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クイック・インタビュー――『異界月』最新カードの第一印象は?

By 矢吹 哲也

 今週のはじめ、動画コンテンツ「Access Magic:『異界月』 第1話」にて、7月22日発売の最新セット『異界月』に収録されるカードが公開された。

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 イニストラード次元に広がる狂気の根源、エルドラージの巨人3体の中でも最強の1体が、ついにその姿を現したのだ。そしてその後も立て続けに最新カードが発表され、プレビュー・ウィークを前にして世界中のマジック・ファンの耳目を集めることになった。

 正式なプレビュー・ウィークは週明け月曜(日本時間では24時前後)より開始となり、まだまだこの最新セットの全容は計り知れないものの、今大会に出場しているプレイヤーたちに今週公開された3枚のカード(《約束された終末、エムラクール》、《爪の群れのウルリッチ》、《久遠の闇からの誘引》)について第一印象を尋ねてみた。(※《のたうつ居住区、ハンウィアー》は現時点で明かされていない部分があるため、今回は割愛する。)

約束された終末、エムラクール

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覚前 輝也(以下、覚前)

覚前「(スタンダードで)『エルドラージを活躍させたいんだな』という印象を受けました。また、ランプ系のデッキでマナ加速から繋げるものが《絶え間ない飢餓、ウラモグ》や《世界を壊すもの》くらいしかなかったので、そこは追い風になるかな」


松本 友樹(以下、松本)

松本「強いですね。現時点での話になりますが、コストは4マナ程度軽減して使うことが想定でき、唱えたときの能力では2、3枚分以上のカード・アドバンテージを相手に失わせることが期待できます。ちょうど《絶え間ない飢餓、ウラモグ》並か、それ以上の活躍が見込めると思います」


市川 ユウキ(以下、市川)

市川「強そう。つい先日サイドボードのルール変更が発表されて(参考:リンク先は英語)、対戦相手のコントロールを奪ってもサイドボードを見られなくなったんですけど、これはこのカードが構築で使われることを開発側が意図してのことだと確信しています」


行弘 賢(以下、行弘)

行弘「スタンダードではちょっとコストが重いんじゃないかと思います。ランプ系のデッキで使うなら《絶え間ない飢餓、ウラモグ》の方が強力で、コントロールのフィニッシャーにするには間に合わないのかなと。もちろん他のサポートにもよりますが、今のままでは難しいかもしれませんね。下の環境ならさらに唱えやすくなるので、『トロン』とかで活躍するかもしれません」


津村 健志(以下、津村)

津村「僕エムラクール大好きなんで、今のところこれしか目に入ってません(笑) 9マナか8マナくらいで唱えられるので、ちょっとでもゲームが長引けば飛び出してくる、かなりインパクトのある1枚だと思います。《先駆ける者、ナヒリ》の最終奥義でも繰り出せるため、《先駆ける者、ナヒリ》の評価も一緒に上がるんじゃないでしょうか。ストーリーとの絡みも見事だし、本当に素晴らしいカードですね」

爪の群れのウルリッチ》/《揺るぎない頭目、ウルリッチ

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覚前「狼男の救世主には......なれないかな。+4/+4の修整を与える能力にトランプルが欲しかった」

松本「赤緑の決定打には《アーリン・コード》しかなかったので、他に2、3マナ域の攻撃的なカードが収録されれば、デッキができるかもしれないです。ただ、アグレッシブなデッキだと《爪の群れのウルリッチ》を繰り返し『変身』させて運用するのは難しいので、そこは懸念点ですね」

市川「表のサイズが《大天使アヴァシン》に討ち取られるのはツライですが、どちらの能力も強力なので、先出しによる駆け引きは生まれるのかなと思います」

行弘「5マナの狼男が『変身』することはあまり期待できないですね。それから、伝説であるのが気になります。使うなら2、3枚採用して並べたいカードなんですけど、伝説がネックになる。でもカードとしては強力なので、今のままでは使いにくい、というのが現時点での評価ですね。噛み合うデッキが現れれば、かなり強いと思いますよ」

津村「これも強そうですね。カード単体で強いと思います。《アーリン・コード》も高く評価しているので、あとは3マナ以下のクリーチャーが充実すれば赤緑も十分に成立するかと」

久遠の闇からの誘引

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覚前「これは他のカード次第ですかね。ランプ系のデッキは好きなんですが現時点ではパーツが足りていない印象を持っているので、組めるようになったら嬉しいです」

松本「ソーサリーであるのが難しいです。『赤青エルドラージ』のようなデッキがサイドボードに《絶え間ない飢餓、ウラモグ》や《約束された終末、エムラクール》を挿して引っ張ってくる、という動きができるでしょうか」

市川「僕こういう『子どもに優しい』カード好きなんですよね。(神話レアの)エルドラージを1枚しか買えない子どもたちも、これを使えば5枚分に! ただ、『ゲームの外部からエルドラージ・カード1枚を』と書いてあるけど、ストレージ・ボックスを引っ張り出してきて《真実の解体者、コジレック》とかを持ってくることはできないから、それは注意してね、と子どもたちにメッセージを送りたいです」

行弘「これは......ちょっと何とも言えないです(笑) 下の環境で何かしらのコンボに使えるのかな......同じくカード・タイプを参照する《約束された終末、エムラクール》の存在も考えると、もしかしたら『部族のカード・タイプを持つカード』が登場するのかも?」

津村「未知数! モダン以下のフォーマットなら《全ては塵》といったクリーチャー以外のカードも持ってくることができるので、便利ですかね」


 以上のように、まだ情報が出揃っていないながらも様々な意見を聞くことができた。新カードの情報は、これから続々と明らかになっていくだろう。週明けからのプレビュー・ウィークもお見逃しなく。

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