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【観戦記事】 第9回戦:藤本 岳大(大阪) vs. 市川ユウキ(神奈川)

【観戦記事】 第9回戦:藤本 岳大(大阪) vs. 市川ユウキ(神奈川)

By 宮川 貴浩

 初日最終戦。2日目に向けてはずみをつけ、トップ8に残るためにもなんとしても1敗で踏みとどまりたい2人の強豪がぶつかり合う。

 その風貌から『アジカン』の愛称で親しまれる藤本は、BIG MAGICとも契約を交わしている確かな実力者。対する市川は、先日Team Cygamesの一員となった、今や日本を代表するプロプレイヤーだ。

 デッキ選択は、藤本がアタルカ・レッド。藤本は、アブザン・アグロに対しても不利なデッキではないと考えている。ただ、とにかく先手を取ることが重要で、サイド後の後手でアブザン・アグロに勝利するのは至難の業だと語る。

メイン最強とも言われるアタルカレッドだが、サイドボードでは対策をされやすい。対策の対策は可能なのか?

 市川は、アブザン・アグロに勝てるようにチューンしたという《僧院の導師/Monastery Mentor(FRF)》入りエスパーを使用。ここまで全てアブザン・アグロに当たったとのことだが、その結果この場にいるということが、市川の確かな分析力を物語っている。

発表当初から打点の高さが話題にはなっていたものの、スタンダードでは通好みといった立ち位置の《僧院の導師/Monastery Mentor(FRF)》。本大会で一気に主役へと躍り出るか。

 トッププレイヤーたちが、マークの厳しいアブザン・アグロの使用を避けているのが印象的な今大会。常に一歩先をゆくその構築力の片鱗が、本マッチでも見られることだろう。

ゲーム1

 先手を取った藤本は、《僧院の速槍/Monastery Swiftspear(KTK)》から《ケラル砦の修道院長/Abbot of Keral Keep(ORI)》とつなげ、果敢コンビでロケットスタートを切る。

 これをなんとか捌きたい市川は、《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn's Prodigy(ORI)》をキャスト。このジェイスこそ生き残るものの、藤本は《軍族童の突発/Hordeling Outburst(KTK)》で果敢を誘発させつつアタックし、市川のライフにプレッシャーをかける。


軽快に呪文を唱え、電光石火の速攻を仕掛ける藤本

 市川は《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn's Prodigy(ORI)》で《苦い真理/Painful Truths(BFZ)》を捨てる。そして、戦場に送り出したのは、本デッキの主役《僧院の導師/Monastery Mentor(FRF)》。

ほとんどの場面で3枚ドローとなる《苦い真理/Painful Truths(BFZ)》は強力だが、このマッチではライフ損失が痛い。

 しかし、藤本にとってこれは脅威にならない。《アタルカの命令/Atarka's Command(DTK)》で果敢を誘発させながら本体に3点のダメージを与え、さらに全体強化まで行うと、あっという間に試合が決まった。

藤本 1-0 市川

ゲーム2

 速やかにサイドボーディングを終えた市川。各マッチアップにおけるサイドプランも、十分に練りこんであるのだろう。

 互いにワンマリガンでのスタートとなったゲームは、再び藤本の《僧院の速槍/Monastery Swiftspear(KTK)》で動き始める。

 対して市川が戦場に送り出したのは、《道の探求者/Seeker of the Way(KTK)》。果敢を誘発させながらライフゲインをしたいところだが、これは即座に《焦熱の衝動/Fiery Impulse(ORI)》で除去される。

 すかさず《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn's Prodigy(ORI)》を追加した市川だったが、これも《引き裂く流弾/Rending Volley(DTK)》によって焼かれてしまう。

攻撃してきた《龍王オジュタイ/Dragonlord Ojutai(DTK)》も1マナで対処できてしまうこのカード。打ち消しもシャットアウト!

 市川は《強迫/Duress(DTK)》で藤本の手札を確認しつつ《究極の価格/Ultimate Price(DTK)》で《僧院の速槍/Monastery Swiftspear(KTK)》を除去。そして、「これは強いよ」と言いながら、引いてきた《アラシンの僧侶/Arashin Cleric(FRF)》を出して息を吹き返したかに見えた。


真剣そのものの表情で、それでいて実に楽しそうにプレイをする2人

 だが、藤本はこれすらも《焙り焼き/Roast(DTK)》で排除し、ブロックへの参加を許さない。次いで変異でプレイした《棲み家の防御者/Den Protector(DTK)》を「大変異」し、《僧院の速槍/Monastery Swiftspear(KTK)》を回収する。

 市川は2枚目の《究極の価格/Ultimate Price(DTK)》で《棲み家の防御者/Den Protector(DTK)》を討ち取り、《僧院の導師/Monastery Mentor(FRF)》で巻き返しを図る。


ベストの回答を探し続け、反撃の糸口をつかもうとする市川

 しかし、ここで無情にも藤本から放たれたのは、《弧状の稲妻/Arc Lightning(KTK)》。これには、市川も「悩んだ末のプレイだったが、《弧状の稲妻/Arc Lightning(KTK)》は裏目だった」と試合後に語った。

 とうとう市川の場にクリーチャーがいなくなってしまうと、藤本の《ケラル砦の修道院長/Abbot of Keral Keep(ORI)》の能力でめくれた《僧院の速槍/Monastery Swiftspear(KTK)》が戦場を駆け抜け、市川は「アジカンにリライトされたー!」と悔しそうにカードをたたんだ。

藤本 2-0 市川


 随所に工夫の見て取れた両者のデッキ。強者の勝ち残った2日目で結果を出すのは、アブザン・アグロか、対アブザン・アグロを意識したデッキか。いや、全く新しいデッキかもしれない。使用者の意図も推測しながら、ぜひその目で確かめてみてほしい。

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