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アーティスト・インタビュー: マーク・テディン&ニルス・ハム

アーティスト・インタビュー: マーク・テディン&ニルス・ハム

by Seo Asako


 サイン会にいらっしゃっているマーク・テディンさんとニルス・ハムさんに、通訳を介してインタビューを実施しました。

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マーク・テディンさん
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ニルス・ハムさん

―― 今日はよろしくお願いします。お2人は日本にいらしたことはありますか?

テディン 「記憶が正しければ、これが8回目の来日です。全部サイン会で来ました」

ハム 「日本は初めてです。マジックのサイン会自体も今回が初めてなので、とても楽しいです」

―― 何度もおいでになっているマーク・テディンさんは、好きな日本の食べ物や場所はありますか?

テディン 「和風のピザ・・・お好み焼きと言うの? それが好きです。食べ物はみんなおいしいですけど。サイン会であちこち行きましたが、どこが一番よかったかというのは難しいですね。でも広島で厳島神社に行ったのは素晴らしくて、何日かけて写真を撮っても足りないほどです。そこに住んでいる鹿もかわいかった。それに日本の人はみんな優しいしフレンドリーなので、日本人も好きです」

ハム 「あ、奈良にも鹿がいるって聞いたんですけど」

―― いますね。今回、日本を観光される予定があるんですか?

ハム 「火曜日はフリーなので、奈良に行ってみたいと思っています」

―― 大阪からなら近いですし、いいですね。
  マーク・テディンさんは日本のお客さんについて触れていらっしゃいましたが、日本と海外でサインを求められるカードに違いはありますか?

テディン 「そうですね・・・《Juzam Djinn》や《ネクロポーテンス/Necropotence》といった古いカードは世界どこでも人気がありますが、あとはこれといって。みんなそれぞれ好きなカードが違うので、自分の好きなカードを持ってくるようです」

―― ニルス・ハムさんが今回たくさんサインしたカードは何ですか?

ハム 「みんな《墓所のタイタン/Grave Titan》を持ってきますが、それと同じくらいみんなが持ってくるのは《アメーバの変わり身/Amoeboid Changeling》。これは予想外だったので、大きなプリントを1枚も持ってこなかったんです」

テディン 「サイン会も回を重ねるとどの絵が人気かわかってくるので持ってくるプリントの量を調整できるんだけど、最初だと全然わからないからね」

―― アメーボイドはすごく人気がありますね。次の機会がありましたら、ぜひ《アメーバの変わり身》の大きなイラストを持ってきてください。

ハム 「そうします」

―― お2人はマジックの仕事はいつからされているのですか?

テディン 「1992年秋、カードが発売される前からです。アルファに描いていますから」

ハム 「2005か6年、未来予知から始めました」

―― 今まで描いてきた中で、気に入っているカードは何ですか?

テディン 「前は《精神攪乱スラル/Mindstab Thrull》でした。理由は、頭で想像したものとできあがった絵が同じだったからです。普段は、最初に思い浮かべたものと実際に描きあがるものは若干違うので、思ったとおりにできたのが気に入っています。最近一番気に入っているのは《至高の模範/Supreme Exemplar》、非現実的で宇宙的な巨大さで、めったに描かない動物のライオンとかも入っているので......頭だけですけどね」

ハム 「私は《尖塔の大長/Chancellor of the Spires》、絵のようにテクスチャが多くて・・・雰囲気、色の具合・・・面白い形、そう、形ですね。すべてにおいて気に入っています。自分が手がけた中で今まで一番よくできた絵です。どうして形にこだわるかというと、以前ほかのイラストレーターにものの形をしっかり描いたほうがいいと指摘を受けて、その点を努力して改善して、この絵で実現できたのがうれしいんです」

―― イラストを描く手段は何ですか?

テディン 「もともとは水彩と色鉛筆でした。早く描けるし、絵自体が小さかったからです。《精神攪乱スラル/Mindstab Thrull(5ED)》を描いたころは水彩からガッシュに移行していて、今はアクリルガッシュがメインです。ときどきデジタルを使ったり、墨と水彩を使うこともあります」

―― レガシー選手権で優勝者に贈られる《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》の原画も?

テディン 「アクリルガッシュです」

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―― 〈エムラクール〉を例にとると、描くのにどれくらいかかるものですか?

テディン 「だいたい2週間くらい、なぜかというと自分が納得できるようにするまで時間がかかるからです。ただ〈エムラクール〉はセットのコンセプト自体に関わっていたのでもともとの形は決まっていて、実際に絵を描き始めてからはそんなにかかりませんでした。

 実際に筆を使って描いたのは36時間くらい、ぶっつづけで描いていたわけではなくて何日かに分けてですが。どの色を使うか決めてから、描きあがるまでは早かったです。色をつけるより形を決めるときのほうが時間がかかりますね」

ハム 「私は時間の関係で、最初は油絵ないしアクリル絵具で簡単に描いてからPCでペインターを使って仕上げることが多いです。ほとんどが油絵で、効果を少し加えて完成させるとか、絵によってPCを使う割合は変わりますが。7割くらいPCというものなら、1枚仕上げるには3、4日間、長ければ2週間かかります。ウィザーズのアートディレクターとのやりとりに時間がかかるんです。アートディレクターのジェレミー・ジーヴィスは最初にラフスケッチをくれと言うのですが、私は鉛筆でスケッチするのが好きではなくていきなり描き始めるので、そのあとの修正のやりとりがあるんです。私はスケッチをもとにそのまま描くのではなくて、気の向くままに描くのが好きなんです」

―― なるほど。最後に、マジックのカードを描くときに気をつけていることは何ですか?

テディン 「最初のころは、イラストを大きくして再利用することはなかったので原画も小さかったですが、今はご覧の通り大きいポスターやバナーになって使われることがあるので、大きくなってもきれいに見えるように気をつけて仕上げています。ですので、昔はけっこうラフに描いていましたが、今はわざとラフな感じにしたいとき以外は細かく描きます」

ハム 「うまく説明できませんが、マジックアーティストは大勢いてそれぞれの味があるので、自己表現・・・自分らしさ、他人にこだわらず自分が書きたいものを自分のスタイルで描こうとしています。人まねをせず、自分流のものを出すようにつとめています。それと感情・・・絵に感情を入れようとしています」

―― ありがとうございました。明日も大変だと思いますが、がんばってください。

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バインダーにイラストを入れるマーク・テディンさん
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《光らせの子》を描くニルス・ハムさん

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