EVENT COVERAGE

グランプリ・静岡2015

観戦記事

第12回戦:マツシタ(静岡) vs. 山本 賢太郎(埼玉)

矢吹 哲也

 グランプリ・静岡2015は2日目、第1ドラフトの最終戦を迎えた。ここではドラフト・ピックを追った山本 賢太郎の試合に注目する。

 山本は《境界の偵察》や《苦々しい天啓》などで墓地と手札を広く使い、強力な「探査」クリーチャーを活かす戦略で、本日ここまでの2戦を勝利してきた。昨年大きな活躍を見せた彼だが、新年のスタート・ダッシュを決めるためにもここでもうひとつ勝ちを重ね、勢いをつけて第2ドラフトに向かいたいところだ。

 山本に対するのは、開催地静岡から参加のマツシタ。こちらも初日を1敗で抜け、2日目もここまで勝ち進んでいる。彼のドラフトしたマルドゥは、ビッグ・プレイヤーに土をつけることができるだろうか。

R12_matsushita_yamamoto.jpg
ここで1敗を守り、第2ドラフトへ弾みをつけるのはどちらか。

ゲーム展開

 ダイス・ロールに勝利すると、マツシタは顎に手をかけて少し時間を置き、先手を宣言した。初動は山本の《縁切られた先祖》。山本は続くターンにこれを「長久」し、次のターンにもう一度重ねる。

 一方のマツシタは「変異」クリーチャーから《雪花石の麒麟》と展開。山本も「変異」クリーチャーを繰り出し、「長久」により2/6となった《縁切られた先祖》を立たせてターンを渡す。

 ターンを迎えたマツシタは少考し、「変異」クリーチャーを攻撃に向かわせた。ブロックに入った山本の《縁切られた先祖》に《絞首》を差し向け、これを討ち取る。山本はすぐさま《スゥルタイのゴミあさり》で戦線を維持。なおも向かってくるマツシタに対して再びブロックに入るが、これも《打ち倒し》で除去された。

R12_matsushita.jpg
軽く素早いクリーチャーと除去でアグレッシブに攻める、マツシタのマルドゥ。

 《ラクシャーサの秘密》で《マルドゥの戦叫び》を2枚墓地へ送ったものの、マツシタの「変異」クリーチャーは表になり《アイノクの足跡追い》が姿を現す。さらに、《わめき騒ぐマンドリル》を展開し守勢に回る山本に対し、マツシタは《マルドゥの荒くれ乗り》、《雪花石の麒麟》と畳み掛ける。最後までクリーチャーの勢いを維持したマツシタが、ゲーム1をもぎ取った。

 

 2ゲーム目は、マツシタの1ターン目《血に染まりし勇者》が素早く戦端を開いた。初動が3ターン目の「変異」クリーチャー展開である山本に対し、攻勢を仕掛ける。

 山本はこれを冷静に「変異」クリーチャーでブロックすると、それを――《シディシのペット》を表返し、防御に成功した。マツシタも「変異」クリーチャー、《アイノクの足跡追い》を表にして攻撃を続けたが、しかし今度は山本の展開力がマツシタを上回り、マツシタは大型のクリーチャーを前に窮地へ追いやられていく。

R12_battlefield.jpg
クリーチャー・サイズに勝る山本がマツシタを追い詰める。

 マツシタの手札には《雪花石の麒麟》が2枚あるのだが、白マナの出る土地がない。《マルドゥの戦叫び》から捻出したマナで1体は展開するものの、このゲーム中に2度唱えられた《苦々しい天啓》から続々と現れる山本の軍勢に、ついに膝を屈したのだった。

 

 勝負は3ゲーム目までもつれ込み、残り時間も気になる中で、山本が再び《縁切られた先祖》を「長久」するところからゲームをスタートさせた。さらに《蔑み》を放つと、《絞首》、《果敢な一撃》、《マルドゥの戦叫び》、そして残りが土地というマツシタの手札が明かされる。

 クリーチャーを手札から失ったマツシタはそれでも、その後すぐに「変異」クリーチャーを引き込み、《絞首》を絡ませた戦闘で山本の盤面から2体のクリーチャーを退場させた。マツシタは続けて、《遠射兵団》を繰り出した山本に対しマナを残しながら「変異」クリーチャーで攻撃すると、「探査」から《よろめく従者》を展開してターンを渡す。

 だが山本も《牙守りの隊長》と《スゥルタイのゴミあさり》を同時展開し盤面を押し返した。さらに続くターンには「変異」クリーチャーを2体続けて繰り出し、山本のクリーチャーたちが戦場を支配する。

R12_yamamoto.jpg
山本は優秀な「探査」クリーチャーと《苦々しい天啓》で、クリーチャー攻勢を緩めない。

 厳しい戦いに追い込まれるマツシタ。山本は守りを維持しつつ冷静にクロックを刻む。

 逆転の目にかけて、反撃するマツシタ。ライフ自体は互いにひと桁と接戦だが、物量と、《シディシのペット》の1点回復が山本に優位を与える。

 マツシタは《マルドゥの荒くれ乗り》を引き込み、それを戦場に送ると望みをかけて山本のターンを見守った。だが山本の手札から《暴風》が放たれると、ブロッカーを1体失ったマツシタの軍勢では山本の攻撃を抑えることが叶わなかった。

マツシタ 1-2 山本

「クリーチャーのサイズ差と《苦々しい天啓》のハンド差、厳しかったです」

 悔しい思いに肩を落としながらも、マツシタは真摯に敗北を受け止める。山本は勝利を積み重ねるべくフィーチャー・マッチ・エリアをあとにし、マツシタもここで踏み留まるべく次戦を見据えた。

 覇者を巡る8人が決定するまで、残り3ラウンド。

  • この記事をシェアする

RESULTS

RANKING

NEWEST

サイト内検索