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【観戦記事】 第7回戦:望月 祐貴(京都) vs. 彌永 淳也(東京)

【観戦記事】 第7回戦:望月 祐貴(京都) vs. 彌永 淳也(東京)

By 矢吹 哲也

 日が暮れ、落ちても戦いは続く。

 ここ静岡の地に再びやってきたグランプリで、前回大会のトップ8入賞者がフィーチャー・マッチ・エリアに足を踏み入れた。世界選手権2011王者、彌永 淳也はいつものように席につき、いつものように落ち着いてシャッフルを始めた。

 彼に対峙するプレイヤーもまた落ち着いた手つきだが、実は今大会がグランプリ初参加だという。普段はMagic Onlineでマジックをプレイする、望月 祐貴だ。シャッフルもダイス・ロールも、手札の確認も、すべての所作が落ち着いた両者が静かに火花を散らす。

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望月 祐貴 vs. 彌永 淳也

ゲーム展開

 1ゲーム目は彌永がマリガン、タップイン2色土地でマナ基盤を作る両者だが、2ターン目にして望月が《幽霊火の刃》を設置。続けて「変異」クリーチャーも繰り出しそこへ装備する、この環境屈指の強力な動きが彌永を襲った。

 対する彌永も「変異」クリーチャーを展開するが、ここで誤って別のカードを「変異」として繰り出してしまい、彼自身がそれに気づきジャッジを呼んだ。これには彌永も「僕も長くマジックをやっていますが、初めてです」と望月に苦笑を向ける。そして再開後、今度は望月のドローに関してジャッジが呼ばれ、ゲームは一度中断された。

 ヘッド・ジャッジによる裁定を経てゲームが再開されると、望月は《弧状の稲妻》で彌永の「変異」クリーチャーを焼き、望月はターンを渡した。

 彌永は次のターン、マナを残してターンを返し、《幽霊火の刃》を装備した「変異」クリーチャーを《必殺の一射》で除去。それでも望月の戦場には《アラシンの上級歩哨》が降り立ち、戦線を切らさない。

 彌永はその後「変異」で出した《グドゥルの嫌悪者》を表にし、ルーター能力で解答を探る。さらに《スゥルタイの占い屋》で墓地を肥やすと、《スゥルタイのゴミあさり》を展開。一方《アラシンの上級歩哨》の能力で《アブザンの鷹匠》を強化した望月は空からの攻撃を続ける。

 《スゥルタイのゴミあさり》で《アラシンの上級歩哨》をチャンプ・ブロックし、《グドゥルの嫌悪者》の攻撃でさらにライブラリーを掘り進める彌永。しかし望月の巨大なクロックへの解答は見つからず、攻撃宣言を確認すると「負けました」とひと言。

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《幽霊火の刃》や《アラシンの上級歩哨》をはじめ、強力なカードを擁する望月 祐貴。

 第2ゲームは望月がマリガン。それでも順調に土地を伸ばす両者は再びクリーチャーを巡る戦いに身を投じた。

 3ターン目に《アイノクの盟族》を繰り出す彌永に対し、《アブザンの鷹匠》から《マルドゥの軍族長》を「強襲」で繰り出す望月。彌永は《塩路の巡回兵》と《高峰のカマキリ》を加えて盤面を固める。

「長久」によって飛行を得た《アブザンの鷹匠》が彌永の防御を飛び越えていくが、それは《打ち倒し》で除去。今度は彌永が攻勢に転じた。

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前回の静岡でのグランプリでスタンダード構築の腕を見せた彌永 淳也は、再びこの地で、今度はリミテッドの冴えを見せる。

 望月の盤面にクリーチャーは追加されなかった。《マルドゥの軍族長》と戦士・トークンだけでは戦線を維持できない。しかし、彌永が《サグの射手》も追加したところで、見計らったように《対立の終結》。戦場は一掃される。

 それでも彌永は《山頂をうろつくもの》と「変異」クリーチャーを追加。攻勢を緩める気はない。望月も「変異」クリーチャーを繰り出し、続くターンでそれ――《子馬乗り部隊》を表にする。守りをしっかり固めた望月は《アブザンの戦僧侶》も加えて反撃。試合の天秤を戻す......

......かと思われたそのとき。彌永の《道極め》が5点のダメージを望月に与え、迎えた彼のアップキープに《ジェスカイの魔除け》が続いた――望月の残りライフは一瞬にして焼き尽くされたのだった。

彌永に勝利をもたらす火力の連打。

 追加の時間は与えられたものの、残り時間は10分程度の中で迎えた最終戦。両者とも3ターン目に「変異」クリーチャーを繰り出したのちに、試合は加速する。

 彌永の「変異」クリーチャーを《弧状の稲妻》で除去する望月。彌永はすかさず2体目の「変異」クリーチャーを展開し、さらに《山頂をうろつくもの》を続けさせる。2体目の「変異」クリーチャーにも《残忍な切断》を差し向けてしのぐ望月だが、しかしこちらはクリーチャーを展開できず、盤面を築くことができない。

 さらに《アブザンの先達》を加えてひと息に攻める彌永。望月は戦場に残る「変異」クリーチャーを差し出すわけにはいかず、大きなダメージを受けてしまう。ようやく引き込んだ《マルドゥの荒くれ乗り》をプレイするものの、彌永の《軽蔑的な一撃》が着地を許さない。

 再び向かってきた彌永の軍勢に対し、望月は少し考える時間をおいて、すべて通すことを選択。《アブザンの先達》に除去を放ったところへ彌永の手札から《抵抗の妙技》が示され、これが最後の一撃となったのだった。

望月 1-2 彌永

「緊張しましたね」試合後、力が抜けたように座る望月がつぶやいた。

 張り詰めるような戦いは、まだ続く。

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