By Masashi Koyama

　通常、グランプリのテキストフィーチャーに呼ばれたプレイヤーには、確認のために名前を紙に書いてもらっているのだが、数々のグランプリ上位入賞を果たしており、独特のキャラクターに定評のある藤村和晃にもお願いしたところ、名前以外にそれぞれの役割(？)まで丁寧に書き添えてくれた(チームメイトである手取康太と清水洋佑は渋っていたが)。

　「老人」とはまた藤村らしくないと感じながらも、筆者は藤村より年上である手前、なんだか複雑な気分になってしまったのは言うまでもない。

チーム藤村(老人)/手取(リーダー)/清水(エース) vs.チーム日比野/ナカムラ/阿嘉

　それはともかくとして、ここまで彼らは２敗とプレイオフが狙える好位置につけており、対戦相手が現れた瞬間、空気が一気に引き締まる。

　現れたのは日比野泰孝/ナカムラジュンヤ/阿嘉俊介と、それぞれが全てグランプリトップ８入賞経験のある愛知の強豪チームだ。

　特に阿嘉はワールド・マジック・カップ2013代表の座を勝ち取ったこともあり、この３人は間違いなく愛知を代表するチームと言える。

　デッキのシャッフルが終わり、お互いの健闘を祈り各対戦相手と握手を行う。

チーム藤村/手取/清水(左側)とチーム日比野/ナカムラ/阿嘉(右側)

　２敗を維持しトップ４への希望を残すのはどちらのチームになるのか。

Ａ卓 ゲーム１

　青赤の呪文重視のデッキを操る藤村が先手をゲットし、《稲妻織り》でスタートを切る。

　日比野は《不屈の聖戦士》から《捨て身の歩哨》《近野の巡礼者》と繋げ、藤村は《ヴィルディン群れの除けもの》を追加し、互いにクリーチャーを並べ合う序盤戦。

　日比野は《ヴィルディン群れの除けもの》を《神聖な協力》で討ち取り、《稲妻織り》は《苦渋の破棄》で処理する。

　藤村は日比野のクリーチャーを《粗暴な協力》と《流電砲撃》で討ち取るが、《不屈の聖戦士》《近野の司祭》の忘れ形見であるスピリット・トークンが止まらない。

　単体除去が多い藤村のデッキではこの小粒な軍勢を全て処理し切ることができず、日比野がそのまま押し切る形となった。

藤村 0-1 日比野

Ａ卓 ゲーム２

　日比野が《グール呼びの共犯者》《ガヴォニーの不浄なるもの》《捨て身の歩哨》と並べ、藤村の《猛々しい狼》を《エムラクールの加護》で除去しダメージを通していく立ち上がり。

　藤村は《嵐乗りの精霊》で《グール呼びの共犯者》を一方的に討ち取り、《狂乱した仔》を並べるが、徐々に巨大化する《ガヴォニーの不浄なるもの》の処理がままならない。

　藤村は《血の霧》で《嵐乗りの精霊》に二段攻撃を持たせ攻撃。６点クロックを用意し、ダメージレースを挑むが、日比野は《シガルダ教の僧侶》で藤村の攻撃をストップさせる。

　藤村は日比野の小粒なクリーチャを適宜除去していくのだが、そのせいで６/８となった《ガヴォニーの不浄なるもの》が止まらない。

　藤村は出すクリーチャーをチャンプブロッカーとして使い捨て要員とせざるを得ず、日比野の前に膝を屈する形となった。

藤村 0-2 日比野

まずはチーム日比野/ナカムラ/阿嘉が先勝

Ｃ卓 ゲーム１

　序盤は阿嘉の《不憫なグリフ》に清水が苦労させられる展開。

　《処刑者の板金鎧》を《不屈の聖戦士》に装備しダメーレジレースを挑もうとするも、《直接射撃》で討ち取られ、逆に阿嘉が《巧妙なスカーブ》《ぼろぼろの憑依者》と展開し、クロックを増大させる。

　《信仰持ちの聖騎士》を召喚し《巧妙なスカーブ》と相討つも、阿嘉はさらに《逸脱した研究者》を召喚、盤面を完全に掌握する。

　清水はこれらに対処し切ることができず、まずは阿嘉が１本目を勝ち取った。

清水 0-1 阿嘉

Ｃ卓 ゲーム２

　阿嘉の《首絞め》《歓喜する信者》という早い展開に対し、清水が《群れの守護獣》《信仰持ちの聖騎士》とサイズで上回るクリーチャーを並べる展開。

　清水は阿嘉が召喚した《不憫なグリフ》を《翼切り》で撃ち落とし、そのままサイズ差を武器に攻め続け、阿嘉のライフを５まで落とし込む。

　が、耐えに耐えた阿嘉がここで大技を繰り出す。

　《壌土のドライアド》でタッチカラーの赤マナを捻り出すと、《ナヒリの怒り》で４枚の手札を捨て、清水のクリーチャーを全滅させる！

　そしてさらに《厄介な船沈め》で《過去との取り組み》を回収し、後続として《不憫なグリフ》を回収した上で、反撃の狼煙を上げる。

　清水は《悪鬼を縛る者》しか追加戦力を用意することができず、手札が充実する阿嘉は《過去との取り組み》で再利用した《不憫なグリフ》を召喚し（《邪悪の使者》を生け贄）、完全に盤面を掌握する。

チーム藤村/手取/清水は苦しい展開に

　阿嘉は残りライフを鑑み、いったんは攻撃を思いとどまるも、清水が後続を用意しないのを確認し《引きずり込み》で《悪鬼を縛る者》をバウンスし、一気に寄り切ったのだった。

清水 0-2 阿嘉

チーム日比野/ナカムラ/阿嘉 Win!