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【観戦記事】 準々決勝:中村 修平(大阪) vs. 諸藤 拓馬(福岡)

【観戦記事】 準々決勝:中村 修平(大阪) vs. 諸藤 拓馬(福岡)

By 矢吹 哲也

 二度あることは三度ある、とはよく言われるが、それをそのまま体験することになるとは筆者も思っていなかった。「アタルカ・レッド」を操る諸藤 拓馬が、決勝ラウンドでまたもや「エスパー・ドラゴン」とマッチアップしたのだ。

 思わず彼に今大会エスパー・ドラゴンと何度当たったか尋ねたが、なんとカバレージに取られた2回と、これから戦う準々決勝のみだと言う。まったくの偶然だが、そのすべてに立ち会うことになったのだ。

 しかし、フィーチャー席で次々と「エスパー・ドラゴン」を狩ってきた諸藤だが、ここで立ちはだかる「エスパー・ドラゴン」は、とてつもない大物だ。無論、これまでの2戦もいずれ劣らぬ強敵との戦いだったわけだが、しかしそれでも、中村 修平が出てくるとあっては、決勝ラウンドに相応しい盛り上がりを感じずにはいられない。

 中村はこれでグランプリ・トップ8入賞27回目。そして、現在グランプリ優勝7回で、カイ・ブッディ/Kai Budde、渡辺 雄也と並び世界トップタイ。マジックの歴史に名前を刻む大記録を生み出す、チャンスがやって来た。

それぞれのデッキ

 決勝ラウンドでは試合開始前に5分間お互いのデッキリストを見ることができるのだが、諸藤は英語で書かれたデッキリストに苦戦。見かねたジャッジが「お互いのデッキを実際に交換しても良い」と申し出るが、「そこまでするのは悪いなあ」と何故かここで遠慮する。

 諸藤は、決勝ラウンドの空気さえも緩ませた。百戦錬磨の中村も、次第に諸藤のペースに巻き込まれていった。


諸藤の軽快なトークで賑やかにゲームが始まる。頂点を目指せるのは、どちらかひとり。

ゲーム展開

 予選ラウンドを上位で抜けた諸藤が先手で開始。「アタルカ・レッド」としては大きなアドバンテージになるだろう。「マリガンすると厳しくなりますよ」と中村が言うが、「大丈夫です! マリガンしないです!」と返し、初手を見てもう一度、「マリガンしないです!」と元気にキープした。

 対する中村は手札を吟味し、冷静にマリガンを宣言。入念にシャッフルしたのちの6枚にも少考するが、「やります」と占術を行い、ライブラリー・トップのカードを底へ送った。

 1ターン目に《稲妻の狂戦士/Lightning Berserker(DTK)》を送り出した諸藤は、2ターン目《ドラゴンの餌/Dragon Fodder(ORI)》と快調な滑り出し。中村はそこへ《強迫/Duress(DTK)》を差し向け、《アタルカの命令/Atarka's Command(DTK)》を取り去る。

 土地が2枚で止まった諸藤は《ケラル砦の修道院長/Abbot of Keral Keep(ORI)》を含めてデッキを掘り進めるが、《山》の姿は見えない。動きが詰まったところへ中村は《破滅の道/Ruinous Path(BFZ)》を撃ち込み《ケラル砦の修道院長/Abbot of Keral Keep(ORI)》を退場させるものの、ゴブリンの群れと《稲妻の狂戦士/Lightning Berserker(DTK)》の攻撃を受けた。

 ついに土地を引いた諸藤は《軍族童の突発/Hordeling Outburst(KTK)》を唱え、中村は相手の盤面にゴブリンが増えるのを止められない。続く攻撃にライフも心許ないものになり、ドローにも活路を見い出せないまま、中村はカードを片付けた。


「エスパー狩りの達人」諸藤 拓馬。

 2ゲーム目、見るなり「すっげえ酷いハンド」と言い放つほどの初手に、諸藤は「ちょっと考えます」と宣言。

......宣言、したのだが、彼はその直後に「やります!」と笑顔を見せた。どこまで本当なのか、と中村も苦笑しきりだ。

 果たして、初手をキープした諸藤から飛び出したのが、1ターン目《鐘突きのズルゴ/Zurgo Bellstriker(DTK)》、2ターン目《ドラゴンの餌/Dragon Fodder(ORI)》と「すっげえ酷い」とは到底言えない動き。中村も2ターン目《アラシンの僧侶/Arashin Cleric(FRF)》で対抗するが、諸藤は除去からの攻撃で押していく。

 さらに《ドラゴンの餌/Dragon Fodder(ORI)》を追加して《稲妻の狂戦士/Lightning Berserker(DTK)》を「疾駆」で繰り出した諸藤は、猛烈に中村を攻め立てた。中村は《僧院の導師/Monastery Mentor(FRF)》を展開してターンを渡す。立っている土地は1枚。諸藤の攻撃で残りライフは5点。

 なんとか5マナに届いた中村は《命運の核心/Crux of Fate(FRF)》で盤面を一掃するが、しかし諸藤の攻め手は尽きていない。《ドラゴンの餌/Dragon Fodder(DDG)》、《僧院の速槍/Monastery Swiftspear(KTK)》と続けて唱え、盤面を回復させた。


諸藤の波状攻撃に苦しみながらも、冷静に立ち向かう中村。

 中村は2枚目の《僧院の導師/Monastery Mentor(FRF)》に最後の守りを託す。諸藤はトークン軍団に《稲妻の狂戦士/Lightning Berserker(DTK)》を加え、さらに《ケラル砦の修道院長/Abbot of Keral Keep(ORI)》を繰り出した。

 そして《ケラル砦の修道院長/Abbot of Keral Keep(ORI)》がもたらしたのは――

 再三にわたり諸藤の攻め手を支えた優秀な除去が、ここでもまた勝利への道を拓いたのだった。

諸藤 拓馬が2連勝で中村 修平を下し、準決勝へ!

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