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【観戦記事】 準決勝:市川 ユウキ(神奈川) vs. Lee, Shi Tien(香港)

【観戦記事】 準決勝:市川 ユウキ(神奈川) vs. Lee, Shi Tien(香港)

By Masashi Koyama

 まるでプロツアーに迷い込んでしまったのだろうかと思うほどに豪華なマッチアップが準決勝で実現した。

 市川ユウキとリー・シー・ティエン/Lee, Shi Tien。

 両者合わせてプロツアートップ8が6回、グランプリトップ8はこのグランプリ・台北2016を含め13回と、まさにアジアのスターによる眩いばかりの対戦が始まろうとしている。

 リーにとって、このグランプリでの優勝は大きな意味がある。現在、年間プロ・ポイントが40点の彼がここでトロフィーを勝ち取れば8点のポイントを獲得し、プロツアー『異界月』に参加するだけで来期のプラチナ・プロの座が確定するのだ。

 一方の市川も、ここでの勝利は待望のグランプリ2勝目だけでなく、彼にとってもまた待望のプラチナ・レベルへ近づくことになる。

 ともに高みで戦う2人は、この大舞台にもかかわらず談笑しながらシャッフルを行う。

 さあ、準備は整った。

 希求してやまない光り輝く勝利を今、手に入れよう。


市川ユウキ vs. リー・シー・ティエン
ゲーム1

 《森の代言者/Sylvan Advocate(OGW)》の鏡打ちという、バント・カンパニーのミラーマッチでは見慣れた光景でゲームがスタート。

 市川が《ドロモカの命令/Dromoka's Command(DTK)》でリーの《森の代言者/Sylvan Advocate(OGW)》を討ち取って攻撃するも、リーは《跳ねる混成体/Bounding Krasis(ORI)》を繰り出し、相討ち。いったんは互いに戦場が空になる。

 リーは《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn's Prodigy(ORI)》を送り出すが、白マナを捻出することができず渋い顔。

 対する市川は順調に土地を伸ばし、《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn's Prodigy(ORI)》《森の代言者/Sylvan Advocate(OGW)》《不屈の追跡者/Tireless Tracker(SOI)》で戦場を固めていく。

 リーは《森の代言者/Sylvan Advocate(OGW)》《薄暮見の徴募兵/Duskwatch Recruiter(SOI)》を召喚するも一向に白マナ源をドローできず、《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn's Prodigy(ORI)》の能力で《反射魔道士/Reflector Mage(OGW)》《変位エルドラージ/Eldrazi Displacer(OGW)》と強力なカードを捨てざるを得ない。

 一方、市川はいつでもサイズアップをできる《不屈の追跡者/Tireless Tracker(SOI)》でリーのライフを削りながら《変位エルドラージ/Eldrazi Displacer(OGW)》と《薄暮見の徴募兵/Duskwatch Recruiter(SOI)》を加え、リーにプレッシャーを与え続ける。

 ここでリーは待望の白マナを引き込むと、《ドロモカの命令/Dromoka's Command(DTK)》で《変位エルドラージ/Eldrazi Displacer(OGW)》を除去。

 さらに《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn's Prodigy(ORI)》が《束縛なきテレパス、ジェイス/Jace, Telepath Unbound(ORI)》へと姿を変え、《巨森の予見者、ニッサ/Nissa, Vastwood Seer(ORI)》が盤面に加わりひとまず危機を脱した格好か。

 市川は自らも《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn's Prodigy(ORI)》を変身させると、《薄暮見の徴募兵/Duskwatch Recruiter(SOI)》、4/3の《不屈の追跡者/Tireless Tracker(SOI)》(手掛かり・トークンを3つ生け贄に捧げることのできる状況)、4/5の《森の代言者/Sylvan Advocate(OGW)》の全軍で攻撃を仕掛ける。

 ここでリーが「So difficult」と漏らすと、両者に笑みが浮かぶ。

 悩みに悩んだリーは5/6の《森の代言者/Sylvan Advocate(OGW)》で市川の4/5の《森の代言者/Sylvan Advocate(OGW)》を、《薄暮見の徴募兵/Duskwatch Recruiter(SOI)》を《薄暮見の徴募兵/Duskwatch Recruiter(SOI)》でブロックしたところで、市川からはやはり《ドロモカの命令/Dromoka's Command(DTK)》が。

 これが《森の代言者/Sylvan Advocate(OGW)》を生き残らせつつ、《不屈の追跡者/Tireless Tracker(SOI)》が《巨森の予見者、ニッサ/Nissa, Vastwood Seer(ORI)》を葬り、リーの戦場を忠誠度が2つ残った《束縛なきテレパス、ジェイス/Jace, Telepath Unbound(ORI)》と《森の代言者/Sylvan Advocate(OGW)》のみとする。


市川は鋭い目つきで攻め立てる

 ここで考えどころなのはリー。《森の代言者/Sylvan Advocate(OGW)》で《束縛なきテレパス、ジェイス/Jace, Telepath Unbound(ORI)》を攻撃すると、市川はこれをスルー。《束縛なきテレパス、ジェイス/Jace, Telepath Unbound(ORI)》を撃ち落としたリーはそのまま《変位エルドラージ/Eldrazi Displacer(OGW)》を召喚しターンエンド。

 市川は《反射魔道士/Reflector Mage(OGW)》で《変位エルドラージ/Eldrazi Displacer(OGW)》を手札に返し、意を決して《集合した中隊/Collected Company(DTK)》!

 これで2枚目の《反射魔道士/Reflector Mage(OGW)》と《巨森の予見者、ニッサ/Nissa, Vastwood Seer(ORI)》がめくれ、一時的にリーのコントロールするクリーチャーをゼロにし、《束縛なきテレパス、ジェイス/Jace, Telepath Unbound(ORI)》を墓地へ追いやると、《森の代言者/Sylvan Advocate(OGW)》まで加え、勝負を一気に決めにかかる。

 これで手札にこのターンの有効牌が無く、苦しくなったリー。遅ればせながら《不屈の追跡者/Tireless Tracker(SOI)》をプレイし、カードを引いてみるものの、残念そうに土地を畳んだのだった。

市川 1-0 リー

ゲーム2

 リーが《薄暮見の徴募兵/Duskwatch Recruiter(SOI)》、市川が《森の代言者/Sylvan Advocate(OGW)》という立ち上がり。

 リーは即座に《爪の群れの咆哮者/Krallenhorde Howler(SOI)》に変身させ、4マナをオープンで返す。そして、市川が《不屈の追跡者/Tireless Tracker(SOI)》を召喚したところで、《集合した中隊/Collected Company(DTK)》。さらに自身のターンにもう1枚をおかわりで唱える。

 だが、この2枚の《集合した中隊/Collected Company(DTK)》で送り出すことができたのは2体の《森の代言者/Sylvan Advocate(OGW)》のみ。

 一方、市川の《集合した中隊/Collected Company(DTK)》は《反射魔道士/Reflector Mage(OGW)》と《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn's Prodigy(ORI)》を呼び出し、リーには酷な展開に。

 とは言え、リーもそこはトッププロ。返す刀で唱えたのは3枚目の《集合した中隊/Collected Company(DTK)》。

 これで3枚目となる《森の代言者/Sylvan Advocate(OGW)》と《巨森の予見者、ニッサ/Nissa, Vastwood Seer(ORI)》を呼び出し、盤面を固めるとともに将来の脅威を提示してみせる。

 ......が、市川が《森の代言者/Sylvan Advocate(OGW)》を追加した次のターン、リーが信じられないミスを犯す。

 6枚目の土地を置かないままに、2体の《森の代言者/Sylvan Advocate(OGW)》で攻撃したのだ。

 市川は「2/3?」と確認を取ると、リーは目を見開いて手で顔を覆い「Oh, my god」を連発する。


思わず頭を抱えるリー

 ブロックが指定されたところで仕方なしに4枚目の《集合した中隊/Collected Company(DTK)》を唱えるも、《層雲の踊り手/Stratus Dancer(DTK)》がめくれるだけで、2体の《森の代言者/Sylvan Advocate(OGW)》をただ失ってしまったリー。すぐさま先ほど手札に返された3枚目の《森の代言者/Sylvan Advocate(OGW)》を呼び出すも、動揺の色が隠せない。

 市川は返すターン、《ドロモカの命令/Dromoka's Command(DTK)》で唯一リーの戦線を支える《森の代言者/Sylvan Advocate(OGW)》を除去すると、リーは市川に握手を求め、まるで信じられないといった風に頭を振ったのだった。

市川 2-0 リー

市川ユウキ、決勝戦進出!

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