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グランプリ・静岡2015

観戦記事

第9回戦:鹿島 彰浩(埼玉) vs. Zhang Meng Qiu(香港)

By Sugiki, Takafumi

 ついにグランプリ・静岡2015も初日最終戦を迎えた。ここでは、ここまで全勝で駆け抜けている鹿島彰浩とツァン・メンシュウ/Zhang Meng Qiuの対戦をお送りしよう。鹿島はプロツアー・ヴェニス2003で日本人2人目となるトップ8を成し遂げた古豪であり、本トーナメントにおいては渡辺雄也、市川ユウキといったプラチナプレイヤーを倒してこのポジションを維持している。


鹿島 彰浩 vs. ツァン・メンシュウ/Zhang Meng Qiu

ゲーム1

 ともにマリガンがなく、ツァンの先攻でゲームがスタートした。ツァンが《マルドゥの頭蓋狩り》、変異と展開するのに対して、鹿島は3ターン目に変異をプレイ。

 ツァンは4ターン目に変異と《マルドゥの頭蓋狩り》で攻撃すると、鹿島は変異同士で相打ちすることを選ぶ。ツァンは《マー=エクの夜刃》を追加し、対する鹿島も《雪花石の麒麟》で空から攻撃する体制を整えるといった、どちらも譲らぬ立ち上がりとなった。

 ツァンは《マー=エクの夜刃》に長久でカウンターを載せ、変異を盤面に追加。対する鹿島は《雪花石の麒麟》で攻撃をし、《矢の嵐》で《マー=エクの夜刃》を除去。

 コンバットトリックを持っていないのか、ツァンは《雪花石の麒麟》に対して変異を攻撃に向かわせず、追加の変異を戦場に加える。ターンを経てようやく5マナに到達すると、《雪花石の麒麟》への回答として《絞首》をプレイ。変異2体、《マルドゥの頭蓋狩り》を攻撃に繰り出すも、鹿島も前のターンに出していた変異で1体をブロック、もう1体は《残忍な切断》をプレイし、《マルドゥの頭蓋狩り》の攻撃が通るのみとなる。

 ツァンが変異をプレイしたことで盤面が傾きかけるも、鹿島が《死の投下》で盤面をまっさらに戻そうとする。ここで、その変異が《休息地の見張り》であることが明かされ、手札からは《包囲サイ》が提示される。この《包囲サイ》は、《》が無いためにプレイできていないのだ。

 ツァンの《血蠅の大群》は鹿島の《冬の炎》で除去され、対して鹿島が引いた《アイノクの盟族》も、長久を重ねている間に《大蛇の儀式》で除去されるといった展開で、なかなか盤面が傾かない。


ツァン・メンシュウ/Zhang Meng Qiu

 鹿島は《湯熱の精》をプレイし攻撃の体制を整えるが、ついにツァンが《》を引き当てたことにより《包囲サイ》が盤面に登場する。なにか有効なカードを引かないと、瞬く間に《包囲サイ》に蹂躙されてしまうところだが、きっちりと《イフリートの武器熟練者》を引き当て、《湯熱の精》との1対1交換をできる盤面を作り出す。

 一方的に殴れる状況を作るべく、ツァンは《包囲サイ》と《イフリートの武器熟練者》を対象に《凶暴な殴打》をプレイ、《イフリートの武器熟練者》を除去しにかかる。鹿島は《水渦》で《包囲サイ》をバウンスすることでこれをなんとか回避。しかしながら、手札に戻った《包囲サイ》は当然再び盤面に登場し、鹿島のライフを蝕んでいく。この時点で、ツァンのライフが20に対し、鹿島のライフは7まで落ち込んでいる。

 ツァンは再登場させた《包囲サイ》を、《イフリートの武器熟練者》を立てている鹿島に向かって攻撃させる。鹿島は決断し、《イフリートの武器熟練者》でブロック。先制攻撃のダメージが入る前に《湯熱の精》のダメージを《包囲サイ》に与え、《湯熱の精》と《包囲サイ》の交換が成立する。ここはツァンが少しもったいない交換をしてしまったように見える。

 盤面に《荒野の後継者》を追加することで、ツァンはライフの少ない鹿島にプレッシャーを与える。これにより、《荒野の後継者》と《イフリートの武器熟練者》が睨み合う盤面となった。

 この均衡を打開したのは鹿島。おもむろに《イフリートの武器熟練者》が攻撃に行き、ツァンは「追加のクリーチャーを引いたんだね」といった顔をしながらそれを通してライフが14。鹿島の引いたブロッカーはというと......

本環境最強の呼び声も高い

 これを見たツァンはため息。ターンをもらったツァンは力なく《荒野の後継者》で攻撃し鹿島のライフは5、《アイノクの盟族》を盤面に追加するも、鹿島はお構いなしとばかりに《風番いのロック》、3/4の鳥・トークン、《イフリートの武器熟練者》で攻撃し、ライフを5から8に引き上げた上で、ツァンに10点のダメージを通す。ツァンが次のターンのドローを見てできることは、カードを片付けることのみであった。

鹿島 1-0 ツァン

ゲーム2


鹿島 彰浩

 ツァンは後攻を選択したゲーム2。鹿島は《風番いのロック》に加えて3・4ターン目に出せるクリーチャーがあるものの土地が2枚しかない手札を引き、少考の末マリガンを選択する。続いて引いた6枚をキープ。

 鹿島は《アイノクの盟族》、《アブザンの鷹匠》と展開し、対するツァンも《アイノクの盟族》、変異とプレイする。《アイノクの盟族》同士が相打ち、鹿島は《雪花石の麒麟》を追加する。

 4ターン目、ツァンは変異を攻撃に向かわせ、鹿島はそれをブロックしない。ツァンがプレイするのは《吠える鞍暴れ》、4マナ4/5の破格のクリーチャーだ。これでツァンがペースをつかむかと思われたが、ツァンの悪夢はまたも訪れる。そう、鹿島は《雪花石の麒麟》で攻撃をしてから《風番いのロック》!!

 こうなると完全にこのゲームは鹿島のペース。ツァンの《吠える鞍暴れ》、変異の攻撃を受けつつ、返しで《風番いのロック》、3/4の鳥・トークン、《雪花石の麒麟》で攻撃すると、ツァンのライフだけがみるみる減っていく。

 ツァンは《雪花石の麒麟》をプレイし、鹿島の《雪花石の麒麟》をブロックしながら《抵抗の妙技》でサイズアップするなど盤面の維持に努力をするものの、《風番いのロック》と鳥・トークンは容赦なく殴りかかってくる。《風番いのロック》の効果でライフゲイン、ブロックされなかった鳥・トークンがツァンのライフを削っていくという、全くダメージレースにもならない展開。

 鹿島がそのまま押し切り、初日を9戦全勝で折り返すこととなった。おめでとう鹿島彰浩!!

鹿島 2-0 ツァン
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