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グランプリ・東京2016

観戦記事

準々決勝:Eng, Chu Heng(シンガポール) vs. 諸藤 拓馬(福岡)

By Sugiki, Takafumi

 長かったグランプリも残すはトップ8のシングルエリミネーションのみとなった。3300人を超えるプレイヤーによる厳しい戦いとなり、カットオフラインは2敗の上位。2敗で涙をのんだ中には、市川ユウキ、渡辺雄也などの錚々たるプレイヤーも名を連ねていることから、いかに厳しいものであったかは想像に難くないであろう。

 ここでは、このグランプリで何度もフィーチャーマッチに呼ばれている諸藤 拓馬(福岡)と、エン・チュウ・ヘン/Eng, Chu Heng(シンガポール)の対戦をお送りする。


準々決勝、エン・チュウ・ヘン vs. 諸藤 拓馬
ゲーム1

 先攻の諸藤が《梢の眺望》、《》から《ラムホルトの平和主義者》をプレイして準々決勝のゲームが幕を開けた。エンの返しのターンに動きが無かったため、《ラムホルトの平和主義者》が《ラムホルトの解体者》に変身する。さらに諸藤が《搭載歩行機械》をX=1でプレイ。

 エンのファーストアクションは《地下墓地の選別者》。対して諸藤はそれを意にも介さず、《ラムホルトの解体者》で再度攻撃を行う。これで、エンのライフは12。さらに《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を戦場に出し、[0]の能力を使って騎士・同盟者・トークンを出し、攻め手を緩めない。

 エンは《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》に対処せねばならないため、《地下墓地の選別者》で攻撃をするも、《搭載歩行機械》と騎士・同盟者トークンがそれを阻む。ここは少し早計な攻撃であったか。エンは追加の《地下墓地の選別者》、《エルフの神秘家》とプレイするも、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》への解答へはたどりつけてはいない。

 ターンが帰ってきた諸藤は、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》と《ラムホルトの平和主義者》でまたも攻撃。《エルフの神秘家》が《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》をチャンプブロックするも、《ラムホルトの平和主義者》が通り、エンのライフは8となる。

 エンはようやく《変位エルドラージ》を戦場に出し、《地下墓地の選別者》をブリンクすることで、毎ターンブロッカーを用意できる体制を整える。

 しかし、諸藤は完璧な解答を持っていた。それは《ドロモカの命令》。

 ターンの帰ってきた諸藤は《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》、《ラムホルトの平和主義者》2体、X=2の《搭載歩行機械》で攻撃。《変位エルドラージ》が《地下墓地の選別者》をブリンクするところまで進めたところで、《ドロモカの命令》をプレイ。盤面がほぼ壊滅したエンは次のゲームへ向かうことを宣言した。

エン 0-1 諸藤


諸藤 拓馬
ゲーム2

 諸藤はマリガン後の土地2枚、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》2枚、《大天使アヴァシン》、《悲劇的な傲慢》といった重ためのハンドを悩みながらキープ。

 エンは《謎の石の儀式》、《地下墓地の選別者》、そして4ターン目には、諸藤が変異で出した《死霧の猛禽》をバウンスしての《反射魔道士》、《変位エルドラージ》と軽快に展開する。

 諸藤は《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を出し[0]能力で騎士・同盟者・トークンを出すも、《反射魔道士》も《地下墓地の選別者》ともに2/3とサイズが大きく、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を守ることはできない。エンはさらに《ズーラポートの殺し屋》までプレイして、盤石な盤面を作っている。

 諸藤は《悲劇的な傲慢》を手札に持っており、5枚目の土地を引ければ場をイーブン近くまで戻せるのであるが、残念ながら引いたのはタップインの《要塞化した村》。《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》の2枚目を戦場に出し、ブロッカーを盤面に追加する選択肢しか取れない。

 2枚目の《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》も前のターンと同様のエンの攻撃で墓地に置かれ、エンは《ウェストヴェイルの修道院》をプレイしてターンを返す。これで、諸藤の《悲劇的な傲慢》に対応して《ウェストヴェイルの修道院》を《不敬の皇子、オーメンダール》にすることで、《悲劇的な傲慢》によって残るクリーチャーを《不敬の皇子、オーメンダール》にできる。

 諸藤は諦めつつ、《悲劇的な傲慢》をプレイ。当然エンは《不敬の皇子、オーメンダール》を生み出し、《ズーラポートの殺し屋》の能力で5点をドレイン。

 エンの《不敬の皇子、オーメンダール》が攻撃し、エンのライフは29となる一方、諸藤のライフは7まで落ち込む。諸藤は《不敬の皇子、オーメンダール》の攻撃を《大天使アヴァシン》で2回止めるも、《不敬の皇子、オーメンダール》への対応策を最後まで引かず、エンが星を戻した。

エン 1-1 諸藤


エン・チュウ・ヘン
ゲーム3

 諸藤は《龍王ドロモカ》、《棲み家の防御者》、《死霧の猛禽》、土地4枚というハンドをキープする。

 ゲームは2ターン目、エンの《薄暮見の徴募兵》から幕を開けた。諸藤は《死霧の猛禽》をブロッカーとして用意するも、《反射魔道士》で手札に戻り、《薄暮見の徴募兵》が攻撃。諸藤は《巨森の予見者、ニッサ》を引き込んでおり、エンの次のターンの《薄暮見の徴募兵》と《反射魔道士》の攻撃において、《巨森の予見者、ニッサ》と《薄暮見の徴募兵》が相討ちとなる。

 そして、エンは4マナを立ててターンを返す。これは明らかに《集合した中隊》の構えである。諸藤が《死霧の猛禽》、《森の代言者》と展開した終了時に、当然エンは《集合した中隊》をプレイ。これで《地下墓地の選別者》2体が戦場に加わる。そしてエンは《ウェストヴェイルの修道院》を構えてターンを返す。

 諸藤は《龍王ドロモカ》をプレイし、《死霧の猛禽》《森の代言者》《龍王ドロモカ》という強固な防御線を築き上げる。

 ここでエンは末裔・トークンからマナを出して、占術2を行った後、《ウェストヴェイルの修道院》からトークンを生み出す。そして、自らのターンには、クリーチャーを5体生け贄に捧げて《不敬の皇子、オーメンダール》に変身させ攻撃するといった、強引に諸藤のライフを削りに行くオールイン・プラン。これで、諸藤のライフは7。《龍王ドロモカ》が攻撃をして回復をしても、3ターンあれば諸藤のライフは0を割ってしまう。そして、諸藤は《不敬の皇子、オーメンダール》に対処できるカードを手札に持っていない。

 しかし、諸藤はこのゲーム最高のトップデッキを見せる。それは《停滞の罠》。

 《不敬の皇子、オーメンダール》に対処するには100点満点の解答である。諸藤は《死霧の猛禽》、《森の代言者》、《龍王ドロモカ》でエンを攻撃して自分のライフを12に引き上げつつ、エンのライフを13と致死圏内に下げる。さらに諸藤は《死霧の猛禽》の2枚目を盤面に追加。

 エンは《血統の観察者》と末裔・トークンをチャンプブロッカーとして用意することしかできず、諸藤がこの準々決勝のゲームを押し切った。

エン 1-2 諸藤

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RESULTS

対戦結果 順位
15 15
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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