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【観戦記事】 第9回戦:中村 修平(東京) vs. 山上 雄大(佐賀)

【観戦記事】 第9回戦:中村 修平(東京) vs. 山上 雄大(佐賀)

by Tomohiro Kaji

 このイベント会場は7時半に開場したはずだったのに、何故か21時を過ぎても未だに熱気が冷めない。

 それもそのはず、グランプリ・名古屋本戦の最終戦ラウンドを前にし、二日目に進出できるかが次で決まるプレイヤーが大量に発生しているからだ。

 このハードルさえ越えればば、あと7回戦、上手く行けばさらに3回戦、賞金やプロポイント、プロツアーの権利がかかった緊張感あるゲームが楽しめる。

 だがしかし、それが叶わないならば、明日は本戦の隔離されたプレイスペースには足を踏み入れることは許されない。

 そんな崖っぷちの2敗ラインを覗いてみると、知った名前がちらほらあがる。

 この中村 修平もその一人だ。


中村 修平

「おい、殿堂プレイヤーならもっと頑張れよ!」と、読者の皆さんに代わって軽く伝えておいたのだが、あいにくマジックはそう簡単に勝たせてくれるゲームではないらしく、表情から読み取るにこれ以上は冗談でも言わないべきだろう。

 初日の最終戦を勝てば二日目、負ければ...これは想像以上に辛いものなのだ。

 そこへ現れた対戦相手の山上。

 両者は軽く挨拶を交わし、ゲームを始める儀式のように、恒例のダイスロールで先手後手を決めてゲームを開始した。

ゲーム1

 先攻を選んだ山上に、中村 は「ここヤソだったら、絶対に『今日1-5だよー』とぼやいてるよ。」と、ダイス運の無さをつぶやく。

 この環境らしく《草むした墓/Overgrown Tomb(RTR)》らギルドランドをタップ状態で並べることで始まり、後手の中村が《遥か見/Farseek(RAV)》で土地の数を逆転させることでゲームは加速する。

 中村が更なるマナソースとなり得る《アヴァシンの巡礼者/Avacyn's Pilgrim(ISD)》をキャストすれば、マナ差を開きたくない山上が即《突然の衰微/Abrupt Decay(RTR)》し、1ターン遅れた《遥か見/Farseek(M13)》経由の《血の墓所/Blood Crypt(DIS)》で3色目を明らかにした。

 では《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells(DKA)》は? と、中村が攻撃的なアクションに出れば、速攻《雷口のヘルカイト/Thundermaw Hellkite(M13)》で殴り合い上等と、山上も率先してダメージレースを始める。

 お互いにどちらも譲らぬゲーム展開に、見ている側もついていくのがやっとだ。

 だが、そのまま変身したばかりの《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells(DKA)》に山上が《戦慄掘り/Dreadbore(RTR)》を唱えたところでゲームのバランスが崩壊する。

r9_dreadbore.jpg

 環境のキーカードである中村の《修復の天使/Restoration Angel(AVR)》がこのタイミングで刺さり、除去が不発な上に狼トークンとライフのおまけ付きと、戦場は悲惨な状況に一挙陥ってしまった山上。

 しかも後続が続かず、パーマネントの数はここのところ増えていない。

 明滅で人間に戻り、また変身し直しす《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells(DKA)》に、ブロッカーとして立たされた《雷口のヘルカイト/Thundermaw Hellkite(M13)》はいい的だ。

 手札をたくさん抱えていた山上だったのだが、中村の全軍突撃に苦い顔をしての投了となってしまった。

中村 1-0 山上

ゲーム2

山上 雄大

 改めて先攻を選んだ山上だが、ゲームを始める前に手札とにらめっこを始める。残された時間は約40分、まだまだ考える時間はある。

 最後の1ゲームになりかねない初手の7枚をキープするのには慎重にならざるを得ないのだろう。

 色マナが無いのか、はたまた手札が重いのか、軽すぎるのか、眉をひそめてキープ宣言した山上に対し、中村は笑顔でノータイムのマリガンを宣言する。

 時間の使い方、表情、選択までもが正反対な2人だが、このゲームの結果はいかに。

 手札を覗けば緑のマナ加速はあるものの、肝心の緑マナだけが手札に来ない中村が、白黒赤の3色マナで《未練ある魂/Lingering Souls(DKA)》を唱えることでゲームを始めるのだが、返す山上、早速この状況でゲームエンド級の《オリヴィア・ヴォルダーレン/Olivia Voldaren(ISD)》をキャストする。

 さすがにこれを対処できない手札ではキープしない中村、《オリヴィア・ヴォルダーレン/Olivia Voldaren(ISD)》の相殺で戦線維持したが、その間のドローは緑色の死に札が増えただけで、《未練ある魂/Lingering Souls(DKA)》をフラッシュバックするしかもう選択肢が残っていない。

 この隙に、山上は《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells(DKA)》、《忌むべき者のかがり火/Bonfire of the Damned(AVR)》を通常キャストで貧弱なトークン達はすべて吹き飛ばし、さらには《雷口のヘルカイト/Thundermaw Hellkite(M13)》と、ダメージクロックを大急ぎで調達する。

 これには唯一唱えられる呪文である《究極の価格/Ultimate Price(RTR)》で対応するも、緑のマナにありつけない中村にとってはそういう問題ではなかった。

中村 1-1 山上

ゲーム3

 初手を見て3度目のマリガンを即断する中村だが、この最終ゲームではさすがに余裕のない厳しい表情。

 決死の覚悟で土地《寺院の庭/Temple Garden(RAV)》1枚のハンドをキープし、《アヴァシンの巡礼者/Avacyn's Pilgrim(ISD)》、《軽蔑された村人/Scorned Villager(DKA)》から《ロクソドンの強打者/Loxodon Smiter(RTR)》を戦場に加える。

 しかし、山上は《遥か見/Farseek(RAV)》から《忌むべき者のかがり火/Bonfire of the Damned(AVR)》を唱え、マナクリーチャーを一掃しつつデカブツを《突然の衰微/Abrupt Decay(RTR)》と、100点満点の完璧な回答。

 ただでさえカードアドバンテージとマナ基盤の両面で苦労している中村に、さらに追い打ちがかかる。挙句、山上が次に唱えた呪文は《スラーグ牙/Thragtusk(M13)》!

r9_yamagami2.jpg

 なんとか中村は《血の墓所/Blood Crypt(DIS)》ら土地を引き始めるものの、この万能クリーチャーには何をしてもリソースを奪われてしまう。

 苦渋の決断でこの5/3は《忘却の輪/Oblivion Ring(M12)》し、《雷口のヘルカイト/Thundermaw Hellkite(M13)》に《究極の価格/Ultimate Price(RTR)》、《オリヴィア・ヴォルダーレン/Olivia Voldaren(ISD)》に《オリヴィア・ヴォルダーレン/Olivia Voldaren(ISD)》と、カードの交換は進むのだが......

 出てきたビースト・トークンへの対策だけは手が足りず、ライフも少なくなった中村に3点クロックは重くのしかかる。

 そこへ、山上がトドメに《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells(DKA)》を戦場に加えると、変身を防ぐことのできない中村はカードを片づけ、観戦していた友人らにお疲れとイベント終了の声をかけられてしまうのだった。

中村 1-2 山上

 山上 雄大、友人に祝福されて2日目に進出!

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