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【観戦記事】 準々決勝:北山 雅也(神奈川) vs. 白石 知己(群馬)

【観戦記事】 準々決勝:北山 雅也(神奈川) vs. 白石 知己(群馬)

By Tomohiro Kaji

 『ギルド門侵犯』リミテッドのグランプリは、アメリカとヨーロッパで優に2000人を超える記録的な参加人数を叩きだしていたことから、この横浜でも日本過去最高を期待されていたのだが、まさかシールド戦が11回戦、その後ドラフトが6回戦の合計17ラウンドの後に決勝のドラフトが行われるなど、誰が想像しただろうか。

 リミテッド戦は一定試合ごとに「デッキを作る」作業が挟まれることを考えると、このTop8に残った彼らがここまでにたどり着くまで戦ってきた試合をスタンダードら構築戦のラウンドに例えれば、今は「第22回戦」の真っ最中。

 これはまるで集中力の限界へチャレンジだが、果たして誰が最後まで戦い抜くことができるのだろうか?

 マナカーブ、カードパワーともにバランスの良いオルゾフを構築した元日本チャンプの北山と、飛行、速攻クリーチャーを揃えた前のめりなビートダウンのボロスを作り上げた白石がここで激突する。

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ゲーム1

 ともに、そのギルドらしいデッキを組み上げた2人はピックの段階から明確なゲームプランを持っていたようだ。


北山 雅也

 1点でも多くのダメージを稼ぐことに集中したボロスの白石は、1ターン目からクリーチャーを展開し、《空騎士の軍団兵/Skyknight Legionnaire(RAV)》と共にビートダウンを開始する。

 猛攻を受け切り、時間さえ稼げれば6枚の強請がゲームを終わらせてくれるであろう北山は、《聖堂の金切り声上げ/Basilica Screecher(GTC)》、《スラルの寄生虫/Thrull Parasite(GTC)》と続ける。

 互いのライフは、「戦場」でのクリーチャーによる攻撃と、「スタック」上の呪文による誘発能力の強請という、交わることのない次元で応酬が繰り広げられる。

 戦場を膠着させられてしまえば勝ち目のなくなる白石は、《オルドルーンの古参兵/Ordruun Veteran(GTC)》から《果敢なスカイジェク/Daring Skyjek(GTC)》、《くすぶり獣/Ember Beast(GTC)》とクリーチャーを立て続けにキャストし、大隊の条件を満たして勝負をかけようと試みる。

 しかし、北山の《カルテルの貴種/Cartel Aristocrat(GTC)》、《ザリーチ虎/Zarichi Tiger(GTC)》というブロッカーとして優秀なクリーチャーを前に、攻めるタイミングが見いだせなかった。

 そうこうしているうちに、北山のフィニッシャーである《天使の散兵/Angelic Skirmisher(GTC)》が現れてしまい、攻撃時には絆魂を、ブロック時には先制攻撃を全てのクリーチャーに付与されてしまっては、もう全くゲームにはならず。

 初期ライフの20を大幅に超えて回復した北山が第1ゲームをものにした。

北山 1-0 白石


白石 知己
ゲーム2

 OK、後攻ゆえに1ゲーム目を落としたのだ、と割り切る白石は、同じデッキとはとても思えない動きで北山を圧倒する。

 《聖堂の金切り声上げ/Basilica Screecher(GTC)》から《カルテルの貴種/Cartel Aristocrat(GTC)》と、前ゲーム同様に地上に強い低マナ・クリーチャーを展開する北山だったが、後手でキープした2枚の土地以降、引けども引けども3枚目のマナソースを見つけることができない。

 攻撃に特化し、しかも先攻を得た白石に対して致命的とも言える北山のそんな出遅れを、白石ボロスのキーカードたちが見逃すはずもなかった。

 3ターン目、《空騎士の軍団兵/Skyknight Legionnaire(RAV)》。

 4ターン目、《空騎士の軍団兵/Skyknight Legionnaire(RAV)》。

 5ターン目、《空騎士の軍団兵/Skyknight Legionnaire(GTC)》。


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 白石の果敢な攻撃に為す術もなく、みるみるうちにライフが減っていく北山。

 せめて除去呪文でもあろうものならダメージ・クロックを引き下げることもできるのだが、生憎引いてくるのは今の状況にはかみ合わない重たいカードばかり。

 ライフの回復手段があるのにマナの足りない北山は、状況を打開できるカードがないことを確認してカードを片付けた。

北山 1-1 白石

ゲーム3

 第1ゲームは北山が、第2ゲームは白石が、お互いに1ゲームずつプラン通りの良い動きを見せけてくれたのたが、マジックはいつも潤沢なリソースを奪い合うゲームではないことをこの試合は教えてくれた。

 改めて先攻の北山、初手の《沼/Swamp(S00)》と《平地/Plains(NPH)》を眺め、2枚の土地と3マナ以降のクリーチャーをキープする。白石は渋い顔でマリガンを選ぶが、1-1の最終ゲームらしく、1ターン目の《鋳造所通りの住人/Foundry Street Denizen(GTC)》へ《向こう見ずな技術/Madcap Skills(GTC)》をエンチャントするロケットスタートを決めてみせた。

 さきほどの土地を引けなかった試合がフラッシュバックしそうになるドローで、3マナにありつけない北山だが、これは初手をキープする要因となった《処刑人の一振り/Executioner's Swing(GTC)》で対処する。

 互いに、手札が弱いのか、相手が何を持っているのかを真剣に考えている表情だったのだが、白石はここで思わず笑ってしまう。

 実は、幸先良く展開を始めた白石だったが、2枚のカードを除く全てのドローが土地、土地、土地で、キャストする呪文が全く引けておらず、3枚目の土地の置けない北山を前に、一切攻撃を仕掛けることができないのだ。

 もちろん、北山もすぐには3マナにたどり着けはしなかったのだが、有り余る土地のみを持つプレイヤーと、大量の使い切れない呪文を抱えるプレイヤー、この両者がゲームを進めていけば、結果はどう考えても明らかだ。

 白石にクリーチャーがいないため、実質バニラな《宮廷通りの住人/Court Street Denizen(GTC)》が北山の元に現れると、そもそも呪文を引き込めない白石はただただ攻撃をプレイヤーで受けるのみ。

 大事な除去呪文、《天使の布告/Angelic Edict(GTC)》も戦況を変える使い方はさせてはもらえず、白石は2/2クリーチャーの群集に埋もれていく。

 ダブルマリガンよりも良い選択だった、リスクのある6枚だが賭けに負けた、それならば仕方がないと割り切った表情で白石は爽やかに、北山に握手を求めたのだった。

北山 2-1 白石

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