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【観戦記事】 第9回戦:Heng, Chye Hwee(シンガポール) vs. 齋藤 友晴(東京)

【観戦記事】 第9回戦:Heng, Chye Hwee(シンガポール) vs. 齋藤 友晴(東京)

By 矢吹 哲也

 初日全勝を懸けた戦いの舞台へ筆者が向かうと、ここで雌雄を決するヘン・チャイフィー/Heng, Chye Hweeと齋藤 友晴はすでに席に着き、談笑を楽しんでいた。

 聞けば2年ほど前に対戦したことがあるらしく、「見た目が変わっていたから気づかなかったよ」と齋藤は笑う。

 続けて筆者がヘンの名前の発音を確認すると、齋藤は「チャイ? さっきは『チャン』と当たったよ、香港の」と雑談の種にする。彼を含め、ベテラン・プレイヤーたちは独特の「雰囲気作り」を試合前に行うのがよく見受けられる。

 それは、これから始まるゲームをもっと楽しむために他ならない。たとえ競技の世界であっても、和やかにプレイすることでより楽しくなることを、彼らはよく知っているからだ。

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ヘン vs. 齋藤。初日全勝を懸けた緊張の一戦も和やかに。

ゲーム展開

 マリガン・チェックの前に齋藤は自身の両頬を叩き、気合を入れた。果たして両者キープを宣言すると、先手のヘンは早速1ターン目《帆綱走り》を繰り出し、続くターンに攻撃に出た。それでも齋藤が《司教の兵士》で対抗すると、ヘンは《激情の猛竜》を加えて攻撃の手を止める。

 齋藤の攻撃をヘンは《激情の猛竜》で相打ちに取った。齋藤は続けて《駆り立てる僧侶》を繰り出し、ヘンは残る《帆綱走り》に《風と共に》をエンチャントしたが、クリーチャーでの殴り合いを嫌ったか攻撃には出ない。

 その後も盤面にクリーチャーを追加できないヘンに対して、齋藤は2体目の《司教の兵士》と《ティロナーリの騎士》を展開した。盤面に圧力をかけられたヘンは、《帆綱走り》で反撃すると《突進するモンストロサウルス》で守りを固める。

 齋藤はその後も《薄暮の賛美者》、《縄張り持ちの槌頭》、《巣荒らし》と戦線を広げていく。ヘンは《海賊のカットラス》を《身勝手な粗暴者》に装備して反撃。しかし齋藤はその返しに全軍で攻撃を繰り出すと、一挙12点ものダメージをヘンに与えた。最後は《風雲艦隊の紅蓮術士》の能力を本体へ直接撃ち込み、ヘンに投了を迫った。

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「ボムはないが綺麗に組めた」と自信を覗かせるデッキを手に、1勝を得た齋藤。

 第2ゲームも同様に、齋藤は自身の両頬を叩き気合を入れた。しかし手札をしばらく見たのちに、彼はマリガンを宣言する。対するヘンは7枚のカードを一度置き、キープの意思を示した。再び両頬を叩き続く6枚を見た齋藤は、キープを宣言。第2ゲームが始まった。

 ファースト・アクションはヘンの《難破船あさり》。しかしファースト・ダメージは、その返しのターンに《巣荒らし》を繰り出した齋藤のものになった。

 ヘンはこのゲーム、《財力ある船乗り》と《源流の歩哨》で守りを固めることを優先した。その後《難破船あさり》へ《風と共に》をエンチャントし、速いクロックを刻み始める。「地上を固めて空から殴る」の王道戦略だ。

 それでも齋藤は、この危機を《軍団の裁き》で乗り切った。ヘンの攻勢が止まったところへ《風雲艦隊の放火魔》を展開すると、続く攻撃を《源流の歩哨》で受け止めさせ、《風雲艦隊の紅蓮術士》の「強襲」能力で焼き払おうとする。だがヘンは《セイレーンの策略》でこれをかわした。

ヘンは呪文を駆使し、守りのかなめを支える。

 齋藤は今度は《吸血鬼の士気》を用いて《源流の歩哨》の突破を図るが、ヘンはそこへ《座礁》を撃ち込んだ。しかし齋藤は続けて《火炎砲発射》を放ち、ついに《源流の歩哨》は墓地へ送られた。

 これでヘンを守るものは《風と共に》と《海賊のカットラス》のついた《財力ある船乗り》のみ。盤面の守り手を増やすことができない。

 対照的に戦線を横に広げた齋藤は、ついに全軍攻撃を敢行した。ヘンは少ない手勢によるブロックでライフを守ることはできたものの、この戦闘ですべてのクリーチャーを失った彼は続くドローを確認して右手を伸ばしたのだった。

ヘン 0-2 齋藤

 「久しぶりのグランプリ初日全勝!」と齋藤は小さく拳を握った。大会はまだ折り返しだが、十分な手応えを感じているようだ。彼はグランプリ・コロンバス2010以来となる「久しぶりのグランプリ優勝」を目指し、明日の戦いに臨む。

齋藤 友晴がヘン・チャイフィーを2連勝で下し、初日全勝!

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