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グランプリ・上海2014

戦略記事

『タルキール覇王譚』リミテッドへの招待――プロ・プレイヤーたちにクイック・インタビュー その1

By 矢吹 哲也

 『タルキール覇王譚』発売より1週間、いよいよこの最新セットがグランプリの舞台に上がる。

 これからお送りしていくグランプリ・上海2014のフォーマットは、「『タルキール覇王譚』リミテッド」だ。来週にはプロツアー『タルキール覇王譚』を控え、Magic Onlineではプレリリースが始まったこの時期だが、とりわけ私たちにとっては、来年1月に開催されるグランプリ・静岡2015の採用フォーマットとして、今大会は注目の大会になるだろう。

 そこで、いち早くこの環境に手をつけたプロ・プレイヤーたちに、氏族の闘争が広がるタルキールの世界を案内してもらおう。時間の許す限り多くのプレイヤーにシールド・ドラフトそれぞれの印象や戦い方を聞き、今後の戦いへの一助としたい。

斎藤 友晴の場合

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――『タルキール覇王譚』リミテッドの第一印象は?。

斎藤「ある程度以上のレベルに行くまでは、やりこみで差が出る。色の選択の幅が広いから、そこが難しいところですかね」

 この環境の肝に「色選択の幅広さ」を挙げた斎藤。さらに、土地とスペルのバランスも思案のしどころだと言う。デッキの安定のために土地を入れすぎればカード・パワーが足りなくなり、逆にカードの強さを優先しすぎると事故を起こしやすくなるためだ。

――今回の環境のシールドのデッキ構築で、まず最初に確認したいことは?

斎藤「土地を多く手に入れた場合はまず土地。そこから色の判断をつけます。土地が少ない場合は、普段通り各色のカードの選別から」

――シールドにおいて一番使いたい色/色の組み合わせは?

斎藤「スゥルタイ(青黒緑)。アドバンテージを取れるカードが少ないからこそ、しっかりとそれを押さえていきたいです」

 この環境は中~長期の戦いが多くなり、スピードの勝負ができにくい、との印象を持つ斎藤。ドロー呪文などでアドバンテージを取れる構成が理想だと言う。

――ドラフトにおいて、コモン/アンコモン/レアでそれぞれ一番初手で取りたいカードは何ですか?

――ドラフトにおいて一番使いたい色/色の組み合わせは?

斎藤「(少し間を置いて)やっぱりスゥルタイ。プロツアー・レベルなら卓の流れによるけれど、今大会の環境ならこの色をやりたい」

 斎藤は、この環境初期の大会では、まだ成熟したデッキをドラフトできるプレイヤーは少ないと予想する。その中での戦いでは、長期戦を見据えた色で勝負するとのことだ。

中村修平の場合

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――『タルキール覇王譚』リミテッドの第一印象を教えてください。

中村「面白い。それぞれの氏族で5通りかと思いきや、対抗色2色の組み合わせが複雑に絡むため、色の組み合わせが大きく広がるところが特に」

 『タルキール覇王譚』リミテッドの印象として、「色選択の幅広さ」の点で共通した両者。そこがこの環境の魅力であり、腕の見せどころになる。

――今回の環境のシールドのデッキ構築で、まず最初に確認したいことは?

中村「まずはレアから。続けて、多色のカードと土地を同時に」

――シールドにおいて一番使いたい色/色の組み合わせは?

中村「アブザン(白黒緑)。理由としては、全体除去を2種類使えるから」

 中村が選ぶ氏族はアブザン。強力な全体除去を2種類擁するこの色の受けの強さを評価する。

――ドラフトにおいて、コモン/アンコモン/レアでそれぞれ一番初手で取りたいカードは何ですか?

  • コモン:なし。初手で取りたくない。
  • アンコモン:単色の強いカードなら取ります。《残忍な切断》とか。
  • レア:ほぼ弱いものはないので、最低限の基準を満たしていればここから入ります。
除去の重要性が高まる。

――ドラフトにおいて一番使いたい色/色の組み合わせは?

中村「もちろんテーブルによりますが、白黒かスゥルタイ系」

 ドラフトにおいても、黒を軸にした色選択が見受けられる。除去などによるアドバンテージの獲得は、この環境の大きな争点になるだろう。

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