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Round 3: 北山 雅也(2007) vs. 中村 修平(2009)

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Round 3: 北山 雅也(2007) vs. 中村 修平(2009)

By 津村 健志


 現在2連勝中の2人の対戦。どちらもデッキは相当に強いようだが、やはり北山のデッキは頭ひとつ飛びぬけている模様。北山のデッキはレア満載の緑青タッチ白で、中村のデッキは《審判の日/Day of Judgment》と《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》の入った青白デッキだ。

 お互いに旧知の仲ということで、仲良く談笑しながらゲームが始まる。


Game 1

北山 雅也
2007年王者・北山 雅也

 先手の北山がマリガンをしただけで、中村が煽る煽る。

 しかしその煽りにもマリガンにも負けず、北山が怒涛の勢いを見せる。1ターン目から《極楽鳥/Birds of Paradise》→《マーフォークの物あさり/Merfolk Looter》→《棍棒のトロール/Cudgel Troll》と流れるように展開したのだ。
 中村も《ギデオンの法の番人/Gideon's Lawkeeper》《蒼穹の魔道士/Azure Mage》《雪花石の魔道士/Alabaster Mage》でこれらに立ち向かうが、北山が《霊気の達人/AEther Adept》で《ギデオンの法の番人/Gideon's Lawkeeper》をバウンスすると、《棍棒のトロール/Cudgel Troll》が殴る殴る。

 中村は《グリフィンの歩哨/Griffin Sentinel》と《ギデオンの法の番人/Gideon's Lawkeeper》を出し直すが、タッパーは《アラクナスの蜘蛛の巣/Arachnus Web》で置き物同然に。
 中村が止まれトロール!っと願いを込めて戦場に送りこんだ《鐘塔のスフィンクス/Belltower Sphinx》も《忘却の輪/Oblivion Ring》であっさりとご退場。ここまでご覧になっていただいているように、北山はレアだけでなく、脇を固めるカードも相当に強い。

 中村はトップデックした《平和な心/Pacifism》をもってして、ようやく《棍棒のトロール/Cudgel Troll》を黙らせることに成功する。北山が何も引かない間に2体目の《鐘塔のスフィンクス/Belltower Sphinx》をキャストし、航空戦力で主導権を握ろうとするが、北山は追加の《霊気の達人/AEther Adept》で《鐘塔のスフィンクス/Belltower Sphinx》をバウンスし、1枚目の爆弾カードである《原初の狩人、ガラク/Garruk, Primal Hunter》を戦場へ。もちろんトークンを生産して物量に差をつける。

 しかしながら、中村もこの勝負どころで《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》をトップデック!すぐさまプラス能力を起動し、次のターンに手札の《審判の日/Day of Judgment》と組み合わせることで、《原初の狩人、ガラク/Garruk, Primal Hunter》を倒す算段を立てる。

 だが北山はデッキパワーの差を見せつけるかのように《記憶の熟達者、ジェイス/Jace, Memory Adept》をキャストする。

 リミテッドとは思えない、まさかまさかのプレインズウォーカーが3体も並ぶという前代未聞の展開に、プレイしている両者もギャラリーも沸きに沸く。中村の声はただの悲鳴だが。

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 とりあえず目の前の脅威をひとつずつ対処していこうと、《審判の日/Day of Judgment》→《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》をクリーチャー化してのアタックで《記憶の熟達者、ジェイス/Jace, Memory Adept》は葬った中村。

 北山は何も引かなかったようで、ドロー後に《原初の狩人、ガラク/Garruk, Primal Hunter》でトークンを出して、最終奥義を狙う構えに。現在《原初の狩人、ガラク/Garruk, Primal Hunter》の忠誠度は5なので、何もなければ2ターン後には最終奥義が起動できる。

 ここで中村は《原初の狩人、ガラク/Garruk, Primal Hunter》のテキストを読んでから一言。

中村 「最終奥義たいしたことないじゃん。」

北山&ギャラリー 「え~~~~!?」

 その昔、口三味線をひくことで有名だった中村だが、この発言の意図とは?

 実際に中村は《原初の狩人、ガラク/Garruk, Primal Hunter》の最終奥義にあまり関心がないようで、《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》でアタックしてトークンにチャンプブロックを強制させるが、戦闘後に《セラの天使/Serra Angel》を追加するのではなく、《予言/Divination》をキャストしてターンを終える。

 北山は今引いたばかりの《大蜘蛛/Giant Spider》と、トークンを出してターンを返す。いよいよ次のターンには《原初の狩人、ガラク/Garruk, Primal Hunter》が爆発する。
 中村は相変わらず《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》で《原初の狩人、ガラク/Garruk, Primal Hunter》を狙うのだが、トークンに阻まれ忠誠度が減らせない。《セラの天使/Serra Angel》を追加しただけでターンを返した中村に対し、ドローが土地ばかりで、他に選択肢のない北山はもちろん《原初の狩人、ガラク/Garruk, Primal Hunter》の最終奥義を起動する。

 一気に豪華8体もの6/6トークンを手に入れ、パッと見では盤面上の有利を得るのだが北山が懸念しているのは、中村が余裕を持って言い放った先ほどの言葉の真意だ。2枚目の《審判の日/Day of Judgment》なのか? それとも他に何か打つ手があるのか?

 全員が固唾を飲んで見守る中、中村がもう一度《原初の狩人、ガラク/Garruk, Primal Hunter》を手に取ってテキストを読み始める。

中村 「え?最終奥義ってそんな強い能力なん?」

北山&ギャラリー 「え~~~~!?」

 さきほどとは全く別の戦慄がギャラリーの間を駆け巡る。世界でも有数のトッププレイヤーであれど、発売直後にはこのような勘違いをしてしまうのだ。

 結局、この勘違いは高くついてしまい、長かった1本目は北山が先取。

北山 1-0 中村


 普通のゲームとは違い、サイドボードが100枚以上あるこの「スーパーシールド」では、2試合目以降のオプションも実に多様で、色を変えることも容易だし、カードプールによってはデッキを2つ組むことも可能だ。

 はたして、2人の日本王者はどのようなプランを目指すのか?


Game 2

中村 修平
2009年王者・中村 修平

 先手の中村が《マーフォークの物あさり/Merfolk Looter》、後手の北山が《不屈の自然/Rampant Growth》と、またも両者共に良い立ち上がりなのだが、3ターン目に中村がキャストしたカードを見て北山が悲鳴をあげる。

 そのカードとは《ジェイスの消去/Jace's Erasure》である。百戦練磨の中村は、カードパワーで勝る北山に真っ向から立ち向かうのではなく、ライブラリーアウトという軸をずらした戦いを2戦目に用意してきたのだ。

 返すターンで北山はすぐさま《アラクナスの蜘蛛の巣/Arachnus Web》を唱え、《マーフォークの物あさり/Merfolk Looter》を除去。《ジェイスの消去/Jace's Erasure》の状況下では、なおのことルーターを放っておくわけにはいかない。

 土地を置いただけで動きのない中村を尻目に、《忘却の輪/Oblivion Ring》で《ジェイスの消去/Jace's Erasure》をも対処する北山。
 続くターンに中村がキャストした2枚目の《ジェイスの消去/Jace's Erasure》も《否認/Negate》で打ち消し、中村のプランを徹底的に阻害する。

 さらに《酸のスライム/Acidic Slime》で中村陣営の《島/Island》を破壊。土地が4枚で止まっていた中村の戦場は、《島/Island》が1枚と《平地/Plains》が2枚だけのさみしいものになってしまう。
 中村は《ギデオンの法の番人/Gideon's Lawkeeper》こそ引けたものの、その後数ターンに渡って追加の土地は引けず、ドローゴーを繰り返すのみ。北山の《原初の狩人、ガラク/Garruk, Primal Hunter》を《否認/Negate》で打ち消し、ぎりぎりのところで踏みとどまっている中村ではあったが、北山が《霊気の達人/AEther Adept》で自身の《酸のスライム/Acidic Slime》をバウンス→再召喚で中村の《島/Island》を破壊すると、中村の土地はまたも《平地/Plains》のみに。

 なんとか《平地/Plains》を連続で引き込み、《正義の執政官/Archon of Justice》を召喚することができた中村だったのだが、北山は《平和な心/Pacifism》であっさりとこれを退け、さらにトップデッキした《原始のタイタン/Primeval Titan》で一気にゲームを決めにかかる。

北山 「ついでにこれもいっとくかー!」

 と最後の手札である《アラクナスの蜘蛛の巣/Arachnus Web》も《ギデオンの法の番人/Gideon's Lawkeeper》に付けて完全にノリノリの北山。

 だが中村もそう簡単には引き下がらない。返すターンにカードを引いた中村自身も驚きながらにキャストしたカードはなんと《審判の日/Day of Judgment》!

 《正義の執政官/Archon of Justice》の死に土産で北山の《忘却の輪/Oblivion Ring》を追放し、戦場には中村の《ジェイスの消去/Jace's Erasure》だけが残り、手札も北山0枚vs中村5枚という俄然有利な展開まで持ち直した。

 一方で何もかも失ってしまい、あからさまに落ち込んだ表情の北山だったが、次のドローを見た瞬間に顔色が変わる。

北山 「ファークトアフィークショーン♪」

 とリズムに乗って戦場に現れたのは《ウスーンのスフィンクス/Sphinx of Uthuun》・・・これだけの数のレアを見せつけられると、さすがの中村も苦笑いするしかない。

 がんばれ中村!負けるな中村!そんなギャラリーの声援が聞こえてきそうな展開だが、「Fact or Fiction」=《嘘か真か/Fact or Fiction(INV)》効果でめくれた5枚を見て、さらに一同仰天。

  • 《島/Island》
  • 《大蜘蛛/Giant Spider》
  • 《アラクナスの紡ぎ手/Arachnus Spinner》
  • 《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》
  • 《記憶の熟達者、ジェイス/Jace, Memory Adept》

 これを前者3枚、後者2枚に分けた中村だったが、北山が《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》と《記憶の熟達者、ジェイス/Jace, Memory Adept》の方を入手し、次のターンに《記憶の熟達者、ジェイス/Jace, Memory Adept》を唱えると、一瞬にしてライブラリーが無くなってしまったのだった。

北山 2-0 中村

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