マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

イベントカバレージ

【戦略記事】 第2ドラフト:清水直樹のドラフトピック

【戦略記事】 第2ドラフト:清水直樹のドラフトピック

By Masami Kaneko


シミチンこと、清水直樹

「シミチン」の愛称で親しまれる清水直樹は、そのキャラクターとしてのネタ性から話題になることが多いが、実際マジックにおいてもかなりの実力者だ。プロツアー・グランプリ・日本選手権のトップ8がそれぞれ2回。単純にこれを超える成績を残している人間は、日本国内にそう多くはない。彼の戦績を見れば、屈指の実力者であることは疑いようがないのだ。

 その彼が、初日は7-2とギリギリながらも抜け、2日目のファーストドラフトを3-0したというのだ。このまま勝ち続ければトップ8も見える好位置についた清水のセカンドドラフトの様子を、ドラフト終了後のコメントも交えてお送りしよう。

1パック目

1st Pick

《火口の爪/Crater's Claws(KTK)》


強力なレアを引き当てた清水

 初手としては文句なし、タッチでの運用も可能な強力レアだ。

2nd Pick

《なだれの大牙獣/Avalanche Tusker(KTK)》
他の候補:《アイノクの盟族/Ainok Bond-Kin(KTK)》

 カードとしては非常に強力、しかし色マナの制約がキツい《なだれの大牙獣/Avalanche Tusker(KTK)》と、単純に非常に強力なコモンである《アイノクの盟族/Ainok Bond-Kin(KTK)》の選択肢。迷った末に、「レアが流れてきた」という理由を重きに置いてのピック。

3rd Pick

《隠道の神秘家/Mystic of the Hidden Way(KTK)》

4th Pick

《急流の崖/Swiftwater Cliffs(KTK)》
他の候補:《絞首/Throttle(KTK)》《マルドゥの戦叫び/Mardu Warshrieker(KTK)》

 予定の色ではないカードを取るか、土地を取るか。タッチで《火口の爪/Crater's Claws(KTK)》や《なだれの大牙獣/Avalanche Tusker(KTK)》を運用することも考慮し、《急流の崖/Swiftwater Cliffs(KTK)》をピックした。

5th Pick

《グドゥルの嫌悪者/Abomination of Gudul(KTK)》
他の候補:《茨森の滝/Thornwood Falls(KTK)》

清水 「そろそろ赤が流れてこなくなって、いよいよ怪しいと思った。青と緑は流れてくるので、スゥルタイの可能性を検討。」

 とのことで、この順目で流れてきたこのカードにシグナルを感じた清水。ここからはスゥルタイを意識していくことになる。

6th Pick

《スゥルタイのゴミあさり/Sultai Scavenger(KTK)》
他の候補:《茨森の滝/Thornwood Falls(KTK)》《族樹の発動/Kin-Tree Invocation(KTK)》

 方針転換した瞬間、デッキに合うカードが流れてきた。《茨森の滝/Thornwood Falls(KTK)》という選択肢も非常に有力だったが、ここではクリーチャーを。

清水 「でも、結果論的にいえばミスでしたね。ここで《茨森の滝/Thornwood Falls(KTK)》を取っていれば、デッキは数段強くなったと思います。」

7th Pick

《遠射兵団/Longshot Squad(KTK)》
他の候補:《大蛇の儀式/Rite of the Serpent(KTK)》

清水 「カードとしての評価が云々より、黒はタッチにしたかった。」

 ようやく色が決まった段階なのに、既にどの色をタッチにするのかを想定する清水。できればダブルシンボルのカードは撮りたくない、それが清水の考えだ。

8th Pick

《引き剥がし/Force Away(KTK)》
他の候補:《休息地の見張り/Watcher of the Roost(KTK)》《反逆の行動/Act of Treason(KTK)》

9th Pick

《アイノクの足跡追い/Ainok Tracker(KTK)》
他の候補:《花咲く砂地/Blossoming Sands(KTK)》

10th Pick

《苦々しい天啓/Bitter Revelation(KTK)》

 この順目で、墓地も手札も増やせるこの優秀なカードが取れたのは嬉しい。

11th Pick

《血溜まりの洞窟/Bloodfell Caves(KTK)》

12th Pick

《殻脱ぎ/Molting Snakeskin(KTK)》

13th Pick

《運命編み/Weave Fate(KTK)》

14th Pick

《包囲戦法/Siegecraft(KTK)》

清水 「1パック目が終わった段階で概ねスゥルタイ、というか青緑だなと。ティムールの可能性もゼロではないですが、ともあれ青緑がメインになると思いました。」

 自身のキャラに合わせたサービストークに取れないこともないが、別に清水が青緑キャラだから話してるわけではない。素直な流れへの感想だ。

2パック目

1st Pick

《増え続ける成長/Incremental Growth(KTK)》
他の候補:《隠道の神秘家/Mystic of the Hidden Way(KTK)》

 強力な緑のアンコモンを引き当てた清水。

清水 「単純に強力なアンコモンなので、かなりありがたいですね。どう傾いても緑はやりそうでしたし。」

2nd Pick

《死の激情/Death Frenzy(KTK)》

 この時点で、やはりスゥルタイに狙いをつけた。

3rd Pick

《氷羽のエイヴン/Icefeather Aven(KTK)》
他の候補:《雪角の乗り手/Snowhorn Rider(KTK)》

清水 「これは非常にありがたかったです。2マナ域であり、ただ強カードでもあるこれをピックできたのは本当に幸運。」

 さすが清水、やはり青緑のカードが集まってくるのか。

4th Pick

《荒野の後継者/Heir of the Wilds(KTK)》
他の候補《わめき騒ぐマンドリル/Hooting Mandrills(KTK)》《遠射兵団/Longshot Squad(KTK)》

清水 「2マナ域は神。」

 単純に必要なマナ域のカードが取れた喜びも当然あるが、緑のカードとしてはトップクラスのこのカードが流れてきたことによって、卓の緑の薄さが強烈に匂い立ってきたところだ。

5th Pick

《ジェスカイの長老/Jeskai Elder(KTK)》
他の候補《春の具象化/Embodiment of Spring(KTK)》《山頂をうろつくもの/Summit Prowler(KTK)》

 単純にまた2マナ域が取れてありがたいというだけでなく、このカードについては清水からのコメントをもらっている。

清水 「青の2マナ域で一番強い。というかこのカードはジェスカイじゃなくて、スゥルタイでこそ強いカード。墓地が肥えるのが本当に嬉しい。」

 なるほど、納得の喜びようだ。

6th Pick

《グドゥルの嫌悪者/Abomination of Gudul(KTK)》
他の候補:《氷河の忍び寄り/Glacial Stalker(KTK)》

 色が確定したため、単純に強いほうの「変異」を。

7th Pick

《凶暴な殴打/Savage Punch(KTK)》
他の候補:《宝船の巡航/Treasure Cruise(KTK)》《わめき騒ぐマンドリル/Hooting Mandrills(KTK)》

 かなり難しいピック。

清水 「この時点では、とにかくどうしても除去がほしかった。他の2枚もとても魅力的だったけど、とにかく除去を優先した。」

 そう語る清水は、次のパックでこの選択を悔いることになる。

8th Pick

《凶暴な殴打/Savage Punch(KTK)》
他の候補:《苦々しい天啓/Bitter Revelation(KTK)》《大牙コロッソドン/Tusked Colossodon(KTK)》

 結果論。そう言ってしまえばそれまでだが、ここで流れてくるのならば、7手目は他のカードを取っておけば。仮定は、想像は尽きない。そう思わせるような1枚。

9th Pick

《引き剥がし/Force Away(KTK)》
他の候補:《高山の灰色熊/Alpine Grizzly(KTK)》《山頂をうろつくもの/Summit Prowler(KTK)》

10th Pick

《射手の胸壁/Archers' Parapet(KTK)》
他の候補:《龍鱗の加護/Dragonscale Boon(KTK)》

11th Pick

《龍鱗の加護/Dragonscale Boon(KTK)》
他の候補:《マルドゥの悪刃/Mardu Hateblade(KTK)》

12th Pick

《わめき騒ぐマンドリル/Hooting Mandrills(KTK)》
まさかの12手目。これには清水の顔もにっこり。緑の薄さが清水に味方した。

12手目!?
13th Pick

《春の具象化/Embodiment of Spring(KTK)》

清水 「これはラッキーでした。土地が取れてなくて、マナベースが辛くてたまらなかったので。この順目で拾えて本当に良かった。」

 そう語る清水。確かに、現時点で既にデッキに入るカードは十分に取れている。あとは、マナベースが問題なのだ。

14th Pick

《アブザンの戦旗/Abzan Banner(KTK)》

清水 「既にデッキに入るカードは十分なので、3パック目はもう土地を見たら取ろうと思ってました。もっと最初に取れてれば良かったんですけど......。」

 そう語る清水。とはいえ、土地はそもそも出なくてはピックしようもない。強力カードを集めた清水の元に、強力マナベースは流れてくるのか?

3パック目

1st Pick

《スゥルタイの魔除け/Sultai Charm(KTK)》
他の候補:《スゥルタイのゴミあさり/Sultai Scavenger(KTK)》《わめき騒ぐマンドリル/Hooting Mandrills(KTK)》

 マナベースとは程遠いというか対極にあるカードだが、しかしこの強力なカードをピックしない理由もない。

2nd Pick

《砂塵破/Duneblast(KTK)》

 流れてきた強力レア! 清水は自身のデッキ構成を思い返し、土地さえ取れればタッチが可能なことを確認しピック。

タッチの価値アリ。
3rd Pick

《境界の偵察/Scout the Borders(KTK)》
他の候補:《絞首/Throttle(KTK)》《スゥルタイのゴミあさり/Sultai Scavenger(KTK)》《熊の仲間/Bear's Companion(KTK)》《急流の崖/Swiftwater Cliffs(KTK)》

「とにかくマナベース。」そう語ったとおり、《スゥルタイのゴミあさり/Sultai Scavenger(KTK)》や《絞首/Throttle(KTK)》といった、いわゆる普通にデッキに入るカードに見向きもせず、マナベースに絡むカードをピックした。

4th Pick

《砂草原の城塞/Sandsteppe Citadel(KTK)》
他の候補:《スゥルタイのゴミあさり/Sultai Scavenger(KTK)》《苦々しい天啓/Bitter Revelation(KTK)》

清水 「《砂塵破/Duneblast(KTK)》とってたからほんと欲しかった土地! 最高! 見たら取る!」

 清水のいうことももっともだ。今、清水が欲しいのはとにかく土地なのである。

5th Pick

《花咲く砂地/Blossoming Sands(KTK)》
他の候補:《子馬乗り部隊/Ponyback Brigade(KTK)》《マルドゥの戦叫び/Mardu Warshrieker(KTK)》

 土地。とにかく土地。一貫したピック。

6th Pick

《グドゥルの嫌悪者/Abomination of Gudul(KTK)》

 ここでは他に選択肢もなく。とはいえ、この強力カードに文句があろうはずがない。

7th Pick

《氷河の末裔/Scion of Glaciers(KTK)》
他の候補:《花咲く砂地/Blossoming Sands(KTK)》《熊の覚醒/Awaken the Bear(KTK)》

 ここはかなり悩んだ末に、土地ではなくクリーチャーのほうをピック。

8th Pick

《平穏な入り江/Tranquil Cove(KTK)》
他の候補:《運命編み/Weave Fate(KTK)》《シディシのペット/Sidisi's Pet(KTK)》

 そしてまた土地。《砂塵破/Duneblast(KTK)》のタッチは問題なくできそうだ。

9th Pick

《わめき騒ぐマンドリル/Hooting Mandrills(KTK)》
他の候補:《スゥルタイのゴミあさり/Sultai Scavenger(KTK)》《平穏な入り江/Tranquil Cove(KTK)》

 一周して自身のパック。白絡みの土地は十分に確保したと判断した清水、ここでは「探査」持ちのクリーチャーをピックした。《スゥルタイのゴミあさり/Sultai Scavenger(KTK)》ではなくこちらなのは、2枚の《凶暴な殴打/Savage Punch(KTK)》を意識してのこと。

10th Pick

《目潰しのしぶき/Blinding Spray(KTK)》

11th Pick

《テイガムの策謀/Taigam's Scheming(KTK)》

12th Pick

《スゥルタイの戦旗/Sultai Banner(KTK)》
他の候補:《族樹の管理人/Kin-Tree Warden(KTK)》

 さりげなく、非常にありがたい1枚。清水も叩きつけるようにピックする。

13th Pick

《クルーマの盟族/Krumar Bond-Kin(KTK)》

14th Pick

《心臓貫きの弓/Heart-Piercer Bow(KTK)》

完成したデッキ

「土地があれば100点。ないから70点。」とは清水の弁。入っているカードは十分に強力だが、そのマナベースに厳しさがある。

清水 「正直なところ、3ゲームに1回くらいは事故りそう。固まってきたらいきなり死亡もありえる。でも、逆に事故さえなければ3-0も十分に狙える強いデッキですよ!」

 清水の話す通り、デッキに入っているカードは本当に強力だ。

清水 「まさか、一応赤絡みの土地があるのに《火口の爪/Crater's Claws(KTK)》をタッチしないとはね。」

 事故さえなければ。清水としても十分に3-0に期待が持てるデッキであり、続く試合の結果に期待したい。


《氷羽のエイヴン/Icefeather Aven(KTK)》を持ち不敵に笑う清水
清水 直樹
グランプリ・上海2014 第2ドラフト / 『タルキール覇王譚』ブースタードラフト
6 《島》
5 《森》
3 《沼》
1 《砂草原の城塞》
1 《花咲く砂地》
1 《平穏な入り江》

-土地(17)-

1 《春の具象化》
1 《射手の胸壁》
1 《荒野の後継者》
1 《氷羽のエイヴン》
1 《ジェスカイの長老》
1 《遠射兵団》
1 《氷河の末裔》
1 《隠道の神秘家》
3 《グドゥルの嫌悪者》
2 《わめき騒ぐマンドリル》
1 《スゥルタイのゴミあさり》

-クリーチャー(14)-
1 《スゥルタイの戦旗》
2 《凶暴な殴打》
1 《引き剥がし》
1 《スゥルタイの魔除け》
1 《苦々しい天啓》
1 《死の激情》
1 《増え続ける成長》
1 《砂塵破》

-呪文(9)-

前の記事: 【観戦記事】 第12回戦:中村 修平(日本) vs. Han Bing(中国) | 次の記事: 【観戦記事】 第13回戦:清水 直樹(日本) vs. Joe Soh(マレーシア)
グランプリ・上海2014 一覧に戻る