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【観戦記事】 第10回戦:後藤 祐征(愛知) vs. 増門 健太(新潟)

【観戦記事】 第10回戦:後藤 祐征(愛知) vs. 増門 健太(新潟)

By 小山 和志

 さあ、グランプリ2日目の開幕だ! 日本のグランプリとしては史上最大級、2270人のプレイヤーが参加した初日から、2日目は243人へと絞らた。ここ2日目の会場に集った猛者たちにとって、初日を突破した、という安堵感はもはや一晩限りのもの。それは過去のこととして、トップ8入賞、そしてその先に見えるグランプリ王者の称号を目指して熾烈な戦いを繰り広げていく。

 その、上位入賞に最も近い全勝テーブルの中から、英語版カバレージチームも注目している独特なデッキを操る後藤 祐征(愛知) と、増門 健太(新潟)の試合をお届けする。昨日の成績も重要だが、それは過去のこと。今日の成績次第で、トップ8名に入れるかどうかが決まるのだ。初日全勝ということもあって両者は比較的和やかな雰囲気ではあるが、その中にピリッとした緊張感が混じり、試合が開始された。


全勝対決、後藤 祐征(写真左) と、増門 健太(写真右)

ゲーム1

 ダイスロールの勝利で先手を得た増門は7枚をキープする。後藤は初手を見ると少し考えて、息をフーッと吐いてマリガンを決めた。お互いのファーストアクションは後藤の後手1ターン目、《オパールのモックス/Mox Opal(SOM)》から、《マナの合流点/Mana Confluence(JOU)》、《大霊堂のスカージ/Vault Skirge(NPH)》とスタート。《大霊堂のスカージ/Vault Skirge(NPH)》でなんとなく親和だとはわかるが、果たして《マナの合流点/Mana Confluence(JOU)》とは一体どんなカードが飛び出してくるのだろうか。

 増門は《神無き祭殿/Godless Shrine(GTC)》、《黄昏のぬかるみ/Twilight Mire(EVE)》から《漁る軟泥/Scavenging Ooze(M14)》が初動、見たところオーソドックスな黒緑タッチ白デッキのようだ。

 後藤は《アーティファクトの魂込め/Ensoul Artifact(M15)》を《オパールのモックス/Mox Opal(SOM)》につけて一挙6点を叩きこむ。増門はこの5/5を前に、《未練ある魂/Lingering Souls(DKA)》でブロッカーを確保する。このトークンを前に後藤は右手でコツコツと台を叩いて計算しながら、トークンを乗り越えるためのプランを練る。選んだのは《オパールのモックス/Mox Opal(SOM)》での単体アタック、増門はスルーで残りライフが8と一桁まで落ち込む。

 そして、そのまま後藤がキャストしたのは《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》! これに面食らったのか、増門も返しのターンで少考する。もはや1点のライフも惜しいが、フェッチを切って《森/Forest(M15)》を持ってくると(残りライフ7)、まず《未練ある魂/Lingering Souls(DKA)》フラッシュバックでブロッカーを確保、そのままクリーチャーを全て立ててエンドする。

 増門は《黄昏のぬかるみ/Twilight Mire(EVE)》と《森/Forest(M15)》を立てているため、《突然の衰微/Abrupt Decay(RTR)》を構えていることも考えられるだろうか。後藤は少考し、「《漁る軟泥/Scavenging Ooze(M14)》がキツイですね......」とポツリと漏らすと、《オパールのモックス/Mox Opal(SOM)》に《頭蓋囲い/Cranial Plating(5DN)》を装備してアタック、増門はトークン1体を自らのライフを守る盾とする。

 増門は、後藤の手札が空であることを確認すると、《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil(ISD)》で生け贄を強制させる。これには《大霊堂のスカージ/Vault Skirge(NPH)》が墓地へと送られる。だが、プレインズウォーカーなんかには構っていられないと、後藤は《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil(ISD)》を無視して、《羽ばたき飛行機械/Ornithopter(M11)》、《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》、《オパールのモックス/Mox Opal(SOM)》でプレイヤーへと一挙に進軍する。

 増門が何かしらの除去を打てれば場は一変するのだが、トークンでチャンプブロックを繰り返すことしかできない。すると、後藤は《アーティファクトの魂込め/Ensoul Artifact(M15)》をトップデッキして《羽ばたき飛行機械/Ornithopter(M11)》に《頭蓋囲い/Cranial Plating(5DN)》を装備してフルアタック。どうブロックしたところで、増門が生き残るには5点のライフでは足りないのであった。

後藤 1-0 増門

後藤 祐征

ゲーム2

 再び先手は増門、後藤が再びのマリガン。そっと更なる6枚を見ると、静かにキープを示す。増門は《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs(ZEN)》から《神無き祭殿/Godless Shrine(GTC)》と3点を支払い、《思考囲い/Thoughtseize(THS)》で後藤の手札を確認する。

 その内容は、

  • 《羽ばたき飛行機械/Ornithopter(M11)》
  • 《メムナイト/Memnite(SOM)》
  • 《彩色の星/Chromatic Star(10E)》
  • 《アーティファクトの魂込め/Ensoul Artifact(M15)》
  • 《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel(M15)》
  • 《マナの合流点/Mana Confluence(JOU)》

 というもの。ここで、《アーティファクトの魂込め/Ensoul Artifact(M15)》をディスカードさせた増門は2、3ターンと《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》を連続で送り出し、早期決着をもくろむ。

 苦しい後藤は《彩色の星/Chromatic Star(10E)》でドローを進めるが、初手の内容から追加アクションは無し。次のターンに全く同じアクションをとって、ドローしたカードを見ると早くも「負けました」と投了を示した。

後藤 1-1 増門

増門 健太

ゲーム3

 後藤が最終ゲームにして待望の先手を獲得するが、みたびマリガンに陥ってしまう。意を決してキープしたが、重要な第1ターンは《バネ葉の太鼓/Springleaf Drum(BNG)》を出すのみでエンドする。

 返す増門は《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek(ROE)》で動きの鈍い後藤の手札を丸裸にする。

  • 《彩色の星/Chromatic Star(10E)》
  • 《鞭打ち炎/Whipflare(NPH)》
  • 《感電破/Galvanic Blast(SOM)》
  • 《アーティファクトの魂込め/Ensoul Artifact(M15)》

 手札確認を終えた増門は《鞭打ち炎/Whipflare(NPH)》のディスカードを選択し、《漁る軟泥/Scavenging Ooze(M14)》を連打、さらに《未練ある魂/Lingering Souls(DKA)》で陸と空から後藤を攻め立てる。後藤も《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》をプレイし、ひとまず地上は止めることには成功するのだが、いかんせん上空のトークンが止まらない。

 その状況に追い打ちをかけるように、増門の手札から2枚目の《未練ある魂/Lingering Souls(DKA)》。1/1トークンの群れがじわじわと後藤のライフをむしばんでいく。

 後藤も《爆片破/Shrapnel Blast(MMA)》で《漁る軟泥/Scavenging Ooze(M14)》を除去し一矢は報いるのだが、スピリットの大群が止まらない以上は事態を好転させることまではできない。

 希望を込めた《アーティファクトの魂込め/Ensoul Artifact(M15)》が《大霊堂のスカージ/Vault Skirge(NPH)》ごと《突然の衰微/Abrupt Decay(RTR)》されてしまうと、結局そのまま大量のトークンが空から後藤のライフを0にしたのだった。

後藤 1-2 増門
増門 健太Win!

 試合後惜しくも敗れた後藤に、どのようにデッキがこの形にたどり着いたのか聞いてみたところ、意外な答えが返ってきた。いわく「実はこのデッキのスタートはドメインZooなんですよ」とのことだった。敗北を喫してしまったため、多くは語らなかったが、ここはまだ1敗ライン。そのオリジナルの愛機で上位入賞する可能性はまだまだ残されている。

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