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グランプリ・名古屋2014

観戦記事

第15回戦:春日 亮佑(千葉) vs. 中井 直(京都)

By Sugiki, Takafumi

 長かった予選ラウンドも、この第15回戦をもって終了となる。ここまで12勝2敗、このラウンドの勝利によりトップ8入りが確定するバブルマッチのうちの一つ、中井と春日の対戦をお届けしよう。

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 中井は2012年、渡辺雄也、高橋優太、田中陽とともに、ワールド・マジック・カップの日本代表として日の丸を背負って戦ったメンバーの1人である。一方の春日も本日最後に残った全勝者として、今大会を最上位で駆け抜けてきた。

ゲーム1

 先手の中井が2ターン目に《闘技場の競技者》を出した返しのターン、春日は遅刻してきた《苛まれし英雄》を出してターンを終了する。

 中井は3ターン目、《闘技場の競技者》を攻撃に送り出しターンを終了。対する春日も《苛まれし英雄》で攻撃した後に《ニクス生まれの幻霊》を場に出してターンを終える。

 中井は4ターン目、《一つ目峠のサイクロプス》を場に出して、相手に回答を求める。春日の回答は《死の国の重み》。《一つ目峠のサイクロプス》を除去した後に、《苛まれし英雄》と《ニクス生まれの幻霊》で攻撃し、中井のライフは14となる。

 ターンを迎えた中井、5枚の土地をタップして《目ざといアルセイド》を《闘技場の競技者》に授与して攻撃。春日のライフも14になる。対する春日はドローの後、おもむろに《苛まれし英雄》と《ニクス生まれの幻霊》を《目ざといアルセイド》つきの《闘技場の競技者》に突っ込ませる。ここで中井は少考の後、さすがにブロックするのはリスクが高いとみて攻撃を通し、ライフが10になる。春日は《信条の戦士》を盤面に追加し、何かあれば次で決着を付けられる体制を整えてターン終了。

 ここで迎えた中井の6ターン目はビッグターン。《雷の粗暴者》で春日に選択を迫り、春日は速攻をつけることを選ぶ。当然《雷の粗暴者》が《闘技場の競技者》と共に攻撃し、春日のライフは14から5へと一気に危険水域に落ち込む。

 対する春日も《苛まれし英雄》、《ニクス生まれの幻霊》、《信条の戦士》のすべてのクリーチャーで攻撃し、中井のブロック宣言を待つ。中井は、自らの残り10点のライフ、これまでの相手の行動といった判断材料から、どのクリーチャーをブロックするかを悩む。

 春日がおそらく持つであろうインスタントスペルは何なのか? 《エレボスの加護》か、《胆汁病》のような除去なのか? はたまた別のカードなのか。

 覚悟を決めた中井は、《闘技場の競技者》で《苛まれし英雄》をブロック。

 ここで春日の持っていたカードは、《殺し屋の行動》。《苛まれし英雄》と《信条の戦士》を対象にし、《苛まれし英雄》の英雄化誘発、《信条の戦士》の英雄化誘発により、中井のライフは一気に2に。対する春日のライフは14となり、ここまでのダメージレースを一気にひっくり返す。

 これで中井は自身のライフを守らなければいけない立場となり、《ニクス生まれのお調子者》をつけた《目ざといアルセイド》のみで攻撃。《雷の粗暴者》はブロッカーとして立たせたままにする。

 それに対して春日は4/4の《信条の戦士》のみを攻撃に送り出す。《雷の粗暴者》がブロックをしたところで、春日は《胆汁病》で《雷の粗暴者》を弱体化させ、場のプレッシャーを残し続ける。

 《信条の戦士》への回答を見つけ出さないといけない中井であったが、ここで《パーフォロスの激怒》をトップデック!なんとか脅威を取り除くも、さらに春日は《巨体の狐》を追加する。中井はこの《巨体の狐》へ対処するカードを用意することができず、1ゲーム目の勝者は春日となった。

春日 1-0 中井


春日 亮佑
ゲーム2

 再び先手を選択した中井が《性急な太陽追い》を2ターン目にプレイするところからゲームがスタート。続く《天馬の乗り手》は春日の《胆汁病》に討ち取られる。

 春日が《悪魔の皮のミノタウルス》、《アショクの心酔者》を出して《アショクの心酔者》が《ケラノスの稲妻》に除去されるというやりとりが続く中で、《性急な太陽追い》がコツコツと春日のライフを刻み続ける。

 5ターン目、春日は《アクロスの木馬》を中井にプレゼントし、1/1のトークンでゆっくりと攻撃の体制を整えようとするのに対して、中井は《石殴りの巨人》を盤面に追加してそのような悠長な構えを許さない体制だ。

 春日はその《石殴りの巨人》に対して、《死の国の重み》をエンチャント。《悪魔の皮のミノタウルス》で止められるサイズにして攻撃を許さない。

 このまま《性急な太陽追い》の攻撃以外何もないターンが過ぎた後、春日はおもむろに《悪魔の皮のミノタウルス》、1/1トークンで《アクロスの木馬》、《石殴りの巨人》に突っ込んでいく。1体の1/1トークンは《石殴りの巨人》にブロックされるも、春日はプレイヤーに通ったトークンに対して《戦士の教訓》をプレイしドローを掘り進める。

 中井はブロッカーが無くなったので《石殴りの巨人》を《性急な太陽追い》とともに攻撃に参加させる。ここまでコツコツと殴ってきたおかげもあり、春日のライフは10まで落ち込んでいる。中井は《洗い流す砂》で1/1トークンの群れをいったん取り除き、時間を稼いでいく。対する春日が盤面に効果的なクリーチャーを出せない一方、中井は待望の追加クリーチャー、《天馬の乗り手》を引き込む。《性急な太陽追い》は相変わらず攻撃し、春日のライフは9。これで、飛行での3点クロックで3回攻撃すればちょうど春日のライフが0となる計算だ。

 ここでようやく春日も《巨体の狐》を引き込み、攻撃の体制を整えられたが、いかんせん飛行のダメージクロックへの回答になっているわけではない。

 《天馬の乗り手》、《性急な太陽追い》が攻撃し、春日のライフは6。対して、春日は《巨体の狐》が攻撃するもまだまだ中井のライフは0には程遠い。次の《天馬の乗り手》、《性急な太陽追い》の攻撃時、中井は《天馬の乗り手》に《戦識の武勇》を唱え、6点のダメージで春日のライフを削りきった。

春日 1-1 中井


中井 直
ゲーム3

 泣いても笑っても、このゲームの結果でトップ8へ進出できるかが決まる。先手の春日が2ターン目に《ニクス生まれの幻霊》をプレイ。対して、中井は土地を置くのみで立ち上がりが遅い。春日は4ターン目に《信条の戦士》を出して《ニクス生まれの幻霊》で攻撃。中井のライフは16となる。

 中井は《ケラノスの稲妻》で《信条の戦士》を除去、これ以上《ニクス生まれの幻霊》に殴られるのは耐えられないと、《ニクス生まれのお調子者》をブロッカーとして出しターンを終える。

 春日は《ニクス生まれのお調子者》に対して、やや贅沢に《古代への衰退》を打ち《ニクス生まれの幻霊》の攻撃を通しに行く。これで中井のライフは14。対する中井は《国境地帯のミノタウルス》を出してとりあえず攻守の交代を狙うも、春日の手札からはそれを上回る《巨体の狐》が登場。

 中井はそんな《巨体の狐》はお構いなしと《国境地帯のミノタウルス》で攻撃。明らかに手札に《巨体の狐》を仕留めるインスタントがあるようだ。春日もそれを察知し、変なリスクは負わないようにということでその攻撃をブロックせず、春日のライフは16に。中井は《一つ目峠のサイクロプス》を盤面に追加し、《巨体の狐》への回答とする。

 春日は《巨体の狐》と《一つ目峠のサイクロプス》の交換は問題無いと、ノータイムで《巨体の狐》と《ニクス生まれの幻霊》で攻撃。《巨体の狐》と《一つ目峠のサイクロプス》が相打ちし、トランプルダメージと《ニクス生まれの幻霊》のダメージで、中井のライフは8。さらに盤面に出てきたのは《巨体の狐》2号機。春日の攻撃は全く緩まない。

 中井は《国境地帯のミノタウルス》にて再び攻撃し、春日も再びそれをブロックしない。春日のライフも12とだいぶ落ち込み、さらに中井は《天界の執政官》を盤面に投入。ダメージレースに必死に食らいついていくも、厳しいことには間違いない。

 春日は《巨体の狐》2号機で攻撃をする。《天界の執政官》でブロックをしていてはジリ貧なので、中井はそれをスルー、ライフが2となる。春日は《セテッサの英雄、アンソーザ》を盤面に加え、予選ラウンド最終ゲームは最終局面を迎える。

 中井は最後の望みをかけたドロー。しかし、有効なカードを引き込むことはできず、静かに右手を差し出した。

春日 2-1 中井

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