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準々決勝: 伊藤 光英(埼玉) vs. 三原 槙仁(千葉)

準々決勝: 伊藤 光英(埼玉) vs. 三原 槙仁(千葉)

By 金民守


準々決勝3

 日本選手権準々決勝、この栄光のフィーチャーマッチエリアで対峙したのは、2006年世界チャンピオンであり"魔王"の異名をとる三原槙仁、そして2006年高校生選手権優勝を皮切りに、プロツアーや世界選手権でも着実なマネーフィニッシュを積み重ねる注目の新鋭・伊藤光英の2名。

 伊藤は前日までボロスを調整していたが、直前になってのデッキ変更が功を奏し、スタンダードラウンドを7-1の素晴らしい成績でこのベスト8の席まで駆け上がってきた。

 そのデッキは、伊藤が高校生選手権を優勝した時のチームメイトである吉村がチューンしたヴァラクートランプ。
 試合前のインタビューで《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum(M12)》の採用によってビート全般に対して耐性を高めたことが勝因だと語ってくれた伊藤の周りには、彼のベスト8をわが身のことのように喜び誇る友人たちの姿があった。
 ベスト8が決まった昨晩も、友人たちは伊藤を決勝に万全の体調で送り出すべく、夜を徹して代わりに調整を行い、スペシャルサイドボードプランを用意してくれたと語る伊藤。

 そしてその伊藤を迎え撃つは三原は、今回で5回目の日本選手権ベスト8。勿論これは前人未到の快挙である。
 デッキは《緑の太陽の頂点/Green Sun's Zenith(MBS)》型のヴァラクートランプ。最大の特徴はサイドに仕込まれた1枚の《沼/Swamp(ALA)》と3枚の《記憶殺し/Memoricide(SOM)》。

 試合前、三原は過去4度の日本選手権ベスト8は全て一没だったことを笑いながら語ってくれたが、はたしてこの同系殺しの必殺サイドボードは三原の一没ジンクスを破ってくれるのだろうか?

 ギャラリーたちの注目の中、試合が始まった。


Game 1

 先手は伊藤。《噴出の稲妻/Burst Lightning(ZEN)》《不屈の自然/Rampant Growth(M12)》×2、《ゼンディカーの報復者/Avenger of Zendikar(WWK)》と土地というハンドをキープ。

伊藤 光英

伊藤 光英

 三原は《不屈の自然/Rampant Growth(M12)》《ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya(ZEN)》《草茂る胸壁/Overgrown Battlement(ROE)》《ゼンディカーの報復者/Avenger of Zendikar(WWK)》と土地というハンドをキープ。

 期せずして、両者とも本命である《原始のタイタン/Primeval Titan(M12)》による火山噴火ではなく、《ゼンディカーの報復者/Avenger of Zendikar(WWK)》によるビートダウンを目指すゲームプランである。


 まずは先手の利を生かした伊藤が、《不屈の自然/Rampant Growth(M12)》を連打してからの《噴出の稲妻/Burst Lightning(ZEN)》でキッカーで《草茂る胸壁/Overgrown Battlement(ROE)》を除去し、チームメイトの1マナ火力の選定に感謝しながらターンを返す。

 後ろから迫る魔王の足を止めることに成功したかに見えたが、三原は《ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya(ZEN)》2枚目の《草茂る胸壁/Overgrown Battlement(ROE)》と展開し、次ターンには伊藤に先行して《ゼンディカーの報復者/Avenger of Zendikar(WWK)》を場に着地させる。苗木を並べターンを返す三原、

 そして伊藤はここで渾身の《召喚の罠/Summoning Trap(ZEN)》をプレイ。緊張の面持ちで1枚1枚ライブラリーを捲っていく伊藤だが、探し求める《原始のタイタン/Primeval Titan(M12)》の姿はそこになく、出てきたのは《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum(M12)》。代打の駒不足に顔をしかめる伊藤と、大歓迎で身代わりを迎える三原。

 それでも伊藤はゲームの主導権を三原に渡さない。自身のターンを迎えて三原をうわまわる8体の苗木を引き連れた《ゼンディカーの報復者/Avenger of Zendikar(WWK)》をキャストし、フェッチランドを即起動して苗木たちを2/3にサイズアップ。次のターンのさらなる上陸によるサイズアップを予感させつつターンを返す。
 サイドボード前の重要なこの一戦。伊藤はどうしてもこの一戦が取りたい。真剣な面持ちで三原を見据える。

 ターンが返り三原がドロー。確認するように場を見つめ、三原が7枚の土地をタップしカードをプレイする。それは新鋭の希望をへし折る2体目の《ゼンディカーの報復者/Avenger of Zendikar(WWK)》。
 三原の場に総勢15体の苗木が並び、二度の上陸がトリガーされる。巫女により予見された三原の未カードは《耕作/Cultivate(CMD)》。三原の手札に《稲妻/Lightning Bolt(M11)》があることは既に公開されている。

 伊藤に残された時間は1ターンのみ。力を込めてドローしたそのカードは《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum(M12)》。
 数秒後、稲妻と噴火を伴って襲いかかる魔王の先兵が、新鋭の希望をねじり折った。

伊藤 0-1 三原


Game 2

三原 槙仁

三原 槙仁

 注目のサイドボード。三原は《怒り狂う山峡/Raging Ravine(WWK)》を《沼/Swamp(M12)》、《稲妻/Lightning Bolt(M11)》を《記憶殺し/Memoricide(SOM)》に入れ替えて伊藤の《原始のタイタン/Primeval Titan(M12)》を狙う。

 対する伊藤は《原始のタイタン/Primeval Titan(M12)》が抜かれることを前提に《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll(MBS)》《強情なベイロス/Obstinate Baloth(M11)》をサイドイン。4×5で20点を削るべく《噴出の稲妻/Burst Lightning(ZEN)》はそのまま残し、《ゼンディカーの報復者/Avenger of Zendikar(WWK)》《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum(M12)》を抜くサイドボードプランを取った。

 ゲームが始まる。三原は《不屈の自然/Rampant Growth(M12)》《耕作/Cultivate(CMD)》《原始のタイタン/Primeval Titan(M12)》という文句のない7枚をキープする。
 対照的に伊藤は《業火のタイタン/Inferno Titan(M12)》と土地というハンドで当然のマリガンを選択すると、その後何度取り直しても土地のないハンドばかりが続き、なんとトリプルマリガンから苦渋のノーランドキープ。
 そのまま淡々とゲームが進み三原が《記憶殺し/Memoricide(SOM)》のプレイを宣言すると、サイドボードプランの露呈を嫌った伊藤はその解決を待たずに投了した。

伊藤 0-2 三原


Game 3

 ゲーム1の熱戦がまるで夢か幻だったかのように伊藤のハンドがくすぶり続ける。
 《砕土/Harrow(ZEN)》《業火のタイタン/Inferno Titan(M12)》と土地というハンドをマリガンしたのちの《不屈の自然/Rampant Growth(M12)》と土地5というハンドを、開き直ったかのようにキープし、トップデッキに全てをかけてゲームが始まった。

 賭けに成功し、見事《不屈の自然/Rampant Growth(M12)》から3ターン目《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll(MBS)》の召喚に成功した伊藤だったが、三原の回りは常軌を逸していた。

極楽鳥は絶望をもたらす

三原の《極楽鳥》は・・・

 三原がデッキに唯一の《極楽鳥/Birds of Paradise(M12)》をファーストターンに召喚すると伊藤は絶望の溜息をもらす。

 《極楽鳥/Birds of Paradise(M12)》が除去されることをケアして《沼/Swamp(M12)》をサーチした後、《記憶殺し/Memoricide(SOM)》で伊藤の《原始のタイタン/Primeval Titan(M12)》を根絶やしにし、召喚した《ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya(ZEN)》で公開されるライブラリートップは《原始のタイタン/Primeval Titan(M12)》。
 《探検/Explore(WWK)》でこれを確保しながら土地を伸ばし、《ゼンディカーの報復者/Avenger of Zendikar(WWK)》を着地させると、あらゆる災悪が伊藤を襲った。

伊藤 0-3 三原

 魔王・三原槙仁!ジンクスを破り堂々の準決勝進出!!

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