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【観戦記事】 第3回戦:Joseph Sclauzero(オーストラリア) vs. 篠田 滉人(京都)

【観戦記事】 第3回戦:Joseph Sclauzero(オーストラリア) vs. 篠田 滉人(京都)

By 矢吹 哲也

 新年を迎えたばかりの冷たい清澄な空気が、この会場まで流れてくる。

 だがその空気は、戦いに赴く2,205人の熱意にあてられ、温度を上げた。

 そしてここフィーチャー・マッチ・エリアには更なる熱風が吹き込んでくる。年明けすぐに行われたグランプリ・マニラ2015を制した、オーストラリア出身のジョセフ・スクロツィーロ/Joseph Sclauzeroが、フィリピンの熱をそのままこの会場に運んできたのだ。

 連戦となる今大会でも、意欲十分。ゆったりとフィーチャー席に構え、対戦相手を見据える。

 この試合で彼と対峙するのは、京都のマジック・コミュニティでプレイする篠田 滉人だ。昨年のMagic Online PTQで優勝し、来たるプロツアー『運命再編』の権利を獲得している彼もまた、注目すべきホットなプレイヤーと言えるだろう。試合前の会話で対戦相手がつい先日のグランプリ・チャンプだと知った彼は、仲間に見守られながら初めてのフィーチャー・マッチに挑む。

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今大会のフィーチャー1試合目を飾るのは、熱き新風たちだ。

ゲーム展開

 両者とも序盤を軽快に滑り出すと、篠田の《マルドゥの悪刃》とジョセフの《戦名を望む者》が相討ち。その後も《アブザンの鷹匠》、《ジェスカイの戦旗》と展開を緩めないジョセフに対して、篠田も「変異」クリーチャーを繰り出したのちに「強襲」した《マルドゥの軍族長》で戦線を作る。

 続けて、更に「強襲」するものがあった。

 篠田の切り札、《風番いのロック》だ。

強力なレアがこのゲームを「強襲」する。

 篠田いわく、今回の「ベスト・ムーブ」。一気にこのゲームを決めにかかる。

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篠田 滉人が操るのは、《風番いのロック》を擁するアブザン。フィーチャー・マッチの大舞台で、第1ゲームから強力な動きを見せる。

 ところが《風番いのロック》を《焼き払い》で対処したジョセフは、「変異」を解除した《松歩き》を含む篠田の猛攻に一挙9点のダメージを受けながらも、適切なブロックでその場を切り抜けた。

 《マルドゥの戦叫び》に《マルドゥの頭蓋狩り》と戦線を広げるジョセフ。「長久」によって+1/+1カウンターを得た《アブザンの鷹匠》と《アブザンの戦僧侶》が空から襲いかかり、篠田は《熊の覚醒》を絡めたブロックで《アブザンの鷹匠》を討ち取った。

 しかしそこからクリーチャーが続かない篠田。《眼の管理人》、《鱗の隊長》と続くジョセフの攻めに、気づけば残りライフ3点まで追い詰められる。

 篠田の盤面に残るのは「変異」クリーチャーが1体。《マルドゥの頭蓋狩り》と《眼の管理人》を従えるジョセフも3マナを払い、カードを1枚伏せて置く。

 続く篠田のターンにもクリーチャーは出ず。ジョセフの一斉攻撃の号令を聞くと、篠田は「変異」クリーチャーの公開を促し、カードを片付けた。

「さっきのがベスト・ムーブだったんだけど」苦笑を漏らして言う篠田。

「いやあ、ロック鳥は恐ろしいね」ジョセフはニヤリと口元を緩め、応える。

 ゲーム2はジョセフの《鱗の隊長》がゲームを始め、3ターン目まで動きのない篠田を攻めた。4ターン目に《雪花石の麒麟》を繰り出した篠田に対し、ジョセフは《軍族の解体者》を送り込む。

ジョセフをグランプリ優勝へ導いたマルドゥ族の切り札。

 強力なレアの登場に軽くのけぞった篠田だが、《雪花石の麒麟》の攻撃に対してブロックに入ったところへ《熊の覚醒》を合わせ、この《軍族の解体者》を打ち倒した。続くジョセフの《スゥルタイのゴミあさり》にも《完全なる終わり》を撃ち込み、盤面の優位を築いていく。

 ジョセフは《隠道の神秘家》を戦場に送り出し、機をうかがった。《雪花石の麒麟》で攻撃を続ける篠田に対して、しばらく考えたジョセフは手札から《弧状の稲妻》を放ち、篠田の《マルドゥの頭蓋狩り》と《高山の灰色熊》を除去しにかかる。篠田は《熊の覚醒》で《高山の灰色熊》を守り、《雪花石の麒麟》による攻撃を続けた。

 これに対してジョセフも《隠道の神秘家》で反撃。互いにライフはひと桁に落ち込み、何か1枚でもあればゲームがひっくり返る緊迫した場面を迎える。

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スタンダード構築で行われたグランプリ・マニラ2015を制した、ジョセフ・スクロツィーロ。今大会でも先週に引き続き「マルドゥ族」を軸にしたデッキを組み上げ、グランプリ連勝を狙う。

 先に解答にたどりついたのは――ジョセフだった。《隠道の神秘家》の攻撃に続く《矢の嵐》が、篠田のライフを削りきったのだった。

ジョセフ 2-1 篠田

 勝利を収めたジョセフが再びニヤリと笑い、颯爽とフィーチャー・マッチ・エリアをあとにすると、同じく試合を終えたのであろう篠田の仲間たちがひとり、またひとりと集まってきた。その度に「ロック(《風番いのロック》)出したのに負けた」と言い放ち、試合の感想と反省を仲間たちと共有する篠田であった。

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