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【観戦記事】 第14回戦:Shawn McNeace(沖縄) vs. 中道 大輔(東京)

【観戦記事】 第14回戦:Shawn McNeace(沖縄) vs. 中道 大輔(東京)

By 矢吹 哲也

 グランプリ終盤の上位卓、すなわちトップ8入賞の目があるプレイヤーたちに見受けられる光景はいくつかある。圧倒的強さで勝利を重ね、この時点でトップ8入賞を決めている者。かなり良い位置につけているものの、ここで勝利してトップ8入賞を確定させたいと闘志を燃やす者。そして――後がない状態に追い詰められながらも、歯を食いしばって上を見て、登らんとする者。

 ここで取り挙げるのは、後がないふたり――ここまでで2敗を喫し、トップ8入賞のためにはもうひとつも負けが許されない両名だ。

 ショーン・マクニース/Shawn McNeaceは、最近国内グランプリでも上位卓でフィーチャーされることの多い沖縄在住のアメリカ人。先日行われたグランプリ・東京2016でも使用していた「バント・カンパニー」を手に、彼は今大会でもトップ8入賞を狙える位置に来ている。

 対する中道はPWC(Planes Walker's Cup)での活躍目覚ましい、関東ではその名を知らぬ者がいないとされるプレイヤー。自身初のグランプリ・トップ8入賞のチャンスを得た彼は、今大会では珍しい「アブザン・ミッドレンジ」に望みをかける。「白緑」に黒をタッチすることで《究極の価格/Ultimate Price(DTK)》や《ゲトの裏切り者、カリタス/Kalitas, Traitor of Ghet(OGW)》、《乱脈な気孔/Shambling Vent(BFZ)》を採用できるようになり、同系に強い形に仕上げたという。


マクニース vs.中道。最後の最後まで正念場は続く。

ショーン・マクニース(バント・カンパニー)vs.中道 大輔(アブザン・ミッドレンジ)

 動き出しは先手の中道。2ターン目に《森の代言者/Sylvan Advocate(OGW)を繰り出すと、《薄暮見の徴募兵/Duskwatch Recruiter(SOI)》を送り込んだマクニースに対して2体目の《森の代言者/Sylvan Advocate(OGW)》で睨みを利かせる。しかしそこへ《石の宣告/Declaration in Stone(SOI)》が撃ち込まれ、序盤の優位はマクニースが握ることになった。

 中道は《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》からトークンを生み出すと、続くターンにはこれを「紋章」に変え、2枚目の《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》へバトン・タッチ。ひと回り大きなクリーチャー・サイズを獲得した彼は、マクニースの横の展開に食らいつく。


エムラクールが描かれたシャツを身につけ、中道を追い詰めるマクニース。

 しかしその後、《巨森の予見者、ニッサ/Nissa, Vastwood Seer(ORI)》と《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn's Prodigy(ORI)》も「変身」させたマクニースの物量に押され、中道は防戦を余儀なくされた。《束縛なきテレパス、ジェイス/Jace, Telepath Unbound(ORI)》によって繰り返し放たれる除去を前に、ついに彼を守る軍勢は消耗し尽くし、残り9点のライフはあっという間に削り切られたのだった。


追い詰められた中道。ここを耐えることができるか。

「Good luck」と声をかけ合い始まった第2ゲーム、中道は《死天狗茸の栽培者/Deathcap Cultivator(SOI)》、マクニースは《森の代言者/Sylvan Advocate(OGW)》でゲームを始める。中道が3ターン目に繰り出した《不屈の追跡者/Tireless Tracker(SOI)》は除去を受けず、ここから毎ターン彼に潜在的なアドバンテージを与えていく。続けて中道の盤面に現れた《ゲトの裏切り者、カリタス/Kalitas, Traitor of Ghet(OGW)》は《集合した中隊/Collected Company(DTK)》から飛び出した《反射魔道士/Reflector Mage(OGW)》で対処したものの(もう1体は《巨森の予見者、ニッサ/Nissa, Vastwood Seer(ORI)》)、1ゲーム目と比較してマクニースの盤面への干渉力が乏しいことは明確だった。

 それでも彼は、「相手の盤面へ干渉できないなら自身の盤面で押し潰すまでだ」と言わんばかりにクリーチャーを展開。一方、このゲームでは中道の方が除去でマクニースの軍勢を削り取っていく。

 だがここで、マクニースは《ゲトの裏切り者、カリタス/Kalitas, Traitor of Ghet(OGW)》を《石の宣告/Declaration in Stone(SOI)》で退場させることに成功した。彼は6枚目の土地が置かれて4/5となった《森の代言者/Sylvan Advocate(OGW)》2体で攻撃。中道は《不屈の追跡者/Tireless Tracker(SOI)》で1体を相討ちに取る。

 中道の盤面には《保護者、リンヴァーラ/Linvala, the Preserver(OGW)》が続き、地上・空中の両面からマクニースを包囲していった。《精霊信者の賢人、ニッサ/Nissa, Sage Animist(ORI)》がマクニースに《大天使アヴァシン/Archangel Avacyn(SOI)》をもたらしたものの、ブロッカーとして繰り出すことしかできない。

 この状況を救ったのは、《悲劇的な傲慢/Tragic Arrogance(ORI)》だった。立ち並ぶ互いの軍勢はリセットされ、再展開の勝負になる。だが再展開のスピードなら、《集合した中隊/Collected Company(DTK)》を擁するマクニースが有利に思われた。

 マクニースは《精霊信者の賢人、ニッサ/Nissa, Sage Animist(ORI)》の[+1]能力でアドバンテージ差をさらに広げていく。この終盤では《ゲトの裏切り者、カリタス/Kalitas, Traitor of Ghet(OGW)》もサイズ不足となり、《ドロモカの命令/Dromoka's Command(DTK)》による格闘で狙われたところを《大天使アヴァシン/Archangel Avacyn(SOI)》で救おうとした中道だったが、そこに2枚目の《ドロモカの命令/Dromoka's Command(DTK)》を合わせられた。ライフも追い詰められ、逆転の道がないことを確認すると、彼は手札を広げて投了の意思を示したのだった。

マクニース 2-0 中道

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