By Masashi Koyama

　お互いに「初めて」尽くしのグランプリ決勝ドラフトで、ともに満足の行く出来のデッキを組み上げ、準々決勝の階段を上り、準決勝にたどり着いた浅井郁哉と竹内亮太。ここまでの経験がさらなる「初めて」を掴む糧となるはずだ。

　だが、「初めて」のグランプリ決勝戦に進めるのは残念ながら勝者のみ。

　ここまで16回もの激闘を戦い抜いてきた２人が準決勝で火花を散らす。

　さあ、グランプリの17ラウンドを始めよう！「初めて」のグランプリ王者まであと２つ。

　ここまで幾多ものマッチをこなしてきた彼らにとって「初めて」のグランプリ準決勝の戦いの結果は、いかに。

決勝戦へ進む座をかけて竹内と浅井が闘志を燃やす

ゲーム１

　浅井の先手でゲームがスタート。お互いにマリガン無くゲームが開始され、浅井の《ヴァラクートの発動者》を竹内が《闇の掌握》で除去する立ち上がり。

　浅井の《攻性エルドラージ》に対し、竹内は《棘撃ちドローン》から《威圧ドローン》《不快な集合体》。３マナで土地がストップしてしまったとはいえ、優れたクリーチャーを次々展開しダメージを積み重ねる。

　マナが伸びている浅井は《溶滓のへリオン》を出し、続くターンに《空間の擦り抜け》からの《巨岩投下》で《棘撃ちドローン》を除去と、マナを活かして手数とサイズで盤面を押し戻す。

　竹内は《鞭打ちドローン》《空の探索者》《ヴァラクートの捕食者》とクリーチャーを次々と唱え、浅井のリードを許さない。

　浅井は《遺跡潜り、ジョリー・エン》から《攻性エルドラージ》で攻撃。ブロックした《不快な集合体》を《凶暴な力》で相討ち、ドローを進めつつブロッカーを排除するが、引けども引けども土地が手札に集まるばかりで、クリーチャーを展開できない。

　そして、対照的にマナスクリューに苦しんでいたついに竹内はついに土地を引き始める。

　《ヴァラクートの捕食者》から《忘却の一撃》で《遺跡潜り、ジョリー・エン》を葬り一気にフルアタック。

　手札に多くの土地と《エルドラージの寸借者》しかない浅井を一気に寄り切った。

竹内 1-0 浅井

１本目を落とし、気合を入れて２本目に臨む浅井

　サイドボードの最中、両者の手を見ると微かに震えているのがわかる。しがないプレイヤーだった筆者には、初めてグランプリの決勝ラウンドを戦う彼らのプレッシャーは想像すらできない。

　落とすことのできない２ゲーム目へ、浅井が深く息を吐いて椅子に座り直した。

ゲーム２

　浅井が《ウマーラの絡め捕り》から《攻性エルドラージ》で先手を取る。

　竹内の《鞭打ちドローン》を前に、浅井は手札の《ヴァラクートの発動者》と《粗暴な排除》の選択から《粗暴な排除》で《鞭打ちドローン》を除去。ライフレースの先行を選び、ダメージを与えていく。

　一方、今回は土地を順調にセットしている竹内は《エムラクールの名残》と《怒りの具象化》から、一気に攻撃に出る。

　《嵐追いの魔道士》と《ゴブリンの自在駆け》を追加し、土地がフルタップの浅井に総攻撃を仕掛け、一気に10点を削り取ると、《多勢》で《ゴブリンの自在駆け》を、《闇の掌握》で《ウマーラの絡め捕り》を葬り、クロックを一気に減少させる。

　さらに竹内は浅井の《溶滓のへリオン》を《忘却の一撃》で追放し、続くターンにフルアタック。

　 《嵐追いの魔道士》だけでは盤面を支えきれず、浅井は「ありません」と投了の意を示し、天を仰いだ。

見事に決勝戦進出を果たした竹内

竹内 2-0 浅井

竹内亮太が決勝戦進出！