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【観戦記事】 準々決勝:孫 博/Sun, Bo(中国) vs. 中野 真司(東京)

【観戦記事】 準々決勝:孫 博/Sun, Bo(中国) vs. 中野 真司(東京)

By 小山 和志

 2敗でスイスラウンドを終えながらこの準々決勝の場に立てなかった者たちがいる。オポネント・マッチ・ウィン・パーセンテージ、ゲーム・ウィン・パーセンテージの差で涙を飲んだ者たちがいる。その中の一人、和田 寛也(東京)は「ごめんね、勝てなかったよ」と悔しさを滲ませながら、それでも笑顔で爽やかに「記事、頑張って」と筆者を激励してくれた。今、彼らの胸中はいかばかりか。

 そして、そんな無念を抱えながら散って行った戦士たちの上に立ち、今ここにグランプリ・静岡2015、トップ8の面々が集う。

 唯一残った海外勢、孫 博/Sun, Bo。前回日本で行われたグランプリ・神戸2014でもトップ8の成績を残しており、準々決勝では優勝者の覚前とバーンのミラーマッチで死闘を演じたプレイヤーだ。「前回は負けて悔しい思いをした。なんとか中国にグランプリタイトルを持ち帰りたい」とタイトル獲得に念を燃やす。

 対する中野真司はMagic Onlineでこのグランプリに向けて研鑽を積んできた。幾度もシールドとドラフトの練習を重ね、このグランプリトップ8までたどり着いた。果たして、Magic Onlineからの刺客の腕前はどれほどのものか。

 グッドラックと中野が声をかけ、試合が開始された。


孫 博/Sun, Bo

ゲーム1

 ファーストアクションは先手中野の《マルドゥの頭蓋狩り/Mardu Skullhunter(KTK)》。まずはクロックを、と強襲せずに降り立たせる。対する孫は《無情な切り裂き魔/Ruthless Ripper(KTK)》からのスタート。中野は《マルドゥの頭蓋狩り/Mardu Skullhunter(KTK)》で攻撃した後小考する。手札に4枚目の土地が無く、かつ《吠える鞍暴れ/Bellowing Saddlebrute(KTK)》があるため、マナを伸ばすかクリーチャーを展開するかで悩んでいるようだ。結局、《マルドゥの戦旗/Mardu Banner(KTK)》でマナを伸ばすことを選択する。

 孫は《ラクシャーサの秘密/Rakshasa's Secret(KTK)》でアドバンテージを取りに行く。2枚の手札を失った中野は《吠える鞍暴れ/Bellowing Saddlebrute(KTK)》でプレッシャーをかけていく。孫は《スゥルタイのゴミあさり/Sultai Scavenger(KTK)》をプレイし、《無情な切り裂き魔/Ruthless Ripper(KTK)》を立たせ守りを固める。土地が3枚で止まってしまっている孫にとってはここが耐え時だ。

 これに対し、中野は勇敢にも自らのクリーチャーを2体とも攻撃へと向かわせる。《スゥルタイのゴミあさり/Sultai Scavenger(KTK)》が《マルドゥの頭蓋狩り/Mardu Skullhunter(KTK)》を、《無情な切り裂き魔/Ruthless Ripper(KTK)》が《吠える鞍暴れ/Bellowing Saddlebrute(KTK)》をブロック。中野は《マルドゥの頭蓋狩り/Mardu Skullhunter(KTK)》に《抵抗の妙技/Feat of Resistance(KTK)》をキャストし、《スゥルタイのゴミあさり/Sultai Scavenger(KTK)》を葬ると、戦闘終了後に変異を展開し、手札を使い切った。

 アドバンテージで勝る孫は《苦々しい天啓/Bitter Revelation(KTK)》でさらに手札を整えるが、盤面では完全に中野に押されている。その中野は攻撃後、変異を表にする。これが《アブザンの先達/Abzan Guide(KTK)》で、一気にダメージレースで孫を引き離す。孫は下唇を突き出して渋い顔だ。孫のキャストした《真珠の達人/Master of Pearls(KTK)》と《マルドゥの頭蓋狩り/Mardu Skullhunter(KTK)》が相打ちになり、《アブザンの先達/Abzan Guide(KTK)》がクロックを刻む。

 孫はふたたび《スゥルタイのゴミあさり/Sultai Scavenger(KTK)》を召喚。中野は《マルドゥの隆盛/Mardu Ascendancy(KTK)》をキャスト。これに対応して孫は《絞首/Throttle(KTK)》をプレイするが《アブザンの魔除け/Abzan Charm(KTK)》で守り、何とかプレッシャーを継続する。

 だが次のターン、《アブザンの先達/Abzan Guide(KTK)》に《必殺の一射/Kill Shot(KTK)》が飛ぶと、中野はこれをかわすことがことができない。ここで孫は《マルドゥの荒くれ乗り/Mardu Roughrider(KTK)》、変異2体と展開して一気に中野を逆転する。

 手札の少ない中野は懸命にゲームを続けるが、この状況を打破することはできず、「I concede.」とカードを畳んだ。

孫 1-0 中野

中野 真司

ゲーム2

 後手の孫が《縁切られた先祖/Disowned Ancestor(KTK)》から長久を始めるスタート。中野は《マルドゥの戦旗/Mardu Banner(KTK)》でマナを伸ばす立ち上がり。続いて《無情な切り裂き魔/Ruthless Ripper(KTK)》と《マルドゥの隆盛/Mardu Ascendancy(KTK)》を展開し、さらに《スゥルタイのゴミあさり/Sultai Scavenger(KTK)》、《吠える鞍暴れ/Bellowing Saddlebrute(KTK)》と毎ターン連打し、一気に押し切る構えを見せる。一方で孫は《スゥルタイのゴミあさり/Sultai Scavenger(KTK)》には《打ち倒し/Bring Low(KTK)》、《吠える鞍暴れ/Bellowing Saddlebrute(KTK)》には《はじける破滅/Crackling Doom(KTK)》で対処、さらにブロッカーとして《雪花石の麒麟/Alabaster Kirin(KTK)》を用意し中野のトークン量産を許さない。

 次に中野が呼び出した《アイノクの盟族/Ainok Bond-Kin(KTK)》を前に孫は考える。まずは《ラクシャーサの秘密/Rakshasa's Secret(KTK)》で中野の手札を全て捨てさせると、《スゥルタイのゴミあさり/Sultai Scavenger(KTK)》で防御を固める。厄介なのはクリーチャー自体ではなく、《マルドゥの隆盛/Mardu Ascendancy(KTK)》なのだ。まずは着実に脅威の数を減らしていこうと、《無情な切り裂き魔/Ruthless Ripper(KTK)》を《縁切られた先祖/Disowned Ancestor(KTK)》でブロックする。これで中野の下に残ったのは《クルーマの盟族/Krumar Bond-Kin(KTK)》だけだ。


準決勝に向け火花を散らす。

 ここで孫は《スゥルタイのゴミあさり/Sultai Scavenger(KTK)》で攻撃を始め、変異を2体続けて召喚。クリーチャーの数で圧倒し始める。そして追加のクリーチャーを呼び出せない中野のライフを着々と削り始める。

 しかし、孫のライフを7まで落としている中野は一発逆転の策を持っていた。フルアタックを敢行してきた孫に対し、まず《武器を手に/Take Up Arms(KTK)》をブロッカーとしてキャスト。変異をブロックしたところで《マルドゥの隆盛/Mardu Ascendancy(KTK)》を生け贄に捧げる。これで何もなければ返すターンにライフをもぎ取ることができる。

 だが、手札を抱える孫は対応策を持っていた。《絞首/Throttle(KTK)》を《クルーマの盟族/Krumar Bond-Kin(KTK)》へとキャストする。これで貴重なアタッカーを失った中野は、孫のライフを削りきる手段が無かったのだった。

孫 2-0 中野

 孫 博が勝利し、準決勝進出!

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