マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

イベントカバレージ

【戦略記事】 Deck Tech:棚橋 雅康のグルール信心ビートダウン

【戦略記事】 Deck Tech:棚橋 雅康のグルール信心ビートダウン

By Masami Kaneko

 個性派デッキが目立つ全勝デッキ達。その中でも一際目につくカード達があった。

!?

 《カロニアの大牙獣/Kalonian Tusker(M14)》。

 《恭しき狩人/Reverent Hunter(THS)》。

 なかなか目にしないこれらのカードを使用して初日全勝を果たしたのは、棚橋 雅康(新潟) 。過去にはプロツアー・京都2009トップ8の経験もある新潟の強豪だ。

 ニコニコ生放送でも話題だったこのデッキ。ここでは是非その内容を解析していこう。

棚橋 雅康の「グルール信心ビートダウン」
グランプリ・静岡2014 / スタンダード
9 《森》
4 《ニクスの祭殿、ニクソス》
4 《踏み鳴らされる地》
4 《奔放の神殿》
2 《山》

-土地(23)-

4 《エルフの神秘家》
4 《炎樹族の使者》
4 《カロニアの大牙獣》
4 《森の女人像》
4 《恭しき狩人》
4 《世界を喰らう者、ポルクラノス》
3 《高木の巨人》

-クリーチャー(27)-
3 《ミジウムの迫撃砲》
4 《ドムリ・ラーデ》
3 《歓楽者ゼナゴス》

-呪文(10)-
3 《霧裂きのハイドラ》
1 《ミジウムの迫撃砲》
1 《垂直落下》
2 《峰の噴火》
2 《食餌の時間》
2 《茨潰し》
2 《紅蓮の達人チャンドラ》
1 《歓楽者ゼナゴス》
1 《森林の始源体》

-サイドボード(15)-

――このデッキを組むことになったきっかけは何ですか?

棚橋「最初はプロツアー・テーロスの三原さんの『コロッサル・グルール』を調整してたんですよね。でもあのデッキマナクリーチャーが多くて、引き次第でムラがあるんですよ。爆発すると凄いんですけど、逆にストレスが溜まることも多くて。それで気持よくなる方向で調整していたらこうなってました。」

 棚橋はこのデッキが出来上がったきっかけをこう語る。元は三原 槙仁の作成した「コロッサル・グルール」だという。しかし調整を重ねるうちにデッキのマイナス面が気になり、この形になったとのことだ。

棚橋「具体的には《旅するサテュロス/Voyaging Satyr(THS)》が《カロニアの大牙獣/Kalonian Tusker(M14)》に。《獣の統率者、ガラク/Garruk, Caller of Beasts(M14)》が《恭しき狩人/Reverent Hunter(THS)》になった感じですね。必然的に《至高の評決/Supreme Verdict(RTR)》には弱くなったので、《歓楽者ゼナゴス/Xenagos, the Reveler(THS)》は増量しました。ブン回りの最高値は下がってますが、常に安定した展開ができるようになって満足しています。」

 実際に「《エルフの神秘家/Elvish Mystic(M14)》→《炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary(GTC)》→《恭しき狩人/Reverent Hunter(THS)》」といった動きや、「《カロニアの大牙獣/Kalonian Tusker(M14)》→《炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary(GTC)》→《恭しき狩人/Reverent Hunter(THS)》」といった強烈な展開が可能で、早いターンからプレッシャーがかけていけるのは大きな強みだ。綺麗に回れば「コロッサル・グルール」よりもキルターンが早い。


棚橋 雅康

――会場のメタゲームをどう考えていましたか?それらのデッキとの相性は?

棚橋「一番多いのは青単信心だと考えていました。青単信心との相性は有利ですね。次に多いのは青白系コントロールかなぁ、と。ただ青単と青白両方に勝とうとするとデッキが歪になるんですよね。だからそこは割りきりました。青白系コントロールには少し不利ですが、《歓楽者ゼナゴス/Xenagos, the Reveler(THS)》次第では戦えます。あとは黒単系ですが、こちらは序盤からプレッシャーがかけられるようになって少し楽になりましたね。」

 環境のトップメタ3つのデッキのうち2つに有利が取れる。それが棚橋の選択だった。

棚橋「初日に青白系コントロールに当たらなかったのは幸運でした。おかげで全勝することが出来ましたね。今日も当たらずに勝ち進めれば嬉しいです。」

 会場に6人しか居ない「初日全勝」の一人である棚橋。「幸運でした」と語るが、実際のところ過去の実績も含めて棚橋の実力が本物であることは間違いない。

d2_deck1.jpg

――デッキの調整は何処でしていましたか?デッキは仲間とシェアしていますか?

棚橋「新潟の友人の家で練習していました。同じくグルールを使う仲間は居るんですが、この形は僕だけですね。《カロニアの大牙獣/Kalonian Tusker(M14)》までは採用している友人が結構居ますが、《恭しき狩人/Reverent Hunter(THS)》まで取ってはいません。」

 主に友人の家で練習しているという棚橋、それぞれがデッキを持ち寄り練習したとのことだ。この形はともかく《カロニアの大牙獣/Kalonian Tusker(M14)》までは採用されているデッキはあるとのことで、もしかしてこのカードは新潟では流行っているのだろうか?

――サイドボードのカード選択について聞かせて下さい。

棚橋「エンチャント・アーティファクト破壊は《茨潰し/Bramblecrush(M14)》を選びました。デッキが《太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun's Champion(THS)》に弱いので。《森林の始源体/Sylvan Primordial(GTC)》も追加の《茨潰し/Bramblecrush(M14)》の役割ですね。」

 一風変わったカードが多く採用されているサイドボード。カードの種類が多く、散らしてあるのも特徴的だ。

棚橋「《食餌の時間/Time to Feed(THS)》は《波使い/Master of Waves(THS)》対策です。赤単や同型にもサイドインしますが、メインは《波使い/Master of Waves(THS)》です。《垂直落下/Plummet(M14)》はほぼ《冒涜の悪魔/Desecration Demon(RTR)》専用対策カードですね。」

 一際目を引く《食餌の時間/Time to Feed(THS)》は「プロテクション(赤)」を持っている《波使い/Master of Waves(THS)》を除去するために採用したとのことだ。なるほどこのカードなら《波使い/Master of Waves(THS)》を後腐れなく除去することができるうえに、ダメージレースを有利に出来る。

「格闘」のためにクリーチャーの必要なこのカードを採用できるのは、《カロニアの大牙獣/Kalonian Tusker(M14)》などを採用し安定してクリーチャーを展開できるようになった強みだろう。

――最後に、今日の意気込みを聞かせて下さい。

棚橋「昨日全勝して、仲間にも頑張るように言われてしまったんで......。とりあえずトップ8に入ってプロツアーの権利が欲しいですね!」

 昨日は仲間にも(お酒という名の)激励を貰い、棚橋は力強く語ってくれた。トップ8を、プロツアーの権利を、そして優勝を目指し、今日も棚橋は勝利を求め歩き出す。頂上を目指して。

r10_tanahashi.jpg

前の記事: 【観戦記事】 第10回戦:棚橋 雅康(新潟) vs. 高尾 翔太(東京) | 次の記事: 【観戦記事】 第11回戦:永井 守(神奈川) vs. 尹 壽漢(東京)
グランプリ・静岡2014 一覧に戻る