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【戦略記事】 デッキテク:進化を遂げるクロック・パーミッション、山田 展大の「KIRAN. TREK」

【戦略記事】 デッキテク:進化を遂げるクロック・パーミッション、山田 展大の「KIRAN. TREK」

By Masashi Koyama


山田展大(東京)

 プロツアー直後のスタンダードグランプリということもあり、会場で目を引くのはどうしても大活躍した「ティムール・エネルギー」や「ラムナプ・レッド」、「スゥルタイ・エネルギー」のような既存のデッキばかりだった。

 「やはり新しいデッキは出てこないか......」と思っていた中、ふと前日ラストチャンストライアルのデッキリストに目をやると、見たことのないデッキが優勝を遂げていたのだ。

 「KIRAN. TREK」

 英語版のカバレージライター、シム・チャップマンも「Good deck!」と喜びを露わにしたエスパーカラーのデッキを使用していたのは、普段東京でプロツアー予備予選を精力的に回っている山田展大だった。

 プロツアー予備予選突破経験もある彼が持ち込んだデッキは一体どのようなものなのだろうか?

山田 展大の「KIRAN. TREK」

山田 展大 - 「KIRAN. TREK」
グランプリ・上海2017 / スタンダード (2017年11月11~12日)
5 《平地》
4 《島》
4 《灌漑農地》
4 《氷河の城砦》
3 《水没した地下墓地》
3 《秘密の中庭》

-土地(23)-

4 《模範的な造り手》
4 《栄光半ばの修練者》
4 《屑鉄場のたかり屋》
2 《敏捷な妨害術師》

-クリーチャー(14)-
3 《呪文貫き》
4 《キランの真意号》
2 《航路の作成》
1 《不許可》
3 《残骸の漂着》
2 《排斥》
4 《試練に臨むギデオン》
4 《狡猾な漂流者、ジェイス》

-呪文(23)-
2 《トカートリの儀仗兵》
1 《陽光鞭の勇者》
1 《賞罰の天使》
2 《軍団の上陸》
1 《領事の権限》
1 《断片化》
1 《本質の散乱》
1 《否認》
1 《厳粛》
1 《栄光の刻》
2 《燻蒸》
1 《霊気圏の収集艇》

-サイドボード(15)-

山田「前環境ではドラン(白黒緑)カラーのデッキを使っていたんですが、ローテーション後勝てなくなって......。そこで『ティムール・エネルギー』と互角に戦えていたんだろう、と考えた時に《キランの真意号/Heart of Kiran(AER)》が強かったんですよ。なので、《キランの真意号/Heart of Kiran(AER)》からのアクションとして3マナのプレインズウォーカーを考えた時に、《狡猾な漂流者、ジェイス/Jace, Cunning Castaway(XLN)》と《試練に臨むギデオン/Gideon of the Trials(AKH)》があったんですね。」

 《キランの真意号/Heart of Kiran(AER)》から3ターン目にプレインズウォーカーという動きは対戦相手に対処を迫る強力なアクションだ。《狡猾な漂流者、ジェイス/Jace, Cunning Castaway(XLN)》自体もクリーチャーを生み出すことができるうえ、[+1]能力を使えば《キランの真意号/Heart of Kiran(AER)》がサイズの大きい《密輸人の回転翼機/Smuggler's Copter(KLD)》となるのだ。この2枚があれば巨大なクロックとプレインズウォーカーという二面で対戦相手を追い詰めることができる。

 当初は《模範的な造り手/Toolcraft Exemplar(KLD)》《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger(KLD)》が入っていなかったが、コントロール的な動きになってしまうためこの2枚を採用した。

 《残骸の漂着/Settle the Wreckage(XLN)》はスレ違いのダメージレースになった時に一度でも相手の攻勢を止めることができれば、こちら側のクロックも大きいため押し切れるという。

 《燻蒸/Fumigate(KLD)》でも良いのでは? と思うところだが、すでに山田はそこを通過していた。「全体除去依存症なんですよね」と語る彼は上述のダメージレースの観点や、現在のスタンダード速度を鑑みて4マナのこちらに落ち着いたそうだ。一応サイドボードに《燻蒸/Fumigate(KLD)》自体は積んでいるもののメインデッキでの5マナは重く、《残骸の漂着/Settle the Wreckage(XLN)》や《排斥/Cast Out(AKH)》へ差し替わった。

 コントロールというよりはクロック・パーミッション的な動きをするというこのデッキ。

 エターナル環境で猛威を振るう《呪文貫き/Spell Pierce(XLN)》に加え、《敏捷な妨害術師/Nimble Obstructionist(HOU)》が対戦相手に睨みを利かす。

 特に《敏捷な妨害術師/Nimble Obstructionist(HOU)》はクロック・パーミッションのいわゆる「両天秤を構える」ことができ、状況に応じてクリーチャーとしても《もみ消し/Stifle(SCG)》としても使用することができる。

 実際に山田は《熱烈の神ハゾレト/Hazoret the Fervent(AKH)》や《スカラベの神/The Scarab God(HOU)》の起動型能力を打ち消しゲームに勝利したこともあるそうだ。

 コントロールの術に長ける青白カラーのデッキであり、メタゲームによって柔軟にカードを入れ替えることができそうなのも魅力的なデッキだ。

 なお、サイドボード後にコントロールへシフトすることは少なく、基本的にはダメージレースで差し切ることが多いようだ。


「同じデッキを使いまわすのが好き」という山田。これからも「KIRAN. TREK」は進化を続けていくのだろう。

 ぜひ、皆さんも自分が好きになれるデッキを試行錯誤して作ってみてほしい。

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