆっくりと減っていくライフを確認しながら渡辺はジッと除去呪文を待つ。

 あと何枚引くチャンスがあるのだろうか。

 平賀の飛行クリーチャーの数に気を配りながらじっと逆転の為に耐え忍ぶ。

 まだ4ターンは残されているだろう。

 早く除去を!!

 そんな渡辺の希望を吹き飛ばしたのは1枚のソーサリーだった。

 魔法のように一瞬で戦場から消え去った渡辺の軍勢を見届けると、平賀は猶予の時間を与えること無く無慈悲に10点以上ものライフを削りきった。

渡辺 0-2 平賀

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