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Round 1: 森 勝洋(2006・2010) vs. 三津家 和彦(2002)

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Round 1: 森 勝洋(2006・2010) vs. 三津家 和彦(2002)

By Takamasa Sato


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 マジックを始めたころ、誰もが思ったことがあるはずだ。
 「一番強くなりたい」と。

 まずは、友人の間で。
 いつも行くカードショップで。
 草の根大会で。
 都道府県で。
 地域で。
 国で。
 世界で。

 しかし、やがて誰もが知ることになる。その頂の遠さと、そこに立ち続けることの困難さを。
 同時に、頂に立つ者に対する崇敬の念も増していく。

 この舞台に立つことを許されているのは、日本の頂に立った者だけ。

 森 勝洋。2006年と2010年の日本王者にして、2005年の世界王者。「帝王」と呼ばれる男。

 三津家 和彦。八王子勢として日本のマジックシーンを牽引し、2002年の王座についた男。

 どちらも王だ。最強と呼ばれた男だ。時を越え、カードが変わっても、マジックの本質は変わらない。
 片手に握りしめられる程度のカードの束に、自らのすべてをかけてぶつかり合う。それだけだ。


 このイベント、『バトル・オブ・チャンピオン』はただのサイドイベントではない。あるいは本選で得られる結果より大事なものが。プライドがかかっている。

 さあ、王者の中の王者を決めよう。

 あの頃の、初期衝動に身を任せるのだ。

 「目の前の敵を打ち倒して、最強になる」


Game 1

三津家 和彦
2002年王者・三津家 和彦

 先手の三津家は1マリガン。
 互いに《平地/Plains(ALA)》を並べあい、《嵐前線のペガサス/Stormfront Pegasus(M12)》を並べあう展開に。

 三津家は森のペガサスを《ショック/Shock(M12)》で除去し、《雪花石の魔道士/Alabaster Mage(M12)》を送り出す。
 これは森の《マーフォークの物あさり/Merfolk Looter(M12)》と相討ちに取られるが、《ゴブリンの投火師/Goblin Fireslinger(M12)》《帝国の王冠/Crown of Empires(M12)》《グリフィンの歩哨/Griffin Sentinel(M12)》とつなげてこのまま殴り殺すプラン。

 対する森は《マーフォークの物あさり/Merfolk Looter(M10)》2体目を置くのみ。

 土地が5枚並んだ状態で、森は長考。苦笑しつつ出したのは《精神の制御/Mind Control(M12)》。
 対象は《ゴブリンの投火師/Goblin Fireslinger(M12)》。これには思わず三津家も苦笑する。

三津家 「デッキが弱過ぎるんだよね」

 三津家、アタックしてからの《血まみれ角のミノタウルス/Gorehorn Minotaurs(M12)》には、森の《マナ漏出/Mana Leak(M11)》。

 次のターン、6マナに到達した森は《神盾の天使/Aegis Angel(M12)》を降臨させる。
 しかし、三津家の《帝国の王冠/Crown of Empires(M12)》が攻撃を許してくれない。

 三津家は《グリフィンの歩哨/Griffin Sentinel(M12)》で攻撃し、今度こそはと2枚目の《血まみれ角のミノタウルス/Gorehorn Minotaurs(M12)》。
 これは通り、狂喜が発動して5/5で着地。しかし、森はしっかりと《平和な心/Pacifism(M10)》でこれに対処する。

 苦しい表情の三津家が唱えた《神盾の天使/Aegis Angel(M12)》は《取り消し/Cancel(M10)》され、森が更なる脅威として《正義の執政官/Archon of Justice(M12)》を送り出すと、三津家はカードを片付けた。

森 1-0 三津家


 スピーディーにサイドを行った森に対し、三津家は何度も確かめながらデッキを作りかえる。

 約3年ぶりに競技マジックに復帰したという三津家は「カードが弱いんだよ」と言いつつもどこか楽しそうだ。
 ブースター12パックを用いる「スーパーシールド」というレギュレーションにはいくつもの選択肢があるため、いかな日本王者といえど、正答を見つけだすことは困難なのだろう。


Game 2

 再び先手の三津家。1ターン目から《先兵の精鋭/Elite Vanguard(M12)》でビートを始めるが、森も1ターン目に設置した《ギデオンの法の番人/Gideon's Lawkeeper(M12)》で相討ちを選ぶ。

 攻撃の手を緩めるわけにはいかない三津家は、《鎧の軍馬/Armored Warhorse(M12)》《グリフィンの歩哨/Griffin Sentinel(M12)》と展開。
 対する森は《思案/Ponder(M12)》と《予言/Divination(M12)》で手札を整えるのみ。

 三津家が更なる脅威として送りだした《大石弓の精鋭/Arbalest Elite(M12)》をひとまずは《霊気の達人/AEther Adept(M11)》し、出し直されたところで《精神の制御/Mind Control(M11)》。

 ここで、三津家の場に並ぶのは5枚の《平地/Plains(ALA)》。三津家、デッキを単色にしたようだ。
 三津家は《鎧の軍馬/Armored Warhorse(M12)》と《グリフィンの歩哨/Griffin Sentinel(M12)》で攻撃を続け、森がブロック指定をしたところで《護衛の誓約/Guardians' Pledge(M12)》。
 これでダメージレースは三津家に傾く。

 三津家は今度こそ殴り勝つべく、《雪花石の魔道士/Alabaster Mage(M12)》《流浪のグリフィン/Peregrine Griffin(M12)》と送り込む。

森 勝洋
2006年・2010年王者
森 勝洋

 森も《突撃するグリフィン/Assault Griffin(M11)》を2連打し、《流浪のグリフィン/Peregrine Griffin(M12)》に《平和な心/Pacifism(M10)》で対処するのだが、依然盤面は押されている。

 しかし、三津家も手札はわずかに一枚。

 再びの三津家全軍攻撃を、森は相討つべくブロック指定するが、そこに飛んでくる二枚目の《護衛の誓約/Guardians' Pledge(M12)》。
 これで、森のライフは5まで追い詰められる。

 森は渋い表情で《ギデオンの報復者/Gideon's Avenger(M12)》を戦場に。
 これで、三津家の攻撃が止まってしまう。
 どのクリーチャーでアタックしても、この防衛線を乗り越えることができないのだ。

 かといって森も攻撃に転じることが出来ない。

 互いにドローを繰り返し、三津家が《ベナリアの古参兵/Benalish Veteran(M12)》と《順応する自動機械/Adaptive Automaton(M12)》を。森が《練達の盗賊/Master Thief(M12)》と《嵐前線のペガサス/Stormfront Pegasus(M10)》を並べ、膠着状態は続く。

 やがて、森の放った2枚目の《平和な心/Pacifism(M10)》が、三津家の航空戦力から戦意を奪い取ると、森の《突撃するグリフィン/Assault Griffin(M11)》が静かに三津家のライフを削り始める。

 これはきついと三津家の放った《帝国の王冠/Crown of Empires(M12)》は《取り消し/Cancel(M10)》されるが、更なる脅威として送り込んだ《ドルイドの物入れ/Druidic Satchel(M12)》は無事に着地。
 ここで森は苦笑。3ターンほど前に、《練達の盗賊/Master Thief(M12)》をカラ撃ちしてしまっているのだ。

 しかし、依然として制空権は森にある。
 三津家の《ドルイドの物入れ/Druidic Satchel(M12)》がいくらランドを供給しても航空戦力は現れない。
 森が数回殴った後に《神盾の天使/Aegis Angel(M12)》を戦場に置くと、三津家は黙ってカードを片付けた。

森 2-0 三津家

 第1回戦の勝者は、「帝王」森 勝洋!


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