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準決勝: 石田 龍一郎(愛知) vs. 三原 槙仁(千葉)

準決勝: 石田 龍一郎(愛知) vs. 三原 槙仁(千葉)

By Takamasa Sato

 最初にフィーチャー・テーブルに現れたのは石田 龍一郎。今大会8回戦で初フィーチャーされたシンデレラ・ボーイ。わずかに緊張を残した面持ちで登場し、座ると同時に一つ息を吐く。

 対面に現れたのは三原 槙仁。2006年世界王者にして「魔王」と呼ばれる男。足取りも確かに柵を越え、静かに席に着く。

 この二人、第7回戦で初日全勝を賭けて対決しており、その時は石田が三原を下している。

 石田のデッキは、直前に急浮上してきた白単《鍛えられた鋼/Tempered Steel(SOM)》。

石田 龍一郎
日本選手権2011(スタンダード)
11 《平地/Plains》
4 《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus》
3 《激戦の戦域/Contested War Zone》

-土地(18)-

4 《メムナイト/Memnite》
4 《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》
4 《信号の邪魔者/Signal Pest》
4 《きらめく鷹/Glint Hawk》
4 《大霊堂のスカージ/Vault Skirge》
4 《鋼の監視者/Steel Overseer》
3 《磁器の軍団兵/Porcelain Legionnaire》

-クリーチャー(27)-
4 《オパールのモックス/Mox Opal》
4 《急送/Dispatch》
3 《きらめく鷹の偶像/Glint Hawk Idol》
4 《鍛えられた鋼/Tempered Steel》

-呪文(15)-
3 《呪文滑り/Spellskite》
4 《コーの火歩き/Kor Firewalker》
2 《精神的つまづき/Mental Misstep》
2 《天界の粛清/Celestial Purge》
4 《忠実な軍勢の祭殿/Shrine of Loyal Legions》

-サイドボード(15)-

 同じく準決勝に進んだ井川と異なり、《定業/Preordain(M11)》をタッチすることなく、8枚の0マナクリーチャーと《オパールのモックス/Mox Opal(SOM)》で2ターン目《鍛えられた鋼/Tempered Steel(SOM)》の可能性を高め、《激戦の戦域/Contested War Zone(MBS)》と《鋼の監視者/Steel Overseer(M11)》をメインから取ることで《鍛えられた鋼/Tempered Steel(SOM)》を引けなかった場合の勝率を高めた「漢のデッキ」である。
 石田は前日まで青黒コントロールを使う予定だったが、友人から「このデッキはお前にしか回せない」と託され、乗り換えたのだという。


 対する三原のデッキはゼンディカー発売以来、あらゆるフォーマットでずっと使い続けている《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle(ZEN)》コンボ。

三原 槙仁
日本選手権2011 (スタンダード)
10 《山/Mountain》
5 《森/Forest》
4 《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle》
4 《進化する未開地/Evolving Wilds》
2 《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》
2 《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
1 《怒り狂う山峡/Raging Ravine》

-土地(28)-

1 《極楽鳥/Birds of Paradise》
3 《草茂る胸壁/Overgrown Battlement》
4 《ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya》
4 《原始のタイタン/Primeval Titan》
2 《ゼンディカーの報復者/Avenger of Zendikar》

-クリーチャー(14)-
2 《稲妻/Lightning Bolt》
4 《不屈の自然/Rampant Growth》
2 《探検/Explore》
4 《耕作/Cultivate》
1 《転倒の磁石/Tumble Magnet》
1 《召喚の罠/Summoning Trap》
4 《緑の太陽の頂点/Green Sun's Zenith》

-呪文(18)-
1 《強情なベイロス/Obstinate Baloth》
1 《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll》
1 《ガイアの復讐者/Gaea's Revenge》
4 《紅蓮地獄/Pyroclasm》
1 《自然に帰れ/Back to Nature》
1 《転倒の磁石/Tumble Magnet》
3 《記憶殺し/Memoricide》
2 《忍び寄る腐食/Creeping Corrosion》
1 《沼/Swamp》

-サイドボード(15)-

 三原は先日のグランプリ・神戸でもエクステンデッドで三色《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle(ZEN)》を用いて、見事準優勝を果たしている。
 世界選手権でも赤いコンボデッキである「ドラゴンストーム」で王者に輝いていることを鑑みると「赤いコンボを持った魔王はまさに金棒を持った鬼」という言葉にも信憑性がある。

 どちらも準々決勝を3-0で勝ち上がってきた「剛腕」。

 三原がドラゴンストーム使いであることから『Master of the Dragons』と呼ばれるのに対して、石田も名前に「龍」を持つ男。
 この対決はリベンジ・マッチであると同時に剛腕ドラゴン対決でもあるのだ。

 どちらの「龍」が王座への挑戦権にふさわしいか? いざ、尋常に勝負。


準決勝2


Game 1

 ダイスロールの結果、先手は三原の手に。一瞥して即キープすると、石田はマリガン。

 6枚に減った手札には《鍛えられた鋼/Tempered Steel(SOM)》はあるものの、クリーチャーが《きらめく鷹/Glint Hawk(SOM)》2枚と《信号の邪魔者/Signal Pest(MBS)》と、噛み合ってない。
 苦渋の顔でダブルマリガン。《メムナイト/Memnite(SOM)》《大霊堂のスカージ/Vault Skirge(NPH)》《鋼の監視者/Steel Overseer(M11)》《きらめく鷹の偶像/Glint Hawk Idol(SOM)》平地というハンドをキープ。

 ファーストアクションは石田。《メムナイト/Memnite(SOM)》と、ファーストドローで引きこんだ《きらめく鷹/Glint Hawk(SOM)》を置いて早くも3点クロック。

 対する三原は静かに《不屈の自然/Rampant Growth(M10)》を撃ち、マナを伸ばす。

 2ターン目、石田は《大霊堂のスカージ/Vault Skirge(NPH)》を置くが、2枚目の土地が引けない。
三原は《耕作/Cultivate(M11)》で既に《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle(ZEN)》を含む5枚の土地を戦場に。

 その後も土地を置けずアタックを繰り返すのみの石田に対し、三原は当然とばかりに4ターン目の《原始のタイタン/Primeval Titan(M11)》。
 返しに石田はサイズの小さな飛行戦力で殴ることしかできない。

 そのままターンを返すと《原始のタイタン/Primeval Titan(M11)》の攻撃と三原の手札から3枚の《山/Mountain(M11)》が上陸し、合わせて24点。

石田 0-1 三原


 石田は除去を抜き、《忠実な軍勢の祭殿/Shrine of Loyal Legions(NPH)》を追加。

 三原は《ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya(ZEN)》などビートに対して無能なカードを解雇し、除去を追加。


Game 2

 先手は石田に。双方7枚キープ。

 石田、1ターン目に《激戦の戦域/Contested War Zone(MBS)》から《大霊堂のスカージ/Vault Skirge(NPH)》《メムナイト/Memnite(SOM)》。さらに2ターン目に《きらめく鷹の偶像/Glint Hawk Idol(SOM)》と攻め立てる。

 三原は《不屈の自然/Rampant Growth(M10)》で《森/Forest(ALA)》《森/Forest(ALA)》《山/Mountain(M11)》と揃え、手札に《耕作/Cultivate(M11)》を握って最速《原始のタイタン/Primeval Titan(M11)》を目指す。

 しかし、石田はトップから引いた《オパールのモックス/Mox Opal(SOM)》を置いての《鍛えられた鋼/Tempered Steel(SOM)》!
 そのまま力強く生物をレッド・ゾーンに。これで一気に10点のダメージが入り、三原のライフは8。

三原 「ブン回りってやつ?」

 次のターンのドローを確認し、三原は投了。
 鮮やかな4ターン・キル。

石田 1-1 三原


Game 3

三原 槙仁
三原 槙仁

 先手は三原。《不屈の自然/Rampant Growth(M10)》も《耕作/Cultivate(M11)》も《原始のタイタン/Primeval Titan(M11)》もあり、土地も十分の手札をキープ。「4ターンタイタン」ハンドである。
 対する石田の手札を覗きこむと、《メムナイト/Memnite(SOM)》《羽ばたき飛行機械/Ornithopter(M10)》《きらめく鷹の偶像/Glint Hawk Idol(SOM)》から《鍛えられた鋼/Tempered Steel(SOM)》に十分な土地と、こちらもブン回りを保証された手札。

 さあ、どちらが速いか?

 ファーストアクションは石田。後手のドローで《オパールのモックス/Mox Opal(SOM)》をトップデッキして、一つ息を吐く。
 場に並んだのは、《メムナイト/Memnite(SOM)》《羽ばたき飛行機械/Ornithopter(M10)》《オパールのモックス/Mox Opal(SOM)》《平地/Plains》《きらめく鷹の偶像/Glint Hawk Idol(SOM)》!

 三原は「いい動きするなあ」と呟きつつ《不屈の自然/Rampant Growth(M10)》。

 2ターン目には《鍛えられた鋼/Tempered Steel(SOM)》を設置して、既に5点のダメージ。

 三原、「ずっこいなあ」と呟きつつ《耕作/Cultivate(M11)》。予定通り先手4ターン目タイタンの流れである。

 石田は攻撃の手を緩めることなく、《鋼の監視者/Steel Overseer(M11)》。
 攻撃で三原のライフは6に。

 三原、予定通りに《原始のタイタン/Primeval Titan(M11)》を着地させるのだが、返しに石田が置いた2枚目の《鍛えられた鋼/Tempered Steel(SOM)》が、すべての希望を打ち砕いた。

三原 「4ターン目タイタンじゃ、ダメ?」

石田 「ダメ!」

三原 「どうしろと!?」

石田 2-1 三原


 サイドボードを弄りながらも、二人のトークは続く。

三原 「そんだけブン回るなら俺もそのデッキ使うわ」

石田 「みんなに言われます」


Game 4

準決勝2

 先手の三原は、《草茂る胸壁/Overgrown Battlement(ROE)》《原始のタイタン/Primeval Titan(M11)》5枚の土地という手札をキープ。
 対する石田は《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus(MBS)》《メムナイト/Memnite(SOM)》《信号の邪魔者/Signal Pest(MBS)》《鋼の監視者/Steel Overseer(M11)》2枚、《きらめく鷹/Glint Hawk(SOM)》《コーの火歩き/Kor Firewalker(WWK)》のキープ。

 後手の石田は《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus(MBS)》からの《信号の邪魔者/Signal Pest(MBS)》《メムナイト/Memnite(SOM)》。
 三原は「いい回りっすね」と苦笑しつつ《草茂る胸壁/Overgrown Battlement(ROE)》。

 石田、《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus(MBS)》を引き込んでの《鋼の監視者/Steel Overseer(M11)》。
 対する三原はゲームのスピードを遅らせるべく、《転倒の磁石/Tumble Magnet(SOM)》。

 石田、3ターン目に3枚目の《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus(MBS)》を引き込み、生物化して《鋼の監視者/Steel Overseer(M11)》によって+1/+1カウンターを置く。完全な毒ビートプランだ。

 三原は有効なカードを引けず。石田の攻撃を《転倒の磁石/Tumble Magnet(SOM)》で誤魔化す。ライフは18、毒カウンターは3つ。

 三原、最速ではないが、5ターン目の《原始のタイタン/Primeval Titan(M11)》。
 これで土地は《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle(ZEN)》2枚、《進化する未開地/Evolving Wilds(ROE)》、《森/Forest(ALA)》2枚、《山/Mountain(M11)》3枚。

 石田は黙々と《鋼の監視者/Steel Overseer(M11)》からの《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus(MBS)》ビート。これで毒は7つ。

 しかし、三原の手には2枚目の《原始のタイタン/Primeval Titan(M11)》が潜んでおり、噴火した《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle(ZEN)》が石田を焼き殺した。

石田 2-2 三原


 石田は《原始のタイタン/Primeval Titan(M11)》を流刑すべく、サイドから《急送/Dispatch(NPH)》を戻す。


Game 5

 ラスト・ゲームの先手は石田。
 手札は《オパールのモックス/Mox Opal(SOM)》《激戦の戦域/Contested War Zone(MBS)》《信号の邪魔者/Signal Pest(MBS)》《大霊堂のスカージ/Vault Skirge(NPH)》《鋼の監視者/Steel Overseer(M11)》《磁器の軍団兵/Porcelain Legionnaire(NPH)》《忠実な軍勢の祭殿/Shrine of Loyal Legions(NPH)》。
 《鍛えられた鋼/Tempered Steel(SOM)》こそないものの、きっちり殴れる手札。

 後手の三原は1マリガン。石田の速い手札にかろうじて対抗できる《草茂る胸壁/Overgrown Battlement(ROE)》と《原始のタイタン/Primeval Titan(M11)》、土地4枚のハンドをキープ。

 石田、1ターン目に《激戦の戦域/Contested War Zone(MBS)》からの《大霊堂のスカージ/Vault Skirge(NPH)》《オパールのモックス/Mox Opal(SOM)》。
 2ターン目には《平地/Plains(M11)》を置いて《信号の邪魔者/Signal Pest(MBS)》《忠実な軍勢の祭殿/Shrine of Loyal Legions(NPH)》と並べる。
 これで既にハンドは2枚。

 三原は後手2ターン目に飛行戦力の前では《草茂る胸壁/Overgrown Battlement(ROE)》は無力であるため、《不屈の自然/Rampant Growth(M12)》を撃つことを選択。

 石田はアタックして三原のライフを削りつつ、更なる脅威として《磁器の軍団兵/Porcelain Legionnaire(NPH)》を3マナで唱え、《忠実な軍勢の祭殿/Shrine of Loyal Legions(NPH)》のカウンターを増やす。

 三原の3ターン目アクションは《不屈の自然/Rampant Growth(M10)》《草茂る胸壁/Overgrown Battlement(ROE)》と、決して悪いものではない。むしろ良い回りなのだが、石田の並べたクリーチャー陣を前にすると、心もとない。

 次のターンも石田は全軍突撃でライフは11。《忠実な軍勢の祭殿/Shrine of Loyal Legions(NPH)》起動の3マナを残してエンド。

 ここで三原は考えこむ。《忠実な軍勢の祭殿/Shrine of Loyal Legions(NPH)》を起動されると、石田の場にはさらに3体の生物が並び、《激戦の戦域/Contested War Zone(MBS)》もあるため、そのまま押し切られてしまうのだ。

 まずは《草茂る胸壁/Overgrown Battlement(ROE)》を置き、《緑の太陽の頂点/Green Sun's Zenith(MBS)》X=4で《ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya(ZEN)》。土地を置き、《紅蓮地獄/Pyroclasm(M11)》を引けば対策出来る場であるため、トップに賭ける。

 石田、気合を込めて丁寧に三原のデッキをシャッフル。
 最初にトップからめくれたのは《耕作/Cultivate(M11)》。

 三原、望むカードはこれではないと、手札から《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse(M10)》を置いて再びシャッフル。
 次に見えたのは《原始のタイタン/Primeval Titan(M11)》。土地もフルタップであるため、そのままエンド。

 石田はエンドに《忠実な軍勢の祭殿/Shrine of Loyal Legions(NPH)》を起動。3体のマイア・トークンが並び、そのまま次のターンに全軍攻撃して、三原のライフは1。

 三原の懸けるべきトップデッキは・・・すでに分かっているのだった。

石田 3-2 三原

 Mastars of Dragons、若き「龍」を御せず。

石田 龍一郎、決勝へ!

 石田 龍一郎、決勝へ!

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