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グランプリ・静岡2015

観戦記事

第11回戦:牛尾 淳志(高知) vs. 齋藤 友晴(千葉)

By 小山 和志

 ショップオーナー、プロプレイヤー、プロツアー・チャールストン王者、プレイヤー・オブ・ザ・イヤー、etc...マジック界で齋藤友晴という人を表現する言葉はあまりにも多すぎる。かつてThe Finals99で衝撃的な優勝を遂げた少年は、数々の栄光と挫折を経験しながらマジックとともに育ち、大人となり、そして一児の父となった。家族ができ、仕事が多忙になったこともあり、かつてほど精力的に世界中のグランプリを回っているわけではないが、それでも彼のマジックに対する情熱は変わらず続いていて、猛練習を積んで参加しているこのグランプリ・静岡2015でも見事2日目に進出し、トップ8を狙える位置につけている。

 齋藤のデッキはジェスカイカラーのコントロールデッキで。《ジェスカイの隆盛》と《悟った達人、ナーセット》、《内向きの目の賢者》という氏族を代表する3枚のレアを擁する強力デッキだ。

 対するは、遠路はるばる高知からこの静岡へとやってきた牛尾淳志だ。彼のデッキはオーソドックスなマルドゥで、基本的には横に並べて《戦場での猛進》で殴り勝ちを目指す。こちらも氏族を代表する《軍族の解体者》という爆弾レアを手にしており、攻めの牛尾、守りの齋藤という構図が見て取れるマッチアップとなった。

 対戦相手の牛尾が彼のショップである晴れる屋が作成したライフメモを使っていることもあり、メモ帳についてなんやかんや談笑しながら、和やかな雰囲気で試合が始まった。

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牛尾 淳志 vs. 齋藤 友晴

ゲーム1

 ファーストアクションは先手牛尾から。2、3ターン目に《ジェスカイの学徒》を連続展開する立ち上がり。対する齋藤のスタートは3ターン目に青白赤の3色をそろえ《ジェスカイの隆盛》から。牛尾は返すターンに《戦場での猛進》で一挙8点のダメージを与え、クリーチャーがいない隙にダメージを重ねていく。

 守る齋藤は《停止の場》で《ジェスカイの学徒》の片割れを取り払うと、《まばゆい塁壁》を呼び出し地上の防御網を固め始める。

 クリーチャーが追加できない牛尾は《反逆の行動》で《まばゆい塁壁》を奪い、《果敢な一撃》で《ジェスカイの学徒》で果敢しながらなんとかダメージを与えていく。これで齋藤のライフは7。

 しかし、齋藤の守りは堅かった。《塩路の巡回兵》、《イフリートの武器熟練者》と突破が困難なクリーチャーを続けて召喚し、防御を固めながら反撃を開始する。さらに、《塩路の巡回兵》と《イフリートの武器熟練者》でアタックすると、《ジェスカイの魔除け》を絆魂モードで使用し、《ジェスカイの隆盛》の効果と合わせて一挙10点ダメージ&回復!

 牛尾は《子馬乗り部隊》でなんとかブロッカーを確保はするものの、《宝船の巡航》でさらにアドバンテージをとっていく齋藤を見て、逆転は不可能と判断したのか頷きながらカードを片付けた。

牛尾 0-1 齋藤

守る齋藤

 まずは齋藤が牛尾の攻撃を受けきり一本目を先取した。齋藤のデッキにはタフネスの高いクリーチャーが多く入っており、牛尾がこれを突破するには一工夫が必要か。

ゲーム2

 ともに7枚を即決キープでのスタート。やはり口火を切ったのは牛尾。《戦名を望む者》から、《マルドゥの軍族長》と理想的なスタートでライフレースを開始する。一方の齋藤はこの環境でよく見られる3ターン目の変異(《隠道の神秘家》)からスタート。これが《戦名を望む者》と相打ちを取り、牛尾の攻勢を捌きに行く。

 牛尾が《ジェスカイの学徒》、齋藤が変異を追加した次のターン、牛尾はまたも《戦場での猛進》。《マルドゥの軍族長》こそ《僧院の群れ》を表にし受け止めるが7点のダメージを受ける。

 齋藤は《停止の場》で《マルドゥの軍族長》をストップするが、赤マナが出ずそれ以上アクションできない。《ジェスカイの学徒》は止まっているが、《マルドゥの軍族長》の残したトークンがダメージを刻み始め、ついに齋藤のライフは6へと落ち込む。なんとか赤マナのかからないブロッカーとして《塩路の巡回兵》を加えるが、ここから牛尾が詰め将棋を開始する。1/1トークンをブロックした《塩路の巡回兵》を《騎乗追撃》で葬り、まず1点。強襲での《矢の嵐》が降り注ぎ5点で、ピッタリ齋藤のライフは0になったのだった。

牛尾 1-1 齋藤

 2本目は牛尾が攻めを繋ぎ齋藤を押し込んだ。タイとなったことで、続く最終ゲームに向けて一気に緊張感がほとばしる。果たして、牛尾が再度攻めきるか、それとも齋藤が受けきるか。

ゲーム3

 先手後手の選択権がある齋藤が長考する。彼のデッキは後手を取りたい構成なのだろうが、牛尾のビートダウンに対して先手を与えることがどれほどのリスクになるだろうか。事実、先ほどは押し切られているだけに齋藤は顔をしかめながら考える。結局、意を決して後手を選んで最終ゲームが開始された。

 今度は牛尾に序盤の動きはない。ファーストアクションは、齋藤の3ターン目《マルドゥの軍族長》。牛尾は3ターン目に《血溜まりの洞窟》を置いていたため、遅れて4ターン目に変異を召喚する。ここで牛尾の土地が止まったのを確認した齋藤は《ジェスカイの魔除け》で一度足止めすると、《まばゆい塁壁》、続くターンには《沸血の導師》と高い壁を並べて、地上戦線を固めていく。

 ここから土地を引き込み始めた牛尾は、手を変え品を変え齋藤の防御網の突破を試みる。まずは《戦名を望む者》と《マー=エクの夜刃》を召喚し、接死での突破を図る。これはみたび《停止の場》が《マー=エクの夜刃》を追いやることで不発に終わる。

 今度は数だ、と《子馬乗り部隊》でトークンを生み出し、《戦場での猛進》を匂わせる。だが、そのトークンは《石弾の弾幕》で一気に葬られ、思うように攻撃を継続できない。

 ならば、と牛尾は《グルマグの速翼》と《跳躍の達人》で空からの攻撃を試みるが、ここで齋藤の次の一手は《内向きの目の賢者》! 牛尾はこちらも強力な《軍族の解体者》で対抗するものの、《まばゆい塁壁》でタップされ続け、思うようにダメージを与えられない。


攻める牛尾

 そして、ここから守り切った齋藤の反撃が開始される。まずは《雪花石の麒麟》でアタッカーとブロッカーを確保すると、《宝船の巡航》で手札を拡充。《内向きの目の賢者》の能力が誘発し、《マルドゥの軍族長》、《内向きの目の賢者》、《雪花石の麒麟》で7点。この一撃でコツコツ削った齋藤のライフが一気に引き上げられ、牛尾は「キツイな」と呟く。

 《イフリートの武器熟練者》が《内向きの目の賢者》に力を与え牛尾のライフは4。なんとか《贈賄者の財布》で足止めを画策するが、できたのは足止めでしかなかった。齋藤は《悟った達人、ナーセット》と《ジェスカイの隆盛》を展開し、ジェスカイオールスターとでも言うべき陣容を築き上げた。

ジェスカイオールスターズ勢揃い!

 そして、最後は《悟った達人、ナーセット》が《打ち倒し》、《抵抗の妙技》をめくり、齋藤が数多くの誘発型能力に戸惑っていると、牛尾は笑顔で「死んでますね」とカードを片付けたのだった。

牛尾 1-2 齋藤

 齋藤Wins!

 試合後、齋藤にデッキについて尋ねてみた。「ジェスカイは一番デッキのパターンが多いよ。果敢で攻めることもあるし、今回みたいにコントロールになることもあるよ」と笑顔で語ってくれた。マジックについて話す時の彼の笑顔はまるでマジックが大好きな少年のようだった。

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